正しいから許されると誰が決めた?
「貴方の為にも色々と順序だててお話ししますが、僕は父さんからの連絡を受けてすぐに日本へと戻ることにしました。ただしそれは最初、父さん以外には極秘の形で誰にも知られないようにする形でです・・・何故か分かりますか?」
「・・・毛利さんから出た異常な麻酔の量から、誰かが毛利さんに麻酔を秘密裏に打ち込んできているからそれが誰かを探すためかい?」
「はい、その通りです。そして僕は父さんからの電話でその江戸川コナンという少年が怪しいと言うか、犯人ではないかという確信を得ていました」
「それは、どうして・・・」
「単純な話として、そのコナンという少年が現れて少ししてから父さんが眠りの小五郎という異名の名探偵と呼ばれるようになったと聞いた時からです。僕はアメリカで暮らして長い上に国際電話の料金も高いので父さん達との連絡はあまり取っていませんでしたが、元々父さんに舞い込んでくる依頼はよくある探偵としての依頼ばかりで新一君がよく出会っていたようなトリックの解決だったり、推理が必要なタイプの依頼ではありません。ですが江戸川コナンという少年が来てから次々とそういったことが必要なタイプの事件や依頼が舞い込み、そのことごとくを眠ったような状態で解決してきたと聞きました。そしてその推理を行う前に首筋にチクリとした痛みがきて、推理をしている時間の記憶が全くないと聞きました。そしてその場面にはいつも江戸川コナンがいた・・・そこまで来れば、江戸川コナンという人物に疑いを持つのは当然と言えるでしょう」
「ま・・・それでピンと来ずに俺の都合のいいように事態が動いてるなんて考えてた俺も俺で迂闊だったとは思うがな・・・」
その為に順序よく話をすると頼人が口にしていくのはまず江戸川コナンに対する疑惑についてで、安室は受け答えする中で小五郎が苦く首筋に手を当てながら漏らした言葉に複雑そうに表情を歪める。
「続けますが、そうして疑いを持ちはするものの物証がない状況で江戸川コナンが犯人だと断定することは出来ないと見た僕は、日本に帰ってきて父さんに内密に会った時に僕が外からで父さんに内からという形でその証拠を集めることにしました。そうしてしばらく活動していく内にその証拠とも呼べる場面をいくつか観測しました・・・それが父さんの推理場面です」
「・・・推理場面だって?」
「推理場面と言うからには何らかの方法か僕が撮影したのか、と言ったような疑惑をお持ちではありませんか?それは違います・・・簡単に言えば江戸川コナンが近くにいた時に事件が起きた際、父さんに録音機器を密かに起動させてもらってたんですよ。レコーダーと分からないように偽装させた物を使う形でです」
「っ・・・!」
「そんな手段を使われると思っていなかったと言った表情ですが、最近では有効ではないですか。DVの証拠として突きつけるためにレコーダーによるやり取りの保存などは・・・まぁそれはともかくとして、事件が起こる度にそういったことをしてもらい解決して少ししたらそのレコーダーを止める・・・そう言ったことを繰り返している内に共通して出てきたのはいずれも父さんの脱力した声が出た後、レコーダーの手元にいるはずの父さんから出されていない父さんの声が事件解明の為の理路整然とした推理の為に出されているという奇妙な録音データでした。そして父さんに話を聞けば当然ですが、自分がこんなことを話すわけはないと返してくれました。これは当然と言えば当然です・・・何せ麻酔薬で眠らされているんですからね」
「しかし、それではまだ証拠は完全というわけでは・・・」
「えぇ、眠らされてるとなってもそれで江戸川コナンが犯人だという証拠があるわけではないですからね・・・そこで僕がいる、という訳ですよ」
「っ・・・!」
・・・頼人の黒い瞳に見据えられ微笑を浮かべられた安室はたまらずゾッとしたよう身を震わせた。今までの話でも頼人がどれだけ動いている上で事を察したのかを聞かされたのに、これ以上にまだ頼人が行動していたのだと聞かされて。
