千夢一夜の終わりに見る実像

・・・『工藤新一』は『江戸川コナン』という立場の人間として、自分の体を小さくした組織を追いかけて行き、その過程の中で出来た数多の仲間と共にその組織を壊滅させると共に、体を小さくした薬のデータを手に入れて元に戻る為の薬を仲間に作ってもらい、元の体に戻る事が出来た。

そのことに新一は喜ぶと共に、長年両片思いといった状態だった幼馴染の蘭にも告白が成功したことで、更に気分は上々といったようになるのだがそんな時に唐突に新一の目の前は真っ暗な物に変わった・・・


















(・・・え・・・えっ!?)
・・・そうしていきなり目の前が真っ暗な物になった後、たまらず目を閉じた新一が目を開けるとそこに映った光景は・・・一瞬戸惑いこそはしたが、すぐに思い出して驚愕した。それはかつて自分がその身を小さくされて目覚めた時に見た警官達が、懐中電灯を向けてくる姿だったことに・・・


















・・・それで新一は驚きを浮かべたのだが、そこからは前のように事は進んでいった。だがそこで本当なら新一は前とは違うように行動したいというように思っていたのだが、それは出来なかった。何故かと言えば新一がどのように自分の体を動かしたいと思っても、自分の意志では指一つたりとて動かすことが出来なかったからだ。

これは最初呆気に取られつつも自分で自分の体を動かそうとした時に、一切自分の思うように体が動かないばかりか勝手に体が動いていく事になるというか、最初に自分が動いた時そのままに体が動くだとか発言していく事にどうにかしようと思っても、全く体を動かせなかった。だから新一は体を自分の思うように動かしたいという気持ちを未だ持ちはするものの、見える光景やかつての自分から聞こえる声も含めた音を聞きながらヤキモキする以外に出来ずに時間を過ごすしか無かった。

ただここまで新一がヤキモキするのは何故かと言えば、今の自分ならかつてをもっとより良い物に出来るという気持ちに考えがあるからだった。何故なら一度組織を壊滅させたという自負もそうだが、そこに至る為に得た知識や経験という唯一無二な武器があるからというものである。

新一は今の自分の現象が何なのかということに関しては、タイムスリップに近い物ではないかということにはすぐに考えを行かせる事は出来た。推理小説ばかりではなく別のジャンルの本も読むことは無いことは無いから、SF的な展開として自分はそういったことになったのではないかと。

だからその現象についてを深く考えることについてはともかく、今の自分が動けばかつての悲劇などを変えた上でより良い結果を引き寄せる事は出来る・・・というように新一は考えたのであるが、実際はかつての自分と頭の中で話すことすら出来ずにただかつてを焼き直した光景を見ていくばかりの状態という、新一からすれば不本意極まりない物であった。なんで全てに決着を着ける事が出来た自分が今、こんな状態になるのかという不満を隠しきれず・・・


















・・・ただそういったように新一が思いはしても、時間は無情に進む。そう、一秒たりとも止まることなく無情に。









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