盲目な行動と愛がいつまでも通じるか

「簡単な話です・・・さっきの話ではおじさんにはお父さんが入院費と多額の慰謝料を支払うというように言っていたけど、入院費はともかく多額の慰謝料に関しては私に払わせてほしいということを言いたいんです」
「・・・え?」
だがマミヤが口にした言葉に場の面々は揃ってキョトンとした表情を浮かべた。自分が慰謝料を払うとの事に。
「ちょっと最近、友人から連絡が来たんです。これから値上がりの可能性が極めて高い土地を安く買うことが出来たから、将来への投資として買わないかって」
「・・・まさか、その土地を買って毛利さんに渡すというのか?」
「土地だけじゃないわ。広いマンションを建てた上でそのマンションの所有権も渡すつもりよ」
「「「「っ!?」」」」
そんな中でマミヤが続けた土地を買うかを持ちかけられたとの言葉に優作がまさかというように問うが、更に予測を超えるようにマンションまで建ててそれすら渡すとの言葉に、場にいた面子の顔が一斉に驚愕に変わるが・・・そこでマミヤは明らかにわざとらしく作った満面の笑みを見せた。
「ここまでやるなんてやり過ぎだと思う?でもね・・・これからのおじさんの事を考えるとこれくらいしないと本当に申し訳無いと思ったの。おじさんを何ヶ月も入院させないといけない程の状態にしたこともそうだけど、それで退院したとしてもまた探偵に戻るような事はおじさんには失礼だっていうのは承知で言うけど、新一はもういないんだから探偵としての仕事は色々な意味で求められないんだから、探偵に戻ること自体が求められないとまで言われたことに関して」
「「「「っ・・・」」」」
そんな笑顔から以降の小五郎の立場についてを口にしていくマミヤに、また場の面々は何とも言い難そうに表情を歪めた。小五郎の立場的にキツいとしか言いようがない言葉達を聞かされて。






・・・小五郎は探偵に戻ることは望まれない。それは小五郎の身体の事が分かってから今のマミヤがいない面子で話をした時に出た物だった。『江戸川コナン』という立場にいた新一が退院した後にいなくなる小五郎が、名探偵としてなど活動出来るはずがないだろうと。

そんな話になったからこそもう小五郎は退院したら探偵をやらずに生きていくようにとの話になったのである。小五郎自身は精神的なダメージを滲ませていたが、それでもそれを受け入れると決める形でだ。

だからこそ優作達も流石にここまでの状態になった小五郎に対して慰謝料を渡すと決めたのだが、それに異を唱えたのがマミヤなのである・・・






「・・・確かに慰謝料として渡す予定の五千万っていう金額は、普通に考えれば十分過ぎる程の大金と言えるでしょう。でもね・・・一人の人間の身体と人生を無茶苦茶にするつもりはなかったなんて事が新一達の言い分にしても、もう取り返しのつかない事態にまでしてしまっておいてそんなお金じゃとても釣り合いが取れないというか、おじさんの残りの人生を保証出来るような金額ではないとしか私は思ったの。今は人生百年時代なんて言われるような時代なのに、38という年齢で探偵という職業にもう就くということは出来ないと言われたからこそ、おじさんは何が別の仕事を探さないといけないだろうけど・・・そんな年齢で普通の仕事に今から再就職なんて事は出来ないと言わないにしても、普通に考えたら相当に難しい事を考えるとおじさんが還暦になるまでに職探しに時間を費やすだけ費やして、ろくな人生を歩めない可能性は相当に高いと私は思ったの。そうなったら五千万なんて金額じゃおじさんの人生や身体を無茶苦茶にした代償としては、還暦を過ぎた後の生活も含めるととても見合った価値のある金額ではないとね」
「「「「っ!」」」」
その上で慰謝料として提示された五千万では以降の小五郎の人生の流れが最悪だったら、とても釣り合った金額ではない・・・といった事もマミヤが話していくと、全員が揃って息を呑んでしまった。現実的に見てそうはならないと言い切るだけの材料がないどころではない、小五郎の現在の年齢という現代日本においての高すぎる再就職へのハードルの高さを実感して。









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