境界線が常に一定であるとは限らない

・・・そうして紫はもう面白い物は見れたからいいと新一達の観察を終えた訳であるが、時間が経つにつれて状況は新一と蘭はもう別れるべきだという流れになっていった。これは新一が自分の考えや行動を事件があるんだから仕方無いと自分のせいではないから、それを蘭に認めてもらいたいという姿勢を決して変えなかったことから、周囲ももうこれは駄目だと見たのである。新一は変わらないというようにしか感じないと。

ただだからこそという形で安室は海外にいる優作達もそうだが、組織の事についてや新一の事実についても知る者達を出来る限り呼び寄せて、新一へと話をした。紫とした話の中身もそうだが蘭にだけ境界線を自分にとって都合の良い書き換えを求めて、自分は探偵としてやるべきことがあるんだからとそれを盾にして、蘭にとってこれならまだ許せるだろう形での自分の境界線の書き換えを一切行おうとしないことについて、もうここまで来たら蘭と付き合うことを止めた方が蘭の為にもなるし新一も探偵としての活動が断然にしやすくなるという話をだ。

しかし勿論というか最初新一はそれらの言葉に激昂して返していったのだが、話が進んでいく内に優作達という両親もそうだが事情を知っているからと呼び出されて来た面々も、安室の話に同意を示していったことに新一は唖然とするしかなかった・・・特に優作と有希子の二人が話を聞くまでは新一に対して同調的だった筈が、話を聞いていけばいく程に新一が蘭の気持ちを尊重するのではなく、ただ自分はこうなのだから我慢することを選んでくれということを望むばかりの新一の様子に、そんなことを蘭にさせたら蘭がただ辛いだけになるのは目に見えているというように言ったことに。

それで他の面々も似たような意見が出て来た中で、唯一似たような立ち位置にいる服部だけが新一を擁護するような事を切り出したのだが・・・それもなら蘭に理解と我慢を強いる事が蘭にとって幸せな事なのかというように言われ、すぐに服部も苦渋の様子を浮かばせるしかなかった。そういったように言っている事から今の状態が生まれている事がそもそもの原因な為に。

それで誰も味方もいなくなった上で服部が何も言えなくなった姿を見て新一が顔を青くする中、安室はもうここで蘭さんを諦めるだとか今までの考えや態度を改め、ちゃんと蘭さんと向き合うというようにしなければ少なくとももう僕の中でも、君という人間を見損なうという意味で僕の境界線を踏み越える事になると告げた。もうここまで言われているのに自分が悪いわけではないというように尚も言う上で、蘭さんや僕達にもそれが正しいのだと言うのであればそうなると。

新一はそんな安室の態度に絶句する訳であるが、服部を除いた面々も一斉に同じ気持ちだと頷いた事に衝撃を受けると共にもう流石にここまで来ては自分が正しいのになどと言えないと、新一は心が折れる事になってしまった。いくらなんでも自分の信頼する者達からここまで意見が揃った様子を見せられてしまえば、蘭との関係が悪化しているという事実もあって気持ちを奮い立たせる事が出来るはずが無いと・・・


















・・・それから程なくして、新一と蘭の二人は別れる事になった。といっても新一は未練タラタラなのは見ていて分かるくらいで別れを切り出したくないといった様子であったし、また振り向いてもらえるように頑張りたいだとか再び付き合えるようにしたいと前向きな言葉を口にしていたが、蘭もそうだが園子を始めとした周囲もその様子についてを聞いて未練があるのもそうだが、自分が探偵として動きたいという前提を変えたくないんだろうなというように感じて、気持ちは一層冷めることになった。

そしてその後にどうなったかというのは、最早語る意味もないだろう・・・境界線を変えられず、相手にただそれを変えてほしいと願うばかりの新一のことなど・・・









END









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