正しいから許されると誰が決めた?
「・・・すみません、安室さん。これからの流れについて話をしましょう。協力してくれると言ってくださりましたが、下手に打ち合わせ無しで話を進めれば新一君が矛盾点に気付き追求を始めてくるでしょうからね」
「そうだね・・・そうしようか」
頼人はそんな空気の中で敢えて話を続けようと言い、安室も気を取り直して頷く。ここまで来たのだから、万が一の事が起こらないようにという気持ちで。
・・・そうして話をして、事態を無事に進ませることは出来た。いつに組織と最終決戦になるかに、小五郎を無事に秘密裏に病院に入院させ、英理と安室により新一と蘭の二人を諦めさせて赤井に対する牽制も成功させる形でだ。
「・・・取りあえずはしばらくは大丈夫だとは思いますが、毛利さんの容態が回復したらどうするのですか?病院にずっと入院しているわけにもいかないでしょう」
「その点に関してはアメリカの僕の所に来るようにという話になりました」
「アメリカ、かい?」
・・・それで時間は戻り、話題は小五郎の容態が完治した後になると頼人はアメリカに行くと答える。
「父さんの今までの経歴を考えると関東近郊もそうですが、関西方面に東北方面もあまり行くべき場所ではありません。警察関連の知り合いが多くて何か事件があった場合、下手をすればその知り合いと会って新一君達に居場所の情報が渡りかねません。かといって関西より西以降だったり北海道などに行こうとしてもツテのない父さんではまともな職につけるとは思えません。そういったことを考えれば、下手に日本にいるよりはアメリカに行って僕の近くにいる方がいいと判断したんですよ。向こうなら父さんの事を知っている人もまずいませんし、言葉さえ通じれば向こうの方が訳ありの人に対しての目はおおらかですからね」
「・・・確かに日本では世間体の事もあるから、働いていない人への目は厳しいと言えるからね。ただやはり問題となるのは知り合いの目の方か・・・」
「えぇ。特に東都にはまずいることすら危うい状態になりますし、新一君達に知られればまずい状況になります。それを考えれば日本自体にいない方がいいです」
「それはいいが、君のいるところはどこなんだい?ワシントンだったりニューヨークのようなメジャーな所か?」
「もうそろそろ大学の卒業の予定ですから、そういった都市部のあるメジャーな州には行かずに少し田舎くらいの所に引っ越して仕事を始める予定です。新一君達は外国への旅行は別に拒否感はないようですが、それでも有名どころを回るのが関の山レベルですからそんな僕の所に来るのは僕が目的でなければわざわざそんな所には来ませんよ」
「そう確信しているのはいいんですが・・・君は新一君に蘭さんとはあまり仲は良くはないのかい?この前から少し疑問に思ってはいたが、そんなに自分の所に来ないのが当然みたいな言い方をするのは少し気になったんだが・・・」
その訳を小五郎の様々な事を考えた上でであり新一達を警戒して行動するという頼人に対し、ふと安室は新一達との関係性が薄いことに疑問を抱く。仲が悪いから会ってないのかと。
「・・・別に僕は彼らを嫌っているわけではありませんよ。どちらかと言えば彼らが僕の事を嫌うというより、苦手にしているだけです」
「えっ・・・?」
「新一君は僕の事をどこか引いた目で見ていた節がありました。蘭は蘭で新一君と似たこの声で全く違う僕の性格に関して、どうとも言いがたいというような気持ちがあると言ってましたからね。ただ僕を嫌いではないとは言ってはいましたが、苦手だという感情に関しては伝わってきましたからね・・・ですから前にもアメリカには来たらしいのですが、僕の所には来ようとはしなかったんですよ。別に来ていただいても僕は問題はなかったんですけれどね」
「はぁ・・・そうなのか・・・」
だが頼人は大して嫌いではなく向こうが苦手にしているだけとあっさりとした回答を返し、安室は呆けたような声を上げた。別に頼人が嘘をついてるように見えないからこそ、その言葉が指し示すのは単に二人が勝手に頼人と距離を取っているのだということであるために。
