自ら選択した前と違う別れ

親をやってもらえなかったという言葉・・・これはフランクリンとヒルダがどんな行動を取ってきたかにそれを発した状況も聞いて、ルルーシュは大いにカミーユに同情すると共に共感することになった。カミーユ自身はもう今は状況も違うから二人が生きているだけでいいと思っているが、親をやってもらえなかったという事に関しては前世も今生も同じような物である事はどうしようもないという考えになったものだが。

ただその言葉をルルーシュ自身に当てはめてみると、これが見事にルルーシュにも当てはまった物だった。親であるシャルルやマリアンヌは立派に親としての務めを果たしているつもりでいるのかもしれないが、前世は完全に論外どころなんて言葉で足りないだとかそんな次元ですら無かったが、今生も今生でまともな親をやってもらえなかったというようにルルーシュは感じていた。

百歩どころか何歩でもいいから譲って仕事が忙しいというような理由だったらまだ良かった。だが商機を逃さず動く事が出来る目に鼻の良さは評価は出来ても、その後の交渉だったり細かな事は全て部下だったり兄達に丸投げというような事をして、前世のような確固たる目的が無いからだろうが様々な俗事・・・ゴルフだとかよくある遊びだとかもだが、マリアンヌという正妻と半ば公認されている存在と共に女遊びに興じているといったことすら珍しくなかったのだ。

そんな倫理観もクソもないなんて言葉で言い切れない行動を平然と繰り返してきたシャルル達に、ルルーシュはこんな物がまともな親であるものかと憤りを覚える以外になかったのだが・・・そこで尚その憤りに加わる事が何かと言えば、シャルルもマリアンヌも自分達が愛情を持っていてその形を間違って無いと疑っていないことにあった。

・・・この辺りはシャルル達は前世は目的を達成すれば自分の気持ちやら考えやらは嘘偽りなく全ての者達に伝わり、受け入れられる物だと一切疑っていなかったからこそそんな自信満々でいられたのだが、そんなことが出来ない今生では記憶がないならもう少しはまともな親になっているのではと思っていたが、蓋を開けてみればそんな惨状だったことにルルーシュはハッキリと頭を抱えてしまったのである。こいつらの本質は自分達が良ければそれが正しくて、それを受け入れるのが当然だというように考える独善極まりない物なのだと考えて。

そしてだからこそというか前世の影響があるかどうかはさておきとしても、シャルル達は自分達の態度や発言に嘘はない・・・つまりはお前達を愛しているということは分かるだろうというように自信を持っているといった態度を揺るぐことなく見せてきたのだが、今のルルーシュから言わせてもらえば嘘をつきたくないというのもそうだが自分の弱味を見せたくないが故に、もう素直な言葉を口にする事が出来なくなった臆病者に卑怯者だというように思うようになっていったのである。本人達からすれば言い分は様々にあるだろうが、もうあの態度に顔はかつて自分が被っていた仮面などより余程外れない偽りの仮面がベッタリと皮膚にくっついてしまったのだろうと。









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