過去と分岐した道への想い 後編

「まず最初にカミーユからシャア=アズナブルに関してを聞いて総合的に俺が思ったことは、ミネバという最後のザビ家の人間は残れどももう一年戦争でザビ家を打倒出来たことで、アムロ=レイに対して思うところはありつつももう復讐を終えたことから、命からがら逃げることが出来て一段落した時にはもうやる気がなくなっていたんじゃないかと思ったんだ。何も求められなければそのままジオンのシャア=アズナブルという立場で人々の上に立つことなく、ひっそりと生涯を終えていたんじゃないかと」
「・・・シャアがそんな風になるだと・・・?」
「・・・その辺りは俺の経験もあって考えたことなんです。俺の前世で思った形ではないとは言え、復讐を遂げた時の事を」
ルルーシュはまずとシャアが一年戦争でどういう精神状態だったのかというように語ると、ハマーンはまさかといったような声を漏らすが苦そうにルルーシュは自身の経験からだと返す。
「・・・かつての俺は生まれた国とその国を収める父に対しての復讐を行うべく行動しました。様々な理由からそうしなければ俺や妹であるナナリーが安心して暮らせるような状態にはならないというように考えて・・・ですがそうして父やその仲間に対しての復讐を成し遂げた時、父達の真の目的が俺の想像していなかった物だったというのを差し引いても俺の中に残った気持ちは、達成感といった物はなくただ空虚な物でした。それこそ俺を友達と思ってくれて俺に憎しみを向けてきたスザクの言葉が無ければ、その後に行動を起こす気力なんか一切湧かなかっただろうと思えるくらいに」
「・・・その時のお前のような気持ちをシャアも抱いていたということか?」
「えぇ。ただ友達という存在のスザクがいた俺と違って、ミネバという幼子は残しつつもザビ家への復讐は成し遂げたシャア=アズナブルの近くにいたのは、ジオンの赤い彗星としての顔以外のモノを求めていなかったジオンの残党の人間ばかりだった」
「っ・・・そう言われると確かに奴の行動もあったとは言え、シャアの近くにいたのがそんな者ばかり・・・特に父のようにザビ家の統治するジオンを復活することを強く望む者がいたと考えたなら、ザビ家に対しての復讐を成し遂げたシャアからしたら今となって見てみれば・・・生き抜く為には仕方なかった部分から周りに合わせはしても、内心は様々に我慢をしながら動いていた可能性が高かったということか・・・」
そこから自分の復讐についての経緯やそこでスザクがいなかったらと話していくルルーシュに、ハマーンは疑うような視線と声を向けるがそういったような相手がいなかったとのことに、苦々しくも納得といった様子を浮かばせる様子にシンジは眉を寄せる。
「あの・・・僕の印象だとハマーンさんはシャアさんに対してそんな風に言うような感じじゃなかったと思うんですが・・・」
「言いたいことは分かるよ、少年。だが私もこの世界に生まれ変わった上でカミーユと話をしたことから色々と考え、彼からの話を聞いた結果としてシャアが私だけでなく父や周りの者達・・・それこそザビ家の統治するジオンを信望する者達についていい気持ちでいる方がおかしいと思ったんだ。シャアからすれば父を殺したザビ家を信望した上で尚且つジオンという名を冠するその姿勢を持つ者達について、好印象を持つなど有り得んというようにな」
「・・・そうなんですね・・・」
そして直に聞かずにはいられないと探るように問い掛けると穏やかに自分が考えたことに感じたことを口にしていくハマーンに、シンジも納得した。ZーBLUEに加入した時は喋る機会などほとんど無かったが、それでもシャアに対しての気持ちだったりは敵対している時から見聞きしてきたシンジからみれば相当な違和感ではあったが、それでもハマーンが自分なりの立場から考えを深めてこの場での話に臨んでいるし落ち着いていると分かった為に。









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