千夢一夜の終わりに見る実像

そういったように言われたことに四人もそうだが、発言出来ない新一もどういうことかと驚きに震えるしかなかった。だが小五郎が表情をしかめながらも続けた言葉に優作達はどうにか否定したいというようになりながらも、否定出来ずに黙るしか無かった。

なら何を言われたのかと言えば新一が留年がほぼ決まったようなものになった時から色々と考えていたとして、新一の事と同時にコナンの事も浮かんだと小五郎は言ったのだ。コナンが来てからもう半年という期間が経つがいくら仕事が忙しいというように言おうが、半年経っても一度も挨拶どころか顔見せにすら来ないコナンの両親に対して、色々と考えていった結果としてもうコナンにウチから出て行って欲しいと思うようになったと。

そんな声に阿笠が今まで預かってくれてたのに何故というように言ったのだが、今だからこそこう言っているんだと返した。確かに今まで最初に会った勢いもあってコナンを預かってきたが、いつまでコナンを預かってほしいと言った具体的な期限を提示されていないことや、今までコナンの為に使ってきた費用のこともあるのだが・・・何より改めて考えてみると、どう長くてももう後一年半もないくらいがコナンを預かる最長の期間ではあるが、それは何故かと言えば大学に行くか就職するかはまだともかくとしても蘭の将来の事を思うと、出来る限り早くコナンを居候として預かるのを止めた方がいいと思ったと。

そんな蘭の事情も併せて口にされた返答に、四人は揃って黙ってしまったのだ・・・これまではコナンの事を面倒を見る形で気にかけてくれた蘭であるが、小五郎の言うよう大学に行くか就職するかは分からなくとも今の比較的に自由のきいている高校の時と違い、特に就職という状態になったのならコナンや小五郎を気に掛けるどころか、時間をそちらに割く事が難しいとなる可能性が高くなるしそもそもここを出ている可能性すら否定出来ないということに。

そんな風に四人がなっている中で蘭が辛そうな表情で口を開いた。始めはコナン君の事を追い出すようなことをするなんてって気持ちにはなったけれど、今言われたような事を返された上でいつまでも居候を続けさせる事は色んな意味で良くないと思ったから、せめて親と話をして俺が納得出来るだけの材料を提示してくれるなら最長で私が高校を卒業するまでは預かるのはいいが、それ以降は私の都合も併せて親戚でもないウチがコナンの身柄を引き受ける気はないと考えたけど、今回の件をきっかけとしてコナンを親が引き取りに来るだとか優作さん達が引き受けてくれるならその方がいい・・・といった言葉を聞いて私の未来の事まで考えているお父さんの本気さを感じたから、私が頑張るから大丈夫だなんて勢いで軽々しく言えなかったというように蘭が口にした事に、四人も苦い表情を浮かばせるしかなかった。

何せその理由は小五郎自身の気持ちも含めてはあるだろうが、道理として言うと間違っているとは思えない物であった上にタイムリミットを始めた条件付きとは言え、それを守れるならコナンをこれからも預かってもいいと言う寛容な物なのだが・・・それは裏を返せばそこまでしかコナンを預からないと明確に言ったものであると同時に、出来ることならすぐにここから出て行ってほしいとも言っているのである。それもいくら気安く怒りを向けることも多々あるからとは言え、コナンという子どもに対して明確に本人にも聞こえるように言う形でだ。

この今までに見たことのない小五郎の態度とそれを受けた蘭の様子から、それだけ小五郎が本気で蘭の事も含めて考えたことであると共にそれを撤回させることがどれだけ難しいのか・・・そう四人共に感じたことから、苦い気持ちを抱くしか出来なかったのである。小五郎に下手な事を言える筈もないという状態にあることを感じて。









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