光が強まれば強まる程に影も濃さを増す
・・・高校生探偵として数多の事件を解決してその名を日本に知らしめた新一は、大学に進学してもそれまでとほとんど変わらないままに探偵活動を続けて来た。そして大学卒業と共に新一が就くと選んだ職業は勿論というよう、探偵だった。昔から決めていたことだからと迷う余地など一切ない形でだ。
それで探偵になった新一だが、昔から探偵として動いてきた実績と名誉から開業した時から、仕事の依頼を職業探偵としては異例の繁盛ぶりで頼まれていった。れっきとした探偵となった新一に解決してほしい事があると、それまでの功績を頼られる形でだ。
そして新一もまた当然というようにそれらの依頼についてを余程無理なスケジュールでなければ、全て受けていった上でそれらを解決していき、その度に紙面やらメディアに注目されていった。現代のホームズがまた事件を解決したというようにだ。
そんな風に順風満帆というか探偵としての功績を積み重ねていった新一だが、数年が経つとその流れは一気に変わることになった。本人の意図しない形で・・・
‘コンコン’
「失礼します」
「っ・・・」
・・・テーブルとそのテーブルの両側に椅子が備え付けられたシンプルな部屋の中。
その片側に備え付けられた椅子に新一は落ち着かないといった様子で座っていたのだが、ノックの後に入室して声を上げた男性の方を新一が向くと、少し驚いたように新一は目を見張る。向かい側の席に向かうその水色の髪のスーツを着た男の、目を逸らせばあっという間に存在を見失いそうなその気配の希薄さに。
「お待たせしました。連絡は高尾本人から受けているとの事ですが、本日急遽予定が入った高尾の代わりに工藤さんから依頼された最近の工藤さんの事務所への依頼が減った事の調査結果について、報告させていただきます黒子と申します。よろしくお願いします」
「っ、よろしくお願いします・・・」
そしてそんな存在である黒子が席に着いた後で淡々とした声でかしこまった挨拶して頭を下げる様子に、新一もつられて頭を下げた。
・・・今黒子が言った新一の事務所への依頼が減ったということに関してであるが、これはこの数ヶ月で新一が体感したことである。以前なら月にスケジュールが空く日なんてほとんどなく依頼の為に動く事が常だったのに、ここ数ヶ月では週に一回依頼があるくらいでその依頼を終わらせれば暇な時間を過ごすことが多くなった。
この事に新一はどうしてというように考えた。何かいきなり依頼が来なくなるような原因について、自分の周りでは一切起こってはいない・・・よく話の中であるような誰かからの妨害があってそれで依頼人が来なくなったというような事は無かったのは、自身でも確認している為に。
それで自分だけで考えることに行き詰まった新一は、ここでふと高尾という存在についてを思い出した・・・前にあった事件で興信所の仕事として来ていた人物であって、連絡先を交換していた人物の事を。
・・・ただここで興信所とは何かと思う者もいるだろうが、一部の外国では探偵の扱いだとか位置が日本と違うことから別物扱いと見られるのだが、日本では探偵と興信所はほとんど同じような事をやっている同業者といったような認知をされている。素行調査を始めとしたような事をしていてそういうことをすることが認可されている存在というようにだ。
だがそれなら何が違うのかと言えば、探偵は個人事業に近いが興信所は会社というような形になっていることだ。そういうことから探偵稼業でも事務所の人間を多く抱え込んでいてその人員を投入するなら出来ないことはないのだが、興信所は会社という言葉から示すように多数の人間が所属していることから、個人では難しいことについて・・・大まかに言えば会社や企業などの調査依頼を請け負う事が多いのである。これは探偵として少ない人員ではどうしても手を回すには難しい案件を解決することに関して、興信所が探偵に比べて強く違うと言えるポイントだろう。
その上で興信所は企業や弁護士などとも会社であるが故に仕事を任せられやすいことから繋がりがあることも多く、先に言った会社や企業の調査などもそうだが弁護士から離婚などを始めとした問題についてを進めるため、人物調査などを請け負うこともある。そういった意味でも個人事業に近い探偵よりも強い面がある。
ただそれで興信所が探偵より優れていると決まったわけではないが、そういったように興信所と探偵は現代日本では同じような仕事をしているという認識になっているのである・・・まぁ新一は他はいざ知らず自分という探偵が興信所に負けるとは思っていないが、そんな興信所の人間である高尾と依頼を受けた場であり事件が起きた場で出会ったのである。
