端から見た者と当事者の感じ方のズレ

「まぁ後はゆっくりと時間をかけていけ。見た所では園子もそうだがあの男も園子の事を悪い気持ちで見てはいないというのは、嘘をつけんだろう性格をしている事から一目瞭然で分かるからな。だからこれから上手くいくかどうかは鈴木財閥に馴染めるかどうかという部分はともかくとしても、下手に急いでもあまり向こうの事情もあってそう時間は取れんだろうから、焦って仲を深めようとするのは却って逆効果になりかねんだろう」
「あ〜、そこに関しては心しておくわ・・・真さんとは頻繁に会えない状態なのは承知しているつもりだけれど、ウチの事を含めて急ぎすぎると良くないだろうってことは・・・」
それでジューダスが時間をかけて関係を進める事について口にすると、園子も何とも言い難そうに頷いた。今も京極が空手を始めとして色々と忙しくてあまり園子と会える時間が無い状態で付き合っているが、それで一気に時間や距離を詰めるのはよくないという言葉達に。
「その辺りに関しては帰ってから考えろ。もう事件も終わったから帰るぞ」
「・・・う〜ん、もうちょっとだけ話さない?何ていうか少し話したい気分なの。ジューダスに真さんと初めて会ってもらったって事からちょっと、色々とね」
「・・・少しくらいならな」
ただそこでもう時間も遅いと帰る事を提案するジューダスに、園子が少し考えるような素振りをしてから話をしたいと切り出した事に仕方無いというよう頷く。
「なら早速何を話したいのか話すけど、真さんの事を認めるような事をすんなり言ってくれたのはどうしてなの?ジューダスらしい言い方ではあったけど、そんな風に言ったこと自体が珍しいなって思ったんだけれど・・・」
「そんなことか・・・言っただろう、そこらの男より断然マシというようにな。その上で言わせてもらうとお前の前々からの行動もあって、見合いで結婚するなんて事は認められんだろうとは見ていたのもあるが、そもそもろくでもない相手をお前が見初めた所で財閥の跡取りに相応しくなければ両親が認めなければ、結婚などという結果には至らんだろうが・・・まぁ今のお前達の関係はあくまで個人の恋愛で収まる話だ。そこについて僕がとやかく言うような気もだが権利もない」
「あぁ、そういうことなのね・・・」
それで何を話したいのかと言うとらしくないことを言ったんじゃないかと園子が聞くのだが、ジューダスが大した事ないといったように返していった答えに脱力したように納得した。ちゃんと認めてる部分があるのは確かではあるが、理屈的に深入りすることはしないというスタンスを取るという様子にジューダスらしいというよう。
「そういうことだが、今までになくお前が本気であの男に傾倒している姿や話を聞いてきたのもあってだ。あの男と出会うまではいい男と出会えないといったように蘭と出掛ける度に言っていたのが、あの男と会ってからは顔のいい男についてを言うことはあっても出会いを求めることは時間が経つほどに減ったことから、これまでとは違う出会いをしたと感じてな」
「あ・・・そんなに私、前と違ってたの・・・?」
「あぁ、自覚は無かったかもしれんがな・・・そういった意味で僕はあの男との出会いはお前にとって悪くない物だったと思うようになったんだ。前より多少は落ち着いた姿にな」
「・・・そう言われると何か複雑ね〜・・・前に比べるといいって言われるその反面で、どれだけ私は落ち着きなかったんだろうって感じちゃうし・・・」
しかし更に続いたジューダスからの言葉に言葉通り複雑さを隠せないというよう、園子は表情を歪ませるしかなかった。前がどれだけ落ち着いてなかったのかを感じさせられる言葉だっただけに。









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