過去と分岐した道への想い 後編

「その辺りはグレミーという人物が出て来たこと及びジュドーという人物達がエゥーゴに参加したことからそうならなくなったと思いますが、話を戻すとシャア=アズナブルがそのように地球を滅ぼすか救うかの両極端な選択をするに至ったのは周りの環境が大きかったと思うんです。ただだからこそというかもし貴女に撃墜された後にそのダイクン派と呼ばれたような者達ではなく、ただ純粋に裏も何もなくシャアを助けた上でもう表に出ることなくゆっくりすればいいと気遣って言ってくれる人がいたなら、シャア=アズナブルとして再び立ち上がる事はなかったのではないかとも感じるんです」
「・・・シャアとして、立ち上がらない・・・?」
そのハマーンの様子を受けながらも環境の違いからの選択だと言いつつも助けた人が別だったらと仮定するルルーシュに、ハマーンだけでなくカミーユにシンジもピンと来ていないといったような様子になる。
「そもそもの話としてさっきの話でも言いましたけど、ミネバという存在は残れどもシャア=アズナブルはザビ家に対しての復讐を終えた身です。ただそこから連邦の中に任務として入り込みクワトロ=バジーナとして動く中で、自身の目で物を見て考えるようにしていきはしたんでしょう。だからこそ話を聞いた限りではハマーンさんからの降伏の勧告を受けることもなく撃墜されるまでに至ったんだと思いますが、そう聞くとその後の行動もありハマーンさんやカミーユはシャア=アズナブルという人物は、そんな日和った行動は取らないと思うかもしれません・・・ですがシャア=アズナブルとしてもクワトロ=バジーナとしても、どちらにも言えることとして周りの理想の人物としてを求められてきた・・・それは強い人間である事も求められる事で、弱い立ち居振る舞いが求められないし誰も彼に優しさであったり隣に立とうという気持ちを向けることはなかった。そんな時に名前や立場を気にしないで立ち上がることはしないでいいと、無償の優しさを向けてくれる人がいたなら・・・」
「・・・その優しさにシャアさんは靡いていた可能性が高いって思うとルルーシュさんは言いたいんですね」
「そういうことだね」
「・・・言われてみると分かる気はするというより、そうしてくれる人がいたなら昔の僕はその人に迷うことなく寄り掛かっただろうなって感じました・・・僕が助けて欲しいって思っても頑張れって言うだったり見放されるような事を言われてきたのを考えると、そういったように優しくしてくれる人がいたらもう何も他の人のことなんか何も知らないってしていたんじゃないかって・・・」
「「っ・・・」」
ルルーシュはそんな三人へとシャアの身の上だったり心境だったりを踏まえて優しい人がいたならと話していくと、シンジが理解したといったように話していくがその中身があまりにも重さを感じる物であり、気持ちも重くなっていると視線を下に向ける様子にカミーユとハマーンはそれだけシンジが前世で辛かったのだと苦い様子を浮かべる。
「・・・シンジが言ってくれましたけど、シャアという人物がそういったようにしてくれる誰かがいたならハマーンさんに撃墜された後だというのもあって、その誰かに寄りかかっていたかもしれません。実際俺も気持ちが折れかかっていた時があり、その時に近くにいた相手から叱咤ではなく心からの慰めからもう行動を起こさないでいいというように言われたのなら、そうしていた可能性もあったんじゃないかというように今なら思うんです」
「それだけ優しさという物を求める程追い詰められるか・・・今なら分からんでもないな。今の私だからこそ言える事として前世の私はシャアと共にいたいというのもそうだが、シャアに優しくされたいとも思っていた。だが結果はシャアからは徹底的な拒絶をされることになった・・・優しさなどシャアもだが誰かに向けることもなく、ただ優しくされたいと思うばかりでな。だが私の立場もあってそんな立ち居振る舞いなど出来るはずもないと、より人を遠ざけるようになっていくという悪循環になる・・・そう考えると私とシャアが合うわけなどなかったのだと今なら心底から感じるよ。情けないことにな・・・」
「ハマーンさん・・・」
それでルルーシュはシンジの話の流れを受け継ぎつつ自分も似たような事があったならというように言い、ハマーンもそれらの話に今だからこそ言えると自分とシャアが合うわけがなかったと納得すると共に、淋しげな微笑を浮かべる姿にカミーユは複雑さを滲ませながら名を口にするしか出来なかった。否定しようにも当時の二人を見て知っている上で今の話を聞いたからこそ、そんなことないと言えるはずがないと心底から考えてしまった為に。









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