千夢一夜の終わりに見る実像

・・・そんな風に思いはしたが声一つ発することもそうだが、体を動かす新一と考えを共有出来ない事から結局は何もすることは出来ず、時間は進むことになった。それでその翌日には優作と有希子から新一は話をされることになるのだが、まずそこで数日は『工藤新一』の退学手続きだとか『江戸川コナン』の荷物を毛利家に引き取りに行くだとか、蘭に話をして落ち着いてもらうようにするといった後始末をする為、大人しくしてくれと言われた。

その事に退学手続きと荷物の事に関しては納得はしたが、蘭と話をすることはどういうことかと聞いたのだが・・・今の時点でもう今すぐ元の体に戻れない以上は留年は確定している上で、これから仮に元の体に戻れたとしてもそれがどれだけの時間がかかるかも分からないのに、そんな新一をずっと待つような事をさせるのがどれだけ残酷な事なのか・・・そう優作から言われて二人の新一は揃って絶句するしかなかった。

今の時点でも度々いつまでも帰ってこない事を不安に思ってきた蘭に対して電話をすることで、どうにか新一への気持ちを保つようにしてきたのだが・・・それをいつに元に戻れるかもだがそう出来るかどうかすら分からないのに、そんなことを以降もずっと続けるのか・・・と考えると、流石に自分を待っていてほしいというようにさせるのは酷だと感じてしまい。

だから体を動かす新一は優作達に自分から電話が来て退学についてを話してそうすると言ったこともだが、今追っている事件を解決するまでは連絡もしないから俺の事は気にしないで暮らしてくれと伝えて欲しい・・・と優作達に諦めたというような様子で口にした。蘭に対する気持ちは未だに強くあるのは確かだが、ここで諦めないと蘭をただ辛くするだけだと。

ただ内心の新一は何故と漏らすしかなかった。前はあんな風じゃなかったのにどうしてこんな事になるのかに、気持ちは分からないとは言わないがお前も俺なら諦めるような事をするなと・・・だが当然そんな言葉は誰にも届くことはなく、優作達が頷いた事で話は終わることになった。

・・・それで新一を優作達は家に置いていったから新一は知る由もない事だが、その後に向かった毛利家で優作達が言えるように作った話を小五郎と蘭に伝えると、蘭はすぐさまに体から力が抜けて床に膝をつけてしまい盛大に泣いてしまうことになった。今まではなんだかんだで新一との繋がりは新一の一方的な連絡から一応ありはしたが、もうそれもしないで退学をしてまで事件を追うとなるということは・・・もう新一は自分に気をかける事すらせず事件を追う事を選んだのだと考えてしまったが為に。

そんな姿に小五郎達は蘭をなだめつつも探偵事務所の上の住処に上がらせ、有希子をなだめの為に隣に置いた後は優作と小五郎は探偵事務所に戻り、改めて話をする中で優作はコナンの親に連絡を取った結果として私にコナンを預かって育ててくれた分もそうだが、迷惑をかけた分の謝罪も兼ねたお金を私の口座に振り込んだからそれを毛利さんに渡せるようにしてほしい・・・と言ってきたからその分の金を入金した通帳を作ってきたから、受け取って欲しいと小五郎に通帳を渡した。

だが小五郎はその中身を見てたまらず目を見張った・・・そこにあった金額は前の新一をもう一度小五郎に引き受けてもらう為に渡した一千万ではなく、五千万という普通に考えれば迷惑をかけた分を含むとはいえ、子どもを半年程預かっただけで渡すにはあまりにも高額にも程があり過ぎる物だった為に。









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