正しいから許されると誰が決めた?
「無論、今の話はあくまでも予想でしかありません。実際にそうなるかは分かりませんが・・・少なくとも新一君が父さんの体調についてを聞いた所で精々事件の際に謎が解けたら合図するから寝たフリをしてくれと、麻酔銃を使わないことを約束するくらいが関の山でむしろこちらに協力してくれと強く言ってくるでしょう。そしてそうなれば今言ったように僕や父さんは新一君に協力をしなければならない生活を強いられる事は相当でなければ確定だったでしょうね」
「・・・確かにそうなっただろうね。新一君の立場に性格を考えれば」
「ですが僕に父さんはそんな事は望んでいませんし、だからと言ってこのまま新一君に話をしに行ってもそういった展開になるのは目に見えています。ですので僕達は母さんに話をした上で父さんを新一君達に居場所をバレない病院に入院させてもらおうとしたんです。父さん一人では怪しまれるでしょうし、母さんなら誤魔化しも色々ときくと思ったので」
「・・・だからこの事務所に僕を呼んで、妃弁護士にも同席してもらっているのか・・・」
そんな予測は予測とは言うがそれに近い結末は待ち構えているだろうからこそ英理に話をしたと言う頼人に、安室もようやく納得した。場所もそうだが、英理がいるのかの理由に。
「・・・初めに話を聞いた時は驚いたわ。私の知らない間に頼人が帰ってきていたこともそうだったけれど、そんなことを頼人が調べていた上でこの人がそんな状態になっていたことを聞いて・・・そして新一君達にそれを言ってはならないということも。だから私は頼人の言うようにこの人を内密に病院に入れることに協力をすることにしたの」
「・・・貴女の立場なら確かに疑われずに協力することは出来るのでしょうが、どうしてここに蘭さんはいないのですか?彼女も貴殿方の家族の筈ですが・・・」
「・・・頼人から聞いたからよ。今の蘭は新一君の事を知った上で協力したいと言っていて、今のこの人の体調を知った上で新一君の為に動くようにと言いかねないと」
「・・・それは・・・」
それでここまで黙っていた英理が真剣な面持ちで自分の考えを明かしていくのだが、安室は自分が問いかけた蘭の事に途端に気まずげに視線を背ける。
・・・蘭が事実を知ったのはつい最近であり、その流れから安室達の仲間になると強い意志を持って参戦を表明してくれた。この事に関しては気持ちとしてはあまり賛同は出来ないものの、戦力としては十分に計算できると安室は割り切ることにした。
だがその意志の強さもそうだが、新一の事を想うその気持ちが小五郎よりも新一を優先するのではないか・・・安室は英理の言葉から蘭のその時の姿の事を思い出し、何とも言えない気持ちになっていた。親の体調よりも恋人の為に親に危険を犯してもらうことを優先するのではないかと、安室自身感じてしまった為に。
「・・・正直な所、蘭の事も貴方達からどうにか離したいというのが私の素直な気持ちよ。けれど今の蘭がそう簡単に頷かないこともそうだし、むしろこの人や頼人まで巻き込んだ挙げ句に亡くなってしまうだなんて望まれることではないわ・・・貴方達が追っている組織の危険性を考えれば、決して大丈夫だなんて言えないとの事だそうだし・・・」
「それは、否定出来ません・・・」
「それにこの人の体調を考えれば、むしろこの人の方が危ないと言えるわ・・・こうして別居して長くはあるけれど、蘭とこの人を比較してどちらの命を優先するべきかなんて風な考えは持つ気はない・・・けれどこの人や頼人まで巻き込まれて、二人の命まで危ぶまれるどころか以降も危険視されて見張りつきの生活を強要されることを考えるなら・・・最悪の場合、蘭が失われることも私達は覚悟しているわ・・・」
「・・・気休めになるかは分かりませんが、僕も出来るだけ蘭さんには気を配ります。今はそれだけしか言えません・・・」
「ありがとう、安室さん・・・」
・・・そしていかに小五郎に頼人の二人と蘭のわがままを天秤にかけ、蘭の命が失なわれる事も覚悟したというよう苦渋の判断したのか・・・そんな様子を伺える姿に安室も精一杯の言葉をかけ、英理は頭を下げた。覚悟はしてもやはり蘭の事を失いたくはないという想いを乗せて。