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「・・・毛利さんから出た異常な麻酔の量から、誰かが毛利さんに麻酔を秘密裏に打ち込んできているからそれが誰かを探すためかい?」
「はい、その通りです。そして僕は父さんからの電話でその江戸川コナンという少年が怪しいと言うか、犯人ではないかという確信を得ていました」
「それは、どうして・・・」
「単純な話として、そのコナンという少年が現れて少ししてから父さんが眠りの小五郎という異名の名探偵と呼ばれるようになったと聞いた時からです。僕はアメリカで暮らして長い上に国際電話の料金も高いので父さん達との連絡はあまり取っていませんでしたが、元々父さんに舞い込んでくる依頼はよくある探偵としての依頼ばかりで新一君がよく出会っていたようなトリックの解決だったり、推理が必要なタイプの依頼ではありません。ですが江戸川コナンという少年が来てから次々とそういったことが必要なタイプの事件や依頼が舞い込み、そのことごとくを眠ったような状態で解決してきたと聞きました。そしてその推理を行う前に首筋にチクリとした痛みがきて、推理をしている時間の記憶が全くないと聞きました。そしてその場面にはいつも江戸川コナンがいた・・・そこまで来れば、江戸川コナンという人物に疑いを持つのは当然と言えるでしょう」
「ま・・・それでピンと来ずに俺の都合のいいように事態が動いてるなんて考えてた俺も俺で迂闊だったとは思うがな・・・」
その為に順序よく話をすると頼人が口にしていくのはまず江戸川コナンに対する疑惑についてで、安室は受け答えする中で小五郎が苦く首筋に手を当てながら漏らした言葉に複雑そうに表情を歪める。
「続けますが、そうして疑いを持ちはするものの物証がない状況で江戸川コナンが犯人だと断定することは出来ないと見た僕は、日本に帰ってきて父さんに内密に会った時に僕が外からで父さんに内からという形でその証拠を集めることにしました。そうしてしばらく活動していく内にその証拠とも呼べる場面をいくつか観測しました・・・それが父さんの推理場面です」
「・・・推理場面だって?」
「推理場面と言うからには何らかの方法か僕が撮影したのか、と言ったような疑惑をお持ちではありませんか?それは違います・・・簡単に言えば江戸川コナンが近くにいた時に事件が起きた際、父さんに録音機器を密かに起動させてもらってたんですよ。レコーダーと分からないように偽装させた物を使う形でです」
「っ・・・!」
「そんな手段を使われると思っていなかったと言った表情ですが、最近では有効ではないですか。DVの証拠として突きつけるためにレコーダーによるやり取りの保存などは・・・まぁそれはともかくとして、事件が起こる度にそういったことをしてもらい解決して少ししたらそのレコーダーを止める・・・そう言ったことを繰り返している内に共通して出てきたのはいずれも父さんの脱力した声が出た後、レコーダーの手元にいるはずの父さんから出されていない父さんの声が事件解明の為の理路整然とした推理の為に出されているという奇妙な録音データでした。そして父さんに話を聞けば当然ですが、自分がこんなことを話すわけはないと返してくれました。これは当然と言えば当然です・・・何せ麻酔薬で眠らされているんですからね」
「しかし、それではまだ証拠は完全というわけでは・・・」
「えぇ、眠らされてるとなってもそれで江戸川コナンが犯人だという証拠があるわけではないですからね・・・そこで僕がいる、という訳ですよ」
「っ・・・!」
・・・頼人の黒い瞳に見据えられ微笑を浮かべられた安室はたまらずゾッとしたよう身を震わせた。今までの話でも頼人がどれだけ動いている上で事を察したのかを聞かされたのに、これ以上にまだ頼人が行動していたのだと聞かされて。
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