正しいから許されると誰が決めた?

「さぁ覚悟・・・はしてくれない方がいいですね。あれでいて新一君は鋭いですから、変に父さんの事がバレたら父さんに近付こうと動き出すでしょうからね。それならいっそ覚悟も何も、父さんに何が起こったかすら知らない方が平和に父さんも過ごせるでしょう・・・これから先何も知らないで過ごしてもらいますし、知ってもどうしようもない状況に陥れるように色々と考えていきますか・・・」
そして頼人は呟く。新一や蘭達に気付かれないよう、気付かれたとしてもどうにかなるように動こうと。






・・・新一やその新一に協力する者達への怒りを覚えた頼人は、事態が終われば二度と新一達が小五郎に接触しないようにするべきだと考えた。実際は小五郎をあんな風に利用して体調を崩させたことに対する償いをさせたかった所だが、FBIにCIAに公安といった厄介な所が大いに関わっている上、肝心の新一から返ってくるのはそうしたのは悪かったと思ってるがこれは必要な事だった・・・という結局は自己擁護の言葉が返ってきて、赤井を筆頭としてこの件は表沙汰には出来ないから大事にするなとの小五郎達の立場や心境をおもんばかるような答えなど返ってくるはずないと見て。

だったらいっそ何もこちらから言わない代わりに、向こうも何も言えないしそう出来ない状況にしよう・・・そう頼人は考え、小五郎達に持ち掛けた。下手に新一達に何も言えないし治療費だけ払われて以降はまた同じように仲良くしようなどと、上からの立場で物を言われるのは気分が良くないからと。

その頼人の言葉に小五郎も英理も少し考えはしたものの、素直に頷いた。蘭が新一の側から離れないだろう事に関しては残念でこそはあるが、それでも新一の行動は小五郎に被害を与えた上で英理も何も知らされずに過ごしてきたこともだが、その上で新一や工藤夫妻の性格を考えればそれこそ金銭を払えばいいことであったり終わりよければ全てよし・・・と言うよう、しこりなど自分達にはないと言わんばかりに接してくる上で反対すれば蘭が新一達の側に立って酷いと言ってくるのが目に見えたからと。

だからこそ英理が時たま新一達と会うことになる役目を負う事を了承した上で、工藤一家やその近辺との付き合いを表面上はともかく根っこの部分では断つことについて、蘭以外の家族がそうすると結論を出した。もし英理に何かあったならその時はハッキリと新一達ともだが、場合によっては蘭とも縁切りをして関係をスッパリ断ち切るようにした方がいいとも話し合った上でだ。

そしてもしもの為の協力者として、安室との通信も出来る・・・一応はもう頼人達は会うつもりはないが、それでもこちらの事情に考えを理解した上で何かあれば協力はすると言ってくれた安室だ。彼の能力や性格を考えれば何かあれば律儀に報告はしてくれるだろうし、心情的にはもう新一達よりは頼人達寄りであることも承知している。そう考えれば新一達の変化に際し、安室が何か報告してくれるだろう。変に小五郎達に迷惑がかからないようにと。


















・・・いくら頼人でも数年先に誰がどう動いていて状況がどうなってるかなんて、そこまでの状況は見据えてはいない。だが何かが起きることには備えることにはした・・・小五郎の平穏を壊す者の存在と対する為に・・・









END









.
22/23ページ
スキ