端から見た者と当事者の感じ方のズレ

「その点で園子、お前は京極という年上でいて気安く接するには躊躇われるような存在と出会えたことが良かったと思っている。出会いを求めていた時に度々会ってきた話に聞いたような軽薄な男に靡くような事になっていたなら、鈴木財閥が認めるかどうかを度外視して考えると気安い態度になっていった上で、それを園子も相手も改める事が出来たとはとても思えんからな」
「っ・・・キツい事を言ってくれるけど、真さん以外の男の人の事を思い出すとそうならないなんて言えそうにないわ・・・」
「これに関しては京極という男に出会うことが出来たのは運という要素も関わってくるから、そこに関しては僕は何とも言えん。ただ京極に出会うまでに会ってきたような軽薄な男達についても、全く何の経験に繋がっていなかったかと言われればそうではない。京極と出会うまでのその男達との出会いもだが今の年齢になって色恋沙汰の機微を知っていった事で、先に言ったようにもしもの別れの時は涙を飲む形になってもそれを選ぶことだとか、次に行くようにしようと考える事は出来るようになるだろう・・・それぐらいには恋愛面で差はついていると僕は見ている。もう今からどう足掻こうが園子にあの二人が追い付けんような相当な差がな」
「・・・そう聞くと今までの人達の出会いって決して無駄じゃなかったのね・・・」
それで次は園子についてというようにジューダスは話をしていくのだが、キツい言葉を言いつつも二人より断然にマシだといった事を言ってくることに園子は複雑さを表情に滲ませる。
「経験を自身の血肉に変えられるかは当人達次第だ。その点であの二人は今も時折の電話だとか実際に会うような時に揉め事が発生した時は、大抵事件も共に起きてはそれを新一が解決したとなった時に一緒にその揉め事も解決したといったように思っていたのだろうが、僕から言わせれば解決した気になっていただけで後回しにすらせずにいたから血肉にならなかったんだ。そして似たような事が起きてまたそういったことを繰り返して、二人の間の問題は結局何も解決しないままに経験を血肉に出来ないまま進むことになる・・・こんなことばかりを終わらないワルツのように繰り返してきたあの二人は、むしろもう今更事件が起きない状況で自分達の揉め事を自分達で解決などという事は出来んだろうな。特に新一は探偵という職業にちゃんと就いたならばこそ、一層に自分は依頼されたこともだが事件解決が仕事だということもだが、それが自分という探偵の使命なんだ・・・というような大義名分を絶対に変えることや降ろす事なんか有り得ないと断じてな」
「・・・新一君の性格的にそうならないなんて言えないどころじゃないわね。むしろそんなことを言う方が間違ってるって風に返して聞く耳なんて持たないだろう姿は簡単に予想出来るもの・・・」
「そういうように言えるなら最後にこの事について言っておくが、僕はあの二人に今後もというかもし新一が追っている事件とやらを解決して戻って来て以降、園子が関わろうと思っているのならそれを否定する気はない。だが以降も二人に関わり続ける気があるなら今までの話は迂闊にするなというのもそうだが・・・引き時と見たら後ろ髪を引かれるような気持ちを抱くだろうが、無理矢理にでも引くようにしておけ。そうしなければ後々が辛くなるだけだぞ」
「えっ・・・っ!?」
それは経験・・・そう語っていく上でいかに二人が自身らの揉め事を経験にしてこなかったのかと特に新一を重点的に話していくジューダスの言葉に、園子はまた一層複雑に表情を歪めるが続いた意味深な言葉を受け、最初こそは理解出来ないといった声を漏らしたがすぐに言いたい事を理解してハッとした・・・将来的に新一と蘭の二人についての関係を終わらせるのも視野に入れるべきと言っているのだと。









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