過去と分岐した道への想い 前編

・・・カミーユとハマーンが予期せぬ出会いを果たしていた同じくらいの時間で、ルルーシュもまたとある場所を歩いていた。たまにはこちらの方に一人で行ってみようと何となくの気まぐれでだ。



「えっ・・・まさか、ルルーシュさん・・・?」
「・・・そうだが、君は(俺のことを知っている?誰だ?少なくとも前世の俺の事を知っているならさん付けで呼ぶような存在などいないと思うが・・・)?」



・・・そんな中で前から歩いてきた一人の中学生くらいの日本人の少年がルルーシュの姿に驚きつつ名前を口にし立ち止まる様子に、ルルーシュは肯定を返しつつも頭の中では目の前の少年が誰なのかと頭を働かせていた。自分の事をさん付けで呼ぶような存在など前世の関係者ならまず有り得ないということから・・・




















・・・それから少年はルルーシュと少し探るように話をして名前が同じだけの人違いだったみたいですというようにそそくさと逃げようとしたが、そこは口もうまいルルーシュがすぐさまに引き止めて喫茶店へと共に行くことにした。言ってはなんだがこの日本という地にて日本人と言うには難しい白人の特徴を持っていて、言ってはなんだが日本人が思い浮かべやすいような白人の名前・・・マイケルだとかジョンというようなベタな名前とは到底言えない自分の名前を正確に口にした少年に、是非とも何故そう言ったのかを聞かなければ収まりがつかないとルルーシュは感じた為に。






「・・・さて、俺の名前は君の言うようにルルーシュでいいが、君は何と言うんだい?」
「・・・僕の名前は碇シンジですけど、ルルーシュさんは僕の事は分からないんですよね?」
「あぁ、正直に言うけれどね。だから君が何故俺の名前を正確に知っているのかについて教えてほしいんだ・・・本当に君の知る『ルルーシュ』が俺と似ている赤の他人だと言うなら謝るし、ここは俺が払わせてもらうよ」
・・・それで喫茶店で頼んだ飲み物が来て、二人になった所でルルーシュは少年に名前を聞くと碇シンジだと律儀に返しはするが、本当に自分の事を知らないのかとも聞いてきた為、どういうことか教えて欲しいと優しく微笑んで頼み込む。
「・・・でしたらこの言葉に聞き覚えはありますか?」



「第99代ブリタニア皇帝ルルーシュ=ヴィ=ブリタニア、またの呼び名を悪逆皇帝ルルーシュという言葉に」



「っ!?」
・・・だがシンジが意を決して口にした知っているならと前提に出した二つの名・・・どちらも自分の前世での立ち位置だったり呼ばれ方だったことに、ルルーシュは驚愕に表情を崩した。聞き覚えがあるどころではない物が予期せぬ形で出て来た事に。
「・・・その反応的にルルーシュさんはその立場に立ったことがあるっていう事ですよね・・・だったら何で僕の事を覚えていないのか・・・」
「ま、待ってくれ・・・今の君の発言で君が俺のやったことに関して少なからず知っているのは分かった。だが俺の予想が当たっているのなら君にも俺と同じように前世を覚えているというように感じられるが、少なくとも俺は君と出会ったことはないし何なら俺のやったことを知っているなら俺の事を敬称で呼ぶなど有り得ないだろう・・・俺のやったことは日本人のみならず、世界の人々から見て到底許される事ではないんだからな・・・」
シンジはその反応により分からないといったような様子になるが、ルルーシュ自身もシンジに話をしつつもより分からないというように漏らしていく・・・前世ではほんの一部を除きそれこそ悪逆皇帝というように人々から呼ばれる形で忌み嫌われた自分に対し、何故悪感情を持たずに接することが出来るのかと。









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