境界線が常に一定であるとは限らない

「そうしてくれるなら明日のこの時間にはまたここに来るようにするけれど、出来るならそちらのお二人もその場にいてもらえないかしら?」
「・・・僕達もですか?どうしてそんなことを?」
ただそんな中でやんわりと紫が明日来ると言いつつ梓と安室にもいてほしいと願ったことに、安室は意味が分からないというように返す。
「単純な話としてこの娘とその彼氏の事を知っている誰かにいてもらいたいの。私はついさっき会ったばかりだから本当に私の言っていることに関して、この娘達の事について納得出来るかどうかの判別をしてもらいたいというのもそうだけれど、その上で男性と女性の立場から見てもどうなのかを判断してもらうのに貴方達二人でちょうどいいと思ってね」
「・・・私は別に大丈夫ですけれど、安室さんは忙しいなら断りますか?」
「・・・いえ、空けるようにしますよ。僕としてもどういう事で二人の仲が悪くなった理由なのかについて気になりますし、紫さんの言い方からして僕もいた方が良さそうな雰囲気は感じましたからね。ですから明日は僕も来ますよ」
紫はそう言った理由についてを話していき、梓はすぐに頷きつつも安室へとどうするか視線を向けながら問うと、気になるからということで参加を表明する。自分に分からなかった事をあっさり分かったという紫に対して何を言うのか気になるといった様子を見せながら・・・




















・・・そうしてそれで場というか紫がもう行くとポアロを出ていった姿を見た後、安室から蘭に早めに約束を取り付けるべきだと言って電話させて、事の経緯を説明して明日のこの時間にポアロに来るようにするというようになった。

それで翌日の同じ時間に同じポアロの店内に新一も加えたメンバーが揃うことになるのだが、流石に昨日喧嘩になったばかりの蘭と新一は少し気まずいといった様子になり、男二人が並んで梓と蘭の二人とテーブルを挟んで向かい合って座り、紫が両者から斜め前のポジションに座って落ち着く事になった。



「・・・あの、八雲さんでいいんですよね。早速になるんですけどどうして俺達が喧嘩ばかりになるのかに関して、理由を教えてもらえませんか?その、付き合う前もそこそこ喧嘩みたいなことはありましたけど、付き合ってからは以前よりそうなる事が本当に増えたからどうしてなのかって参ってるんです・・・」
・・・それで各々の飲み物が来た所で早速と新一が前置きをすっ飛ばして、理由があるなら早く聞きたいというように紫に投げ掛けるのだが、その顔には本当に困っている事を隠せないといったような疲れが滲んでいた。安室も安室で分からないと言ったが、当事者である新一も分からないということから早く本当に答えが聞けるなら聞きたいというよう。
「その事についてなら結論だけを簡単に言ってしまうと、二人が付き合うに至る前の数ヶ月間貴方がしばらく学校にも来ず家にも帰らずにいた期間があったこと・・・それが何よりの原因よ」
「「っ・・・」」
そんな様子の新一に紫はなんてことないというよう新一が姿を消していたことが原因と返すと、新一だけでなく安室もそっと息を呑むしかなかった。あまり出て欲しくなかった事がよりにもよって出てきてしまったということに。






・・・新一が数ヶ月学校にも来ず家にも帰らない状態にあったのはとある事件に巻き込まれ、それをきっかけに起こったことも含めて解決するために動いたことにあった。そしてその中で安室とも秘密を共有しあう仲間として知り合うことになり、その事柄に対処していった。

その結果として新一達の行動は実を結んだ訳であるが、その実を結んだ事柄に関しては一般には公にはしないようにと新一や安室達は話し合い、それらを守ることにしたのだ。そこを公にしてしまえば確実に面倒事にしかならないということからだ。

だから新一と安室はその時に真実を知るべき立場にはいなかった蘭達には何も言わずに適当に誤魔化しを入れた上で、新一は蘭に告白してそれを受け入れられた事で二人は恋人関係になったが・・・紫がその期間についてが原因だと言った事に内心ではヒヤヒヤしているのである。一般にバレてるようなことじゃないから情報が漏れてる訳がないと思いつつも、一体何が紫の口から出て来るのか分からないという事に。









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