境界線が常に一定であるとは限らない

現に紫は組織の事については全く触れないようにはしたが、それでも組織に関わることによって得られた縁に関してだったりを示唆するように話していったのであり、元々から組織に関係するまででも事件やら推理の事で度々喧嘩していたのに、それで増えた縁も相まって蘭との時間が更に無くなっている事から別れろとはハッキリは言わなかったが、別れることも考えるようにと言った。

だがそこで何故ハッキリと言わなかったのかに関しては、そう言ってしまえば新一もだが蘭も変な風に意固地になってしまって別れないというように言い出す可能性が有り得ると感じたからだ。紫からしてみればそんな中途半端に意地だけで別れる時間が延びるような結果など望んでいなかったし、何より蘭にそういった事を考えさせることで面白くなると感じたから敢えて考えるようにという言い方をしたのである。

そして境界線だったり地雷といったワードについてを出したのもその一つである・・・新一と蘭の二人はまだ蘭が抱く不満だとかの理由を分かりやすく例えて言葉にした程度の物と考えていることだろうが、それが新一にも当てはめてみるとどうなるかというように周囲が次第になっていくと紫は見ていた。特に安室という存在がいるならそうなる可能性は高いというようにだ。

この辺りは安室の能力が高い事もそうだが新一にはない人生経験の積み重ねの月日の長さもだが、当事者ではなく傍観者という立場にいることからそういったように新一は自分の中の境界線を守ることばかりに執心した上で、蘭の中の境界線を自分の都合のいいように塗り変えたいというように気持ちを持っているから、二人が衝突を繰り返している・・・というように考えてある程度オブラートに包んだ形で周りに言うようにするだろうと紫には予測出来た。

そうなれば周りには瞬く間に広がることになった上で、新一が悪いというようになり新一は自分が悪いわけではないというように言うだろうが・・・ここで蘭に対して紫が蘭にも責任があるというように言ったのは、その時に言ったような意味合いも勿論あるが紫としては蘭に新一への呪縛めいた想いをずっと抱き続けられても逆に面白くないから、あぁいうように言ったのである。

実際紫から見て新一への想いに囚われている蘭の様子は不満を持ちはしても、新一に対しての希望を強く手放せないままにい過ぎて本当に余程の事がなければ、別れることを考える事もだがそう直接的に言われてもそれは・・・というように言うに留まるだけになりそうなのは明白であった。だがそれをさせてしまえば新一が今のままを続けたいという気持ちを覆すことはない以上、蘭が辿る道は別れたくないが為に新一のやりたいようにさせると全く幸せそうではない様子で頷くか、いくら時間が経っても新一が変わらない事に対して心が持たなくなって発狂かそれに準じた状態になる・・・のどちらかだと見た。

ただ発狂まで行くというのは言い過ぎではないかと思うかもしれないが、だからこそ呪縛という言葉を紫は用いた上で別れる事も視野に入れた方がいいと言ったのだ。新一としては蘭に対する想いがあるのも確かな事であると共に、今まで待っていたのは間違いではないというように元に戻って来たのだから、この後も待てばまた何か起こるのではないかと期待してずっと待つことを選んで・・・望む物がいつまでも訪れないことに心が壊れてしまう可能性は十分に有り得るが、そんな結果は面白くないからそうさせないようにしようと。

だから蘭のその呪縛を断ち切るような話をした上で新一と対立の形を取れるように紫はしたのだ。蘭がちゃんと新一との関係を考えられる状態にした方が、様々なゴタゴタを見れて面白いだろうからというよう。まぁもうそれも終わったわけであるが・・・









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