境界線が常に一定であるとは限らない
・・・境界線は物質的な物なら容易に引ける物である。だが精神的な物に関して境界線を引くということは個々によって変わるものであり、それらを変えることは容易ではない。幼い子どもであったり自我の確立が出来ていない者であれば精神的な境界線を引き直すことはまだ容易な方ではあるが、長く生きているであったり意志が強い者の精神的な境界線を変えることはそうそう容易ではない。
そしてその境界線が何かのきっかけで変わったとしても、他者からは境界線が変わったことは簡単に認識出来る物でもないし、例え認識が出来たとしてもその変わった境界線を受け入れられるかどうかはまた別である・・・
「・・・どうして・・・どうしてこうなるのよ、私達・・・?」
・・・とある日のこと。蘭は自宅に戻る道を歩きつつも涙を流しながら、自分達の状況についてを何故と漏らしていた。とあるデートの時から姿を消して数ヶ月間程ろくに会えないままにいた新一が元に戻って来た時、新一から告白されたことにより蘭はその告白に嬉しさに涙を流しながら頷いた。元から望んでいた事だった為に。
しかしそうして恋人になった筈なのに蓋を開けてみれば以前より格段に喧嘩することが増えてるという状態で、むしろ辛い事ばかりになっている・・・現に今回もデートの途中で新一と喧嘩別れしてその勢いのまま帰る事になったのだが、本当はそんなことばかりになって欲しくないのにと蘭は泣いているのだ。
‘ドン’
「あっ・・・すみません・・・」
そんな時に前から歩いてきていた特徴的な帽子を被り腰までなびく長髪の金髪の女性と肩がぶつかった事に、蘭もすぐに立ち止まって謝るのだがその女性は気分を害した様子もなく笑顔を浮かべる。
「いえ、大丈夫よ・・・それより貴女の方が大丈夫かしら?そんなに涙を流して・・・」
「あっ、いえ・・・これは、ちょっと・・・」
「何か言いにくい事のようね。なら少し私に聞かせてもらえないかしら?」
「えっ・・・?」
それで女性が大丈夫と言いつつ涙の事に触れると蘭は誤魔化そうとするが、女性が話を聞かせてほしいと踏み込んできたことに戸惑いの声を漏らす。
「何かある時には下手に自分の内に溜め込むよりは吐き出す方がいいわ。それに貴女自身も辛いことについてを解決したいと思っているでしょうし、案外誰かに話すことでどうにかなるものよ?」
「えっと・・・お気持ちはありがたいですけど、一応そういったことを言える友達はいます・・・」
「それはいいことね。身近にいて寄り添ってくれる誰かがいてくれることにより、救われることはよくあることだもの・・・でも時には身近な誰かからの言葉より、縁もゆかりも無い誰かの言葉が必要になるものよ?親しい仲だからこそ却って言えない事もあるというのもだけれど、問題の近くにいるとその問題の全体が見えなくなるのはよくある事だから、離れた位置から物を見ることが出来る上で関係性が薄いからこそ禁句が何かも分からず、遠慮のない誰かの言葉がね」
「っ!」
女性はそこから話をした方がいいと話をしていく様子に蘭は遠慮をしようとするが、その言葉までもを逆手に取った上で必要な物についてを微笑と共に話す女性に、蘭はハッとしたように静止してしまった・・・確かに園子にはよく話を聞いてもらってる蘭だが、慰めだとかなだめの言葉をよくかけてはもらいはしてもそれらの言葉で事態の解決はしていないことに思い至ったことにより。
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そしてその境界線が何かのきっかけで変わったとしても、他者からは境界線が変わったことは簡単に認識出来る物でもないし、例え認識が出来たとしてもその変わった境界線を受け入れられるかどうかはまた別である・・・
「・・・どうして・・・どうしてこうなるのよ、私達・・・?」
・・・とある日のこと。蘭は自宅に戻る道を歩きつつも涙を流しながら、自分達の状況についてを何故と漏らしていた。とあるデートの時から姿を消して数ヶ月間程ろくに会えないままにいた新一が元に戻って来た時、新一から告白されたことにより蘭はその告白に嬉しさに涙を流しながら頷いた。元から望んでいた事だった為に。
しかしそうして恋人になった筈なのに蓋を開けてみれば以前より格段に喧嘩することが増えてるという状態で、むしろ辛い事ばかりになっている・・・現に今回もデートの途中で新一と喧嘩別れしてその勢いのまま帰る事になったのだが、本当はそんなことばかりになって欲しくないのにと蘭は泣いているのだ。
‘ドン’
「あっ・・・すみません・・・」
そんな時に前から歩いてきていた特徴的な帽子を被り腰までなびく長髪の金髪の女性と肩がぶつかった事に、蘭もすぐに立ち止まって謝るのだがその女性は気分を害した様子もなく笑顔を浮かべる。
「いえ、大丈夫よ・・・それより貴女の方が大丈夫かしら?そんなに涙を流して・・・」
「あっ、いえ・・・これは、ちょっと・・・」
「何か言いにくい事のようね。なら少し私に聞かせてもらえないかしら?」
「えっ・・・?」
それで女性が大丈夫と言いつつ涙の事に触れると蘭は誤魔化そうとするが、女性が話を聞かせてほしいと踏み込んできたことに戸惑いの声を漏らす。
「何かある時には下手に自分の内に溜め込むよりは吐き出す方がいいわ。それに貴女自身も辛いことについてを解決したいと思っているでしょうし、案外誰かに話すことでどうにかなるものよ?」
「えっと・・・お気持ちはありがたいですけど、一応そういったことを言える友達はいます・・・」
「それはいいことね。身近にいて寄り添ってくれる誰かがいてくれることにより、救われることはよくあることだもの・・・でも時には身近な誰かからの言葉より、縁もゆかりも無い誰かの言葉が必要になるものよ?親しい仲だからこそ却って言えない事もあるというのもだけれど、問題の近くにいるとその問題の全体が見えなくなるのはよくある事だから、離れた位置から物を見ることが出来る上で関係性が薄いからこそ禁句が何かも分からず、遠慮のない誰かの言葉がね」
「っ!」
女性はそこから話をした方がいいと話をしていく様子に蘭は遠慮をしようとするが、その言葉までもを逆手に取った上で必要な物についてを微笑と共に話す女性に、蘭はハッとしたように静止してしまった・・・確かに園子にはよく話を聞いてもらってる蘭だが、慰めだとかなだめの言葉をよくかけてはもらいはしてもそれらの言葉で事態の解決はしていないことに思い至ったことにより。
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