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「・・・確かにそうなっただろうね。新一君の立場に性格を考えれば」
「ですが僕に父さんはそんな事は望んでいませんし、だからと言ってこのまま新一君に話をしに行ってもそういった展開になるのは目に見えています。ですので僕達は母さんに話をした上で父さんを新一君達に居場所をバレない病院に入院させてもらおうとしたんです。父さん一人では怪しまれるでしょうし、母さんなら誤魔化しも色々ときくと思ったので」
「・・・だからこの事務所に僕を呼んで、妃弁護士にも同席してもらっているのか・・・」
そんな予測は予測とは言うがそれに近い結末は待ち構えているだろうからこそ英理に話をしたと言う頼人に、安室もようやく納得した。場所もそうだが、英理がいるのかの理由に。
「・・・初めに話を聞いた時は驚いたわ。私の知らない間に頼人が帰ってきていたこともそうだったけれど、そんなことを頼人が調べていた上でこの人がそんな状態になっていたことを聞いて・・・そして新一君達にそれを言ってはならないということも。だから私は頼人の言うようにこの人を内密に病院に入れることに協力をすることにしたの」
「・・・貴女の立場なら確かに疑われずに協力することは出来るのでしょうが、どうしてここに蘭さんはいないのですか?彼女も貴殿方の家族の筈ですが・・・」
「・・・頼人から聞いたからよ。今の蘭は新一君の事を知った上で協力したいと言っていて、今のこの人の体調を知った上で新一君の為に動くようにと言いかねないと」
「・・・それは・・・」
それでここまで黙っていた英理が真剣な面持ちで自分の考えを明かしていくのだが、安室は自分が問いかけた蘭の事に途端に気まずげに視線を背ける。
・・・蘭が事実を知ったのはつい最近であり、その流れから安室達の仲間になると強い意志を持って参戦を表明してくれた。この事に関しては気持ちとしてはあまり賛同は出来ないものの、戦力としては十分に計算できると安室は割り切ることにした。
だがその意志の強さもそうだが、新一の事を想うその気持ちが小五郎よりも新一を優先するのではないか・・・安室は英理の言葉から蘭のその時の姿の事を思い出し、何とも言えない気持ちになっていた。親の体調よりも恋人の為に親に危険を犯してもらうことを優先するのではないかと、安室自身感じてしまった為に。
「・・・正直な所、蘭の事も貴方達からどうにか離したいというのが私の素直な気持ちよ。けれど今の蘭がそう簡単に頷かないこともそうだし、むしろこの人や頼人まで巻き込んだ挙げ句に亡くなってしまうだなんて望まれることではないわ・・・貴方達が追っている組織の危険性を考えれば、決して大丈夫だなんて言えないとの事だそうだし・・・」
「それは、否定出来ません・・・」
「それにこの人の体調を考えれば、むしろこの人の方が危ないと言えるわ・・・こうして別居して長くはあるけれど、蘭とこの人を比較してどちらの命を優先するべきかなんて風な考えは持つ気はない・・・けれどこの人や頼人まで巻き込まれて、二人の命まで危ぶまれるどころか以降も危険視されて見張りつきの生活を強要されることを考えるなら・・・最悪の場合、蘭が失われることも私達は覚悟しているわ・・・」
「・・・気休めになるかは分かりませんが、僕も出来るだけ蘭さんには気を配ります。今はそれだけしか言えません・・・」
「ありがとう、安室さん・・・」
・・・そしていかに小五郎に頼人の二人と蘭のわがままを天秤にかけ、蘭の命が失なわれる事も覚悟したというよう苦渋の判断したのか・・・そんな様子を伺える姿に安室も精一杯の言葉をかけ、英理は頭を下げた。覚悟はしてもやはり蘭の事を失いたくはないという想いを乗せて。
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