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それで探偵になった新一だが、昔から探偵として動いてきた実績と名誉から開業した時から、仕事の依頼を職業探偵としては異例の繁盛ぶりで頼まれていった。れっきとした探偵となった新一に解決してほしい事があると、それまでの功績を頼られる形でだ。
そして新一もまた当然というようにそれらの依頼についてを余程無理なスケジュールでなければ、全て受けていった上でそれらを解決していき、その度に紙面やらメディアに注目されていった。現代のホームズがまた事件を解決したというようにだ。
そんな風に順風満帆というか探偵としての功績を積み重ねていった新一だが、数年が経つとその流れは一気に変わることになった。本人の意図しない形で・・・
‘コンコン’
「失礼します」
「っ・・・」
・・・テーブルとそのテーブルの両側に椅子が備え付けられたシンプルな部屋の中。
その片側に備え付けられた椅子に新一は落ち着かないといった様子で座っていたのだが、ノックの後に入室して声を上げた男性の方を新一が向くと、少し驚いたように新一は目を見張る。向かい側の席に向かうその水色の髪のスーツを着た男の、目を逸らせばあっという間に存在を見失いそうなその気配の希薄さに。
「お待たせしました。連絡は高尾本人から受けているとの事ですが、本日急遽予定が入った高尾の代わりに工藤さんから依頼された最近の工藤さんの事務所への依頼が減った事の調査結果について、報告させていただきます黒子と申します。よろしくお願いします」
「っ、よろしくお願いします・・・」
そしてそんな存在である黒子が席に着いた後で淡々とした声でかしこまった挨拶して頭を下げる様子に、新一もつられて頭を下げた。
・・・今黒子が言った新一の事務所への依頼が減ったということに関してであるが、これはこの数ヶ月で新一が体感したことである。以前なら月にスケジュールが空く日なんてほとんどなく依頼の為に動く事が常だったのに、ここ数ヶ月では週に一回依頼があるくらいでその依頼を終わらせれば暇な時間を過ごすことが多くなった。
この事に新一はどうしてというように考えた。何かいきなり依頼が来なくなるような原因について、自分の周りでは一切起こってはいない・・・よく話の中であるような誰かからの妨害があってそれで依頼人が来なくなったというような事は無かったのは、自身でも確認している為に。
それで自分だけで考えることに行き詰まった新一は、ここでふと高尾という存在についてを思い出した・・・前にあった事件で興信所の仕事として来ていた人物であって、連絡先を交換していた人物の事を。
・・・ただここで興信所とは何かと思う者もいるだろうが、一部の外国では探偵の扱いだとか位置が日本と違うことから別物扱いと見られるのだが、日本では探偵と興信所はほとんど同じような事をやっている同業者といったような認知をされている。素行調査を始めとしたような事をしていてそういうことをすることが認可されている存在というようにだ。
だがそれなら何が違うのかと言えば、探偵は個人事業に近いが興信所は会社というような形になっていることだ。そういうことから探偵稼業でも事務所の人間を多く抱え込んでいてその人員を投入するなら出来ないことはないのだが、興信所は会社という言葉から示すように多数の人間が所属していることから、個人では難しいことについて・・・大まかに言えば会社や企業などの調査依頼を請け負う事が多いのである。これは探偵として少ない人員ではどうしても手を回すには難しい案件を解決することに関して、興信所が探偵に比べて強く違うと言えるポイントだろう。
その上で興信所は企業や弁護士などとも会社であるが故に仕事を任せられやすいことから繋がりがあることも多く、先に言った会社や企業の調査などもそうだが弁護士から離婚などを始めとした問題についてを進めるため、人物調査などを請け負うこともある。そういった意味でも個人事業に近い探偵よりも強い面がある。
ただそれで興信所が探偵より優れていると決まったわけではないが、そういったように興信所と探偵は現代日本では同じような仕事をしているという認識になっているのである・・・まぁ新一は他はいざ知らず自分という探偵が興信所に負けるとは思っていないが、そんな興信所の人間である高尾と依頼を受けた場であり事件が起きた場で出会ったのである。
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