一方的な正しさは許される物ではない
・・・小五郎を新一に蘭から引き剥がすことに成功した頼人。そこから入院する小五郎の体調を気にかけつつアメリカで暮らせるようにと頼人は徐々に準備を進めていたのだが、月日が経つごとに英理の方から届いてくる連絡に変化があることに気付いた。それは二人が小五郎の事を気にかけてくる頻度が減ってきたことにある。
これに関しては頼人はすぐに結論が出た。それは小五郎が長い間出てこない上に再会の機会を設けようとしないで大丈夫との報告を聞かせるだけの英理の行動に、もう一々小五郎の事を気にするのはあまり意味がないと二人が考えたからだと。
これが仕事だとか新一がやっていたような危険な事に首を突っ込むだとかの兆候があったなら二人も小五郎にこだわっただろうが、病院での長期入院で英理がちゃんとした所に入れたと言ったのだ。安室も含めて前に散々言われてしまったのもあり、二人が尻込みをした上で一々気にする方がバカらしいとは言わずとも待っていればいいとの結論に達したのだと頼人は考えた。
そういった新一達の事に加えて次第に小五郎も体調が良くなり、退院することにお墨付きが出たことから頼人は密かに帰国した上で小五郎と英理の二人に会い、小五郎をアメリカへと密かに連れ帰った。
・・・それで以降は新一達の追求が英理に来ることも特になく、頼人もそうだが小五郎も穏やかに過ごすことが出来た。不安要素としてあった小五郎の英語力に関しては入院している間の猛勉強により、特に問題はなかった。
それで時間にして組織が壊滅して五年後・・・そんな暮らしをしている二人の元に、英理からの連絡が入った。
「・・・新一と蘭の結婚、か・・・」
『えぇ、この間挨拶に来たわ。一応大学に在学中に結婚するなとはお達しはしてはいたけど、もう卒業が確定したなら問題はないだろうと私の所に来たの』
「そうか・・・」
・・・外には夜のとばりが降りているのが窓越しに伺える中、頼人と小五郎は二人並んでソファーに座りパソコンのチャット機能を用いて英理と対談していた。
その英理から出た話の中身は二人の結婚の報告であり、小五郎は何とも言いがたそうな表情を浮かべる。
「それでこうして僕達とチャットで会話したいと言ってきたのは僕達と言うよりは、父さんに結婚式に来てもらいたいと言う要望があったんですね」
『・・・その通りよ。それでどうしたものかと思ってと言うのもあるけど、その人にどうするかに頼人はどうする方がいいかを聞きたいのよ』
「どうする方がいいかですか・・・」
頼人はそこから用件についてを読んだような声を向け、正解だと言った後にどうすればいいかを問う英理の声に横の小五郎の方に視線を向ける。
「ちなみに父さんはどうしたいですか?」
「俺、か?・・・本音を言うなら一度くらいは会っときたいってのはある。もう何年も会っちゃいないが、あいつらの様子を思い出す限りじゃ反対したってそうするのは目に見えてるしな。それなら一回くらいは会ってやって祝いの言葉は言ってやりたい所だが・・・会わねぇ方がいいってんだろ、あいつらと?」
「いえ、会いたいと言うなら会っても構いません。むしろここで会っておかねば後で面倒になりかねない可能性の方が高くなります」
「何・・・?」
頼人は小五郎にどうかと聞くと会いたくない訳ではないといった様子を見せるが、会った方がいいとの返しに怪訝そうな表情を浮かべる。
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これに関しては頼人はすぐに結論が出た。それは小五郎が長い間出てこない上に再会の機会を設けようとしないで大丈夫との報告を聞かせるだけの英理の行動に、もう一々小五郎の事を気にするのはあまり意味がないと二人が考えたからだと。
これが仕事だとか新一がやっていたような危険な事に首を突っ込むだとかの兆候があったなら二人も小五郎にこだわっただろうが、病院での長期入院で英理がちゃんとした所に入れたと言ったのだ。安室も含めて前に散々言われてしまったのもあり、二人が尻込みをした上で一々気にする方がバカらしいとは言わずとも待っていればいいとの結論に達したのだと頼人は考えた。
そういった新一達の事に加えて次第に小五郎も体調が良くなり、退院することにお墨付きが出たことから頼人は密かに帰国した上で小五郎と英理の二人に会い、小五郎をアメリカへと密かに連れ帰った。
・・・それで以降は新一達の追求が英理に来ることも特になく、頼人もそうだが小五郎も穏やかに過ごすことが出来た。不安要素としてあった小五郎の英語力に関しては入院している間の猛勉強により、特に問題はなかった。
それで時間にして組織が壊滅して五年後・・・そんな暮らしをしている二人の元に、英理からの連絡が入った。
「・・・新一と蘭の結婚、か・・・」
『えぇ、この間挨拶に来たわ。一応大学に在学中に結婚するなとはお達しはしてはいたけど、もう卒業が確定したなら問題はないだろうと私の所に来たの』
「そうか・・・」
・・・外には夜のとばりが降りているのが窓越しに伺える中、頼人と小五郎は二人並んでソファーに座りパソコンのチャット機能を用いて英理と対談していた。
その英理から出た話の中身は二人の結婚の報告であり、小五郎は何とも言いがたそうな表情を浮かべる。
「それでこうして僕達とチャットで会話したいと言ってきたのは僕達と言うよりは、父さんに結婚式に来てもらいたいと言う要望があったんですね」
『・・・その通りよ。それでどうしたものかと思ってと言うのもあるけど、その人にどうするかに頼人はどうする方がいいかを聞きたいのよ』
「どうする方がいいかですか・・・」
頼人はそこから用件についてを読んだような声を向け、正解だと言った後にどうすればいいかを問う英理の声に横の小五郎の方に視線を向ける。
「ちなみに父さんはどうしたいですか?」
「俺、か?・・・本音を言うなら一度くらいは会っときたいってのはある。もう何年も会っちゃいないが、あいつらの様子を思い出す限りじゃ反対したってそうするのは目に見えてるしな。それなら一回くらいは会ってやって祝いの言葉は言ってやりたい所だが・・・会わねぇ方がいいってんだろ、あいつらと?」
「いえ、会いたいと言うなら会っても構いません。むしろここで会っておかねば後で面倒になりかねない可能性の方が高くなります」
「何・・・?」
頼人は小五郎にどうかと聞くと会いたくない訳ではないといった様子を見せるが、会った方がいいとの返しに怪訝そうな表情を浮かべる。
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