帝丹高校教師冴島大河 コナン本編前

「それでもう一つの理由に関してやが工藤がいかに高校に上がりたてやからとか一人暮らしの経験がないゆうても、それで十全に一人暮らしが出来んならおかしい環境におるだろうことを考えてや」
「・・・え?」
だが続いた二つ目の理由についてだが、その中身を聞いて蘭もだが園子もどういったことか分からないといった様子だった為に、冴島は二人に真剣な眼差しを向ける。
「・・・俺も教師として生きてきて十五年以上の時間を過ごしてきたが、その中で俺はかつて担当した生徒と顔を合わせて話すことはようあることやった。そしてその中で家を出て一人暮らしをするようにしたもんの話を聞くこともようあったが、よう遊んだゆうもんもおれば大学に入ってからやとか社会に出てからの一人暮らしの辛さとかに、苦しんだっちゅうもんも少なくはなかった。今まで家にいて家事やら何やらをやらずに小遣いとかをもらって楽しくやれとったのに、そういった一人暮らしになって家事も全部せなならんし小遣いが欲しくても金が欲しいんなら家からの送金を頼るか、自分でバイトなりして稼ぐかみたいな事をせえへんとならんから色々と大変やった・・・みたいな話はよう聞いてきたんや」
「・・・確かに苦学生だとかのエピソードは私達も時々聞いたりはしますけど、それが一体新一とどう関係があるんですか?」
「俺は工藤の父親とは話したことはないが、藤峰の性格についてはある程度知っとる上で入学式の時に話したから、あいつの性格はそこまで昔と変わっとらんと認識したのに加えて、そんな藤峰と上手く付き合えとるらしい父親のことも併せて言わせてもらうが・・・今言ったような苦学生だったり社会に出たもんの話に関してはあまり金がなかったり一般家庭だったりのもんの話になるが、工藤に関しては藤峰達がしゃあないみたいに言いながら大学生が必死に時間作って稼いだバイト代どころか、下手な勤め人の月収すら凌駕した金を月に平気でポンと渡すような事をするやろうなという予測が出来るんや。工藤にこれだけしか今月渡さんから家計の調整をしながらちゃんと節約して暮らせみたいな事は一切言わんとな」
「あっ・・・確かに優作のおじ様もそうだけど特に有希子おば様の性格を考えると、そうなりそうとしか思えないかも・・・」
「っ・・・!」
そのまま自分の教師生活でのかつての生徒との交流についてどういうことがあったかを語り、蘭はどうその中身が新一に関係があるのかと聞くが・・・そんなかつての生徒達と対比して新一に大金を有希子達が平然と渡す光景が目に浮かぶと返した冴島に、園子もハッとした上で納得出来るというように言うと共に蘭も否定出来ないというように息を呑んだ。






・・・新一の父親である優作は日本でもそうだが日本以外の国でも名を馳せた上で、いくつもの連載を抱えている世界でも有数に数えられる程の売れっ子の小説家であり、その収入は小説だけでも相当な物だが小説のドラマ化に映画化だったり小説のグッズの権利を持っている事から、今まで稼いできた総額に関してはどう少なく見た所で何億という単位は確実であって、下手をすれば十億という大台にまで達成していても不思議ではないくらいに稼いでいると見られている。

だからこそというか、優作達工藤一家は両親が日本を離れてアメリカで暮らして新一は日本で一人で暮らすという、とても一般家庭はおろかある程度裕福な家庭でも到底出来ないような金食い虫な決断をするに至った。色々普通に見れば大金を使うのは明らかであるのに、そんなことはお構い無しにとだ。

そしてそんな優作達であるからこそ日本で暮らす新一に対して、生活の為の金を渋るといった行動はまず取らないだろうと冴島は見たのである。新一なら一人暮らしが出来ると見たのもあってだ。









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