帝丹高校教師冴島大河 コナン本編in後の話

「・・・ん、ううん・・・」
「・・・目ぇ覚めたか?」
「・・・へ?さ、冴島先生?」
「他に誰に見えるっちゅうねん」
「あ、いや・・・えっと、俺はどうして・・・」
「事件を解決したと思うたらいきなりお前が体調崩して倒れたから俺が保健室に運んだんや」
「そ、そうなんですね・・・」
・・・そうして新一が意識を取り戻して起きた姿に隣で椅子に座って様子を見ていた冴島は声をかけるが、戸惑いと共に困惑した様子だった為に簡潔に状況を説明するとそうなのかと小さく頷く。
「・・・意識を取り戻したばっかで悪いが、聞きたいことがある。それはどうして本来あの演劇で毛利の相手役やった新出先生の衣装を借りて、あんな形で演劇に出たんや?」
「え・・・な、何でいきなりそんなことを・・・?」
「この後のクラスの皆への説明の為や。流石に今起きたばっかりのお前を連れてどういうことか説明せぇなんてさせる気はないが、かといって何も説明せんのも皆にどう言えばえぇのかっちゅう話になる・・・そやから新出先生と入れ替わってあんな事をした理由くらい言えと言うとるんや。それに俺としても長い事休学しとるお前が登校するっちゅうんなら普通に受け入れとったが、登校するとも言わんとそんな形で新出先生と入れ替わった事についてどういうことやと思っとるんやぞ。あのまま事件が起こらんかったら演劇は無事に終わって、そのままお前が誰にも何も言わんと消えとったかもしれんかもともな」
「っ・・・!」
そんな新一へと冴島は何であんなことをしたのかと自身が考えた事についても交えて問い掛けると、新一は戸惑っていた様子からたまらず息を呑んだ・・・本来新一としては自分がコナンだと蘭にバレかけているのを誤魔化す為に元の体に戻る為の試験薬を飲んで、協力者と共に新一=コナンではないと誤魔化したらそれで終わりの予定だった事から、こういったように問い詰められることなど全く想定していなかった為に。
「・・・え、えっとそれに関してはちょっと、思い出作りっていうのをしようと思って・・・ただちょっとまだやることがあるから冴島先生も含めて皆に顔を合わせるだとか戻るなんて出来ないって風にも思ったんで、それで演劇に参加して実は蘭の相手役は俺だったんだって蘭にだけは話した上で俺が戻ってくるまで黙っててもらって、戻って来たらあれは俺だったんだっていうようにしたかったんですよ・・・はは・・・」
「・・・サプライズっちゅうやつか」
「そう、そういうことです!だから何も言わなかった事は本当にすみませんでした!」
「・・・はぁ」
ただそれでも何とか新一は頭をフルに回転させて焦りつつも適当な言い訳を口にしていき、冴島のサプライズとの言葉に引きつったような笑顔を浮かべながら勢い良く謝ると、そっと冴島は目を閉じてため息を吐いた。
「・・・もうえぇ。後はどうしても自力で帰れんゆうんなら言えば送ったるが、そうやないんなら報告は別にせんでもえぇから帰りたいおもたら自分で帰れ。そして学校も無理に来いとは言わんから自宅で療養しとけ・・・やることあるゆうてもそのやることに集中してなのかもしれんが、いきなり倒れたんやから過労やったり何らかの病気やらの可能性もあるかもしれんからな。そやから少し家で休め。えぇな?」
「わ、分かりました・・・」
「そうか。ならほな俺はもう行くわ。体、大事にせぇよ」
そしてどう帰るかはともかく少しは休めというように優しさ以上に圧のこもった強制するような言葉と目を向ける冴島に、新一はついさっき倒れたばかりの自分が大丈夫と言えるはずもないから頷くしかなく、その言葉を受け取って退出していく冴島のその後ろ姿を黙って見詰める以外に出来なかった・・・下手な言葉など出てくることもなく・・・









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