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「そうだね・・・そうしようか」
頼人はそんな空気の中で敢えて話を続けようと言い、安室も気を取り直して頷く。ここまで来たのだから、万が一の事が起こらないようにという気持ちで。
・・・そうして話をして、事態を無事に進ませることは出来た。いつに組織と最終決戦になるかに、小五郎を無事に秘密裏に病院に入院させ、英理と安室により新一と蘭の二人を諦めさせて赤井に対する牽制も成功させる形でだ。
「・・・取りあえずはしばらくは大丈夫だとは思いますが、毛利さんの容態が回復したらどうするのですか?病院にずっと入院しているわけにもいかないでしょう」
「その点に関してはアメリカの僕の所に来るようにという話になりました」
「アメリカ、かい?」
・・・それで時間は戻り、話題は小五郎の容態が完治した後になると頼人はアメリカに行くと答える。
「父さんの今までの経歴を考えると関東近郊もそうですが、関西方面に東北方面もあまり行くべき場所ではありません。警察関連の知り合いが多くて何か事件があった場合、下手をすればその知り合いと会って新一君達に居場所の情報が渡りかねません。かといって関西より西以降だったり北海道などに行こうとしてもツテのない父さんではまともな職につけるとは思えません。そういったことを考えれば、下手に日本にいるよりはアメリカに行って僕の近くにいる方がいいと判断したんですよ。向こうなら父さんの事を知っている人もまずいませんし、言葉さえ通じれば向こうの方が訳ありの人に対しての目はおおらかですからね」
「・・・確かに日本では世間体の事もあるから、働いていない人への目は厳しいと言えるからね。ただやはり問題となるのは知り合いの目の方か・・・」
「えぇ。特に東都にはまずいることすら危うい状態になりますし、新一君達に知られればまずい状況になります。それを考えれば日本自体にいない方がいいです」
「それはいいが、君のいるところはどこなんだい?ワシントンだったりニューヨークのようなメジャーな所か?」
「もうそろそろ大学の卒業の予定ですから、そういった都市部のあるメジャーな州には行かずに少し田舎くらいの所に引っ越して仕事を始める予定です。新一君達は外国への旅行は別に拒否感はないようですが、それでも有名どころを回るのが関の山レベルですからそんな僕の所に来るのは僕が目的でなければわざわざそんな所には来ませんよ」
「そう確信しているのはいいんですが・・・君は新一君に蘭さんとはあまり仲は良くはないのかい?この前から少し疑問に思ってはいたが、そんなに自分の所に来ないのが当然みたいな言い方をするのは少し気になったんだが・・・」
その訳を小五郎の様々な事を考えた上でであり新一達を警戒して行動するという頼人に対し、ふと安室は新一達との関係性が薄いことに疑問を抱く。仲が悪いから会ってないのかと。
「・・・別に僕は彼らを嫌っているわけではありませんよ。どちらかと言えば彼らが僕の事を嫌うというより、苦手にしているだけです」
「えっ・・・?」
「新一君は僕の事をどこか引いた目で見ていた節がありました。蘭は蘭で新一君と似たこの声で全く違う僕の性格に関して、どうとも言いがたいというような気持ちがあると言ってましたからね。ただ僕を嫌いではないとは言ってはいましたが、苦手だという感情に関しては伝わってきましたからね・・・ですから前にもアメリカには来たらしいのですが、僕の所には来ようとはしなかったんですよ。別に来ていただいても僕は問題はなかったんですけれどね」
「はぁ・・・そうなのか・・・」
だが頼人は大して嫌いではなく向こうが苦手にしているだけとあっさりとした回答を返し、安室は呆けたような声を上げた。別に頼人が嘘をついてるように見えないからこそ、その言葉が指し示すのは単に二人が勝手に頼人と距離を取っているのだということであるために。
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