近くに見えた物と遠くから見た物の差 後編

そして赤井の心をへし折る為に使う材料が何かと言えば、自分達の血の繋がりについてだった。ただこれに関しては赤井がその事実を知っていたならという可能性も無いとは言えなかったが、その可能性は低かっただろうという予測もついていた。何故なら赤井の性格を考えたなら自分達が親戚関係であることを明かした上で、協力してくれと申し出ただろうことはまず間違いなかっただろうからだ。

これは赤井が新一と歩みを揃えて仲良く行動していることから明美が考えたことだが、赤井は使える物と見たなら使うことに躊躇うようなことをせず使うクセがあると見たからだ。ただそれはあくまでも協力関係だというように新一の手前もあって一応は言うかもしれないが、それでも新一が能力的にも立場的にも使えないような人物だったら赤井が協力関係を結ぶことなど選ばなかっただろうことは容易に明美には想像がついた。その時はお得意の回る口をもって適当な言い回しと共に新一を突き放していただろうと。

そんな赤井の性分を知っているからこそ明美は自分達の関係について知らなかったのだろうと見ると共に、そもそもとして親戚関係だと知っていたなら赤井は恋人関係になるなんて事を選びはしなかっただろうとも考えた。それこそ血の繋がりという名のハードルは言葉だけ大層に飾った所で簡単に乗り越えられる程低くないということもだが、自分は悪くないと示す為に論理的な逃げ口を見出す赤井がそんな血縁関係を知ったなら、そんなことをやるのは望ましくないと逃げるだろうということからだ。

・・・故に先に承太郎達に話を通して効果的だというお墨付きをもらった上で、志保に先程の会合でのような事を言ってもらうようにした訳である。承太郎達にも後押しをしてもらう形で自分達にかなり近い所で血の繋がりがあるのではないかということを先制パンチとして繰り出し、思わず面食らって視界が定まらない所に情に訴えかける物と現実的な視点も交えた話を畳み掛ける事により、赤井に反論の余地を見せることをさせずに収めようと。

ただこれに関しