「どういうことかと思っているでしょうが、単に新一君達の追求が激しくなる事を避けるためです。ここ最近は父さんについての追求などほとんどなかったとのことですが、結婚するにあたり父さんがどうなっているかの疑問が出てきたことが問題になります。今になってまた気にし出した事についてはともかくとして、五年経ってもまだ病院に入っている・・・そういった認識になれば、流石に母さんへとどういうことだとしつこく言ってくるでしょう」
『そうね・・・五年も入院なんて流石に異常だと思うでしょうね』
「えぇ。ですから流石に父さんが退院していることに関しては報告は最低限した方がいいですが、下手に今いる場所に関して誤魔化そうなどとする方が却って面倒になりますし、結婚式に出ないというのもまた同じような結果を産み出しかねません。そう考えれば結婚式に出て、父さんがちゃんと問題ないと示して事に挑む方が後々の面倒に対処しやすくなります。勿論会うのが嫌だと言うなら断ることも出来るでしょうが、彼らからの追求が以降に来ることは十分に有り得るでしょうね」
「どっちにしても、新一達からの追求が来るなら行っても行かなくても構わねぇってことか・・・」
その訳はどうしてか頼人が理由を話していく中で、どうするにせよ新一達の追求が来るとの言葉に小五郎もそうだが英理も苦い顔を浮かべる。
『・・・どうするの、貴方？』
「・・・どっちにしても変わらねぇんなら会っておきたいけど、会っていいのか？あいつらによ・・・」
「確かに前には彼らとは関係ないようにするとは言いましたが、今回の結婚に関してはやむを得ない事態だと思ってください。一応は二人が結婚しない可能性も無いことはないと考えてはいましたが、こうして結婚すると言ってきた以上は親族としての繋がりが出来ますからここで父さんの対応が重要になります」
「つまり・・・ここでちゃんと俺が動かないと、あいつらに付け入る隙を与えるってことになるのか・・・」
「一応は今の父さんの立場もありますし僕もフォローをしますから、行くと決断するのなら大丈夫ですよ」
「・・・分かった。なら結婚式に行くと返事を返しといてくれ」
『分かったわ』
そんな英理からどうするかとの問い掛けを向けられ小五郎はどうするべきか頼人に聞くと、避けられることではないと返してきたことに覚悟を決めたように行くと伝える。





















・・・それから数ヵ月後、米花町のとある結婚式場にて新一と蘭の結婚式が行われる。



「・・・あっ、お父さん！」
「・・・よぉ、蘭」
・・・朝早い式場にて、新郎新婦である新一と蘭が会場入りする中で父の姿を見た蘭が嬉しそうに小五郎へと駆け寄る。
「久しぶりよね、お父さん！元気にしてたの！？」
「あぁ、元気にしてたぞ」
「でも退院してたんなら言ってくれてもいいじゃない！入院したって聞いた時から五年も会ってないんだよ？」
「そうだぜ、おっちゃん。何で言ってくれなかったんだよ？」
それで久しぶりの挨拶もそこそこに何故退院したことを言わなかったのかと言う蘭に、遅れて近付いてきた新一も何でなのかと聞いてくる。
「それは父さんにアメリカの僕のところに試しの期間も含めて来てもらったからですよ」
「・・・頼人・・・」
そんな質問に答えたのはケーキの皿を片手にして近付いてきたスーツ姿の頼人で、二人は怪訝そうな表情を浮かべていた。どういうことかと。









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