帝丹小学校教師冴島大河 詳細な後日談

「納得出来たんならそれでえぇ、と言いたいとこやがまだ江戸川に他のクラスのもん達が近付こうとせんかった理由はあるんや。それもこれが一番の理由であって、単純明快なヤツといえるもんがな」
「・・・え?」
そうしてこれで全部話し終えた、というのではなくまだ一番の理由があると口にした冴島に三人は何度目かになるようにキョトンとした顔を見せた。まだ何かあるのかというよう。



「ま、単純明快っちゅうようにそんな複雑な理由やない。それは小学校低学年程度の子どもが推理やとか探偵なんてもんに対して、他の娯楽もあるのにそれを差し置いて興味を持つようなもんが、直に江戸川と接してきて影響を大きく受けた小嶋達以外におらんかっただけや」



「あぁ・・・確かにそう言われると納得出来ますね・・・普通に考えればそんな小さな子どもが推理だとか探偵だとかにまっしぐらなんて有り得ないって・・・」
・・・だが続いたその理由についてに小五郎もだが、英理も蘭も脱力気味に納得の様子を浮かべた。普通に考えてみればそんな小さな子どもが他の何より好きになれるようなジャンルの物ではないと。
「これに関しては今は江戸川の正体が藤峰達の子どもやっちゅうことが分かったから、江戸川があぁも推理やら探偵やらに熱を上げとるんか理解出来たしその能力についても納得したが、やからこそ小嶋達と他のクラスのもん達の反応の違いにも納得出来たんや」
「・・・その違いは何なのかって言うのもですけど、それでどう納得出来たっていうんですか?」
「簡単に言うと江戸川との距離感が近いか遠いかによる違いについてやが、江戸川と近い位置におった小嶋達は自分達も江戸川と同じようにやってやるやとか、同じようにやれるというように息巻くやとか自信を持ったような様子を見せとったんやが、他のもん達はそんな様子なんか見せんかった。その事から小嶋達は江戸川と共におって事件を解決するようにしとったことで、自分達も江戸川とまでは行かずともその助けになれとるし対等な立場におるんやと思っとるっちゅう自信から錯覚しとると思ったんや。そして江戸川も江戸川で自分が『工藤新一』やっちゅう自覚の上で、推理関連のもんが好きなことやとかその行動に関しては子どもの体やから余程ヘマをせなバレへんと思いつつ、毛利んとこから追い出すまでは動いてきたんやろうが・・・そんな江戸川とその江戸川に引っ張られた小嶋達の姿を見たからこそ、周りのもん達は理解出来ん存在と思うまではいかんにしても、なら自分らも小嶋達と同じように江戸川と仲良くしたい・・・なんて思わんやろうと感じたんや。確かに普通に見たらすごい事をしとるのかもしれんが、自分らの好きやとか熱中しとるもんやなく推理やら探偵やらといった、あんな小さな子ども達が好きになるには傍目から見ても難しいと分かるもんに首を突っ込んどる姿を見たらな」
「っ・・・そう聞くと新一が推理物が好きだとか、探偵になるみたいなことをよく口にしてたのって歩美ちゃん達くらいの子どもからしたら、普通じゃなかったんだって思いますね・・・」
「その辺りで蘭ちゃんは昔から江戸川があの体になるまでは近くにおったと聞いとるが、小嶋達と違って推理やら探偵やらについては蘭ちゃんは興味やとか一緒にみたいな気持ちは無くても、江戸川らしいっちゅうように思って別に不思議やとかとは思っとらんかったんやろう・・・まぁそこら辺に関しては俺も教師として生活する中で他の子どもとは違う生徒についても見てきた上で、その生徒なりに周りとうまくやってきた姿も見てきた。そしてそういうもんに慣れとったらそれがその周囲にいたもん達の普通になる・・・要は蘭ちゃんやその周りのもんにとって江戸川がおるっちゅうのが、蘭ちゃん達にとっての当たり前になっとったこともやが、案外こうやって言葉にされな気付かんこともあるから蘭ちゃんがそこまで気にすることはないっちゅうことや」
「・・・ありがとうございます、そう気遣って言ってくれて・・・」
そんな様子を見てから冴島はどれだけ新一の影響を近くにいた元太達は受けたのかと、周りのクラスメイト達はそうならなかったのかについてを話していくと、蘭が複雑さを隠せない様子で言葉を漏らしたことにフォローといったように自身の経験を冴島が語っていくと、蘭は少し気を取り直したというように礼と共に頭を下げた。蘭の考え方だとかが良くなかった訳では無いというのを伝えてくれた事に。









.
12/19ページ
スキ