正しいから許されると誰が決めた?
「そ、そんなに固いことを言わないでくれよおばさん・・・ちょっと見舞いに行くくらいだろ?」
「ちょっとの見舞いにどれだけの準備が向こうに必要か分かっていて言っているの、新一君?有名人がしばらく都合の悪い波を避けるために入れるような所が悪いと言うわけではないけれど、私の紹介した病院はそういった所とは出来る限り無縁のクリーンな運営の所よ。そしてそういった隔離病棟の患者さんは人前に出ることはおろか、誰にも会わせられるような状態にない程の人がいることも十分に有り得るわ。勿論プライバシーの問題からそういった患者さんがいるかいないかなんてことも秘密にはされてはいるけれど、そうして自分達は軽い見舞いに来ただけ・・・そういった気持ちで無理に押し通してもしそういった患者さんに出会ってしまい、取り返しのつかない事態になったら責任は取れないどころか下手をすれば犯罪者としての汚名を貴方は被ることになるのよ。病院との決まりを破って勝手に一般人が入ってはならない病棟だと分かって入り、その挙げ句に人に重大な被害を与えてしまった男・・・そんな風に言われる形でよ」
「っ!?」
ただすぐに新一はフォローと共に気楽に行こうといったような声を上げかけるが、英理が最悪のパターンを口にした事によりたまらずひきつったように息を呑んだ・・・探偵として罪や謎を明らかにする立場にいるという自負のある新一からすれば、自分がその罪を背負い探偵でなくなるなどという事態などとても望まれる事態ではなかった為に。
「それにあの人も単に知名度からその病棟に入った訳ではなく、症状の事も考えた上でそこに入る方がいいとの先生のお墨付きが出たの。だから単に私のツテがあったからそこに入れた訳ではなく、あの人自身の容態も良くなかったから隔離病棟への入院を認めてもらったのよ・・・そういうことだから貴女達からすれば見舞いに行けないことはスッキリしないでしょうし、探偵事務所の事を直接話せないのは嫌な気持ちになるかもしれないけれどあの人にはちゃんと静かな環境で療養してもらう必要があるの。だから蘭、貴女には探偵事務所の事は仕方無い事だって思ってもらった上で、あそこに置いてある荷物をまとめてもらって私の元で暮らしてもらうわよ。いいわね?」
「・・・分かった・・・」
そして小五郎自身の体調も決していいものではないと言った上で出した結論に納得してもらわねばならないと言う英理に、蘭も反論を返せずに力を無くして頷くしか出来なかった。
「さて、新一君・・・こうして久しぶりに顔を合わせた訳だけれど、もう蘭の付き添いもいいでしょう?私はまだ仕事があるから、蘭と一緒にここを出てもらえるとありがたいわ」
「っ・・・分かりました、それじゃあ失礼します・・・」
そしてこれで話は終わりとシャットアウトする流れを有無を言わさず口にする英理に、新一も頷かざるを得なかった。色々言われてしまったことにより、もう下手な思い付きによる発言が出来ない程に落ち込んでしまい・・・
・・・それで英理の元を出て新一達が向かった先は荷物のまとめが必要な探偵事務所の方ではなく、新一の家である工藤家の方であった。
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「ちょっとの見舞いにどれだけの準備が向こうに必要か分かっていて言っているの、新一君?有名人がしばらく都合の悪い波を避けるために入れるような所が悪いと言うわけではないけれど、私の紹介した病院はそういった所とは出来る限り無縁のクリーンな運営の所よ。そしてそういった隔離病棟の患者さんは人前に出ることはおろか、誰にも会わせられるような状態にない程の人がいることも十分に有り得るわ。勿論プライバシーの問題からそういった患者さんがいるかいないかなんてことも秘密にはされてはいるけれど、そうして自分達は軽い見舞いに来ただけ・・・そういった気持ちで無理に押し通してもしそういった患者さんに出会ってしまい、取り返しのつかない事態になったら責任は取れないどころか下手をすれば犯罪者としての汚名を貴方は被ることになるのよ。病院との決まりを破って勝手に一般人が入ってはならない病棟だと分かって入り、その挙げ句に人に重大な被害を与えてしまった男・・・そんな風に言われる形でよ」
「っ!?」
ただすぐに新一はフォローと共に気楽に行こうといったような声を上げかけるが、英理が最悪のパターンを口にした事によりたまらずひきつったように息を呑んだ・・・探偵として罪や謎を明らかにする立場にいるという自負のある新一からすれば、自分がその罪を背負い探偵でなくなるなどという事態などとても望まれる事態ではなかった為に。
「それにあの人も単に知名度からその病棟に入った訳ではなく、症状の事も考えた上でそこに入る方がいいとの先生のお墨付きが出たの。だから単に私のツテがあったからそこに入れた訳ではなく、あの人自身の容態も良くなかったから隔離病棟への入院を認めてもらったのよ・・・そういうことだから貴女達からすれば見舞いに行けないことはスッキリしないでしょうし、探偵事務所の事を直接話せないのは嫌な気持ちになるかもしれないけれどあの人にはちゃんと静かな環境で療養してもらう必要があるの。だから蘭、貴女には探偵事務所の事は仕方無い事だって思ってもらった上で、あそこに置いてある荷物をまとめてもらって私の元で暮らしてもらうわよ。いいわね?」
「・・・分かった・・・」
そして小五郎自身の体調も決していいものではないと言った上で出した結論に納得してもらわねばならないと言う英理に、蘭も反論を返せずに力を無くして頷くしか出来なかった。
「さて、新一君・・・こうして久しぶりに顔を合わせた訳だけれど、もう蘭の付き添いもいいでしょう?私はまだ仕事があるから、蘭と一緒にここを出てもらえるとありがたいわ」
「っ・・・分かりました、それじゃあ失礼します・・・」
そしてこれで話は終わりとシャットアウトする流れを有無を言わさず口にする英理に、新一も頷かざるを得なかった。色々言われてしまったことにより、もう下手な思い付きによる発言が出来ない程に落ち込んでしまい・・・
・・・それで英理の元を出て新一達が向かった先は荷物のまとめが必要な探偵事務所の方ではなく、新一の家である工藤家の方であった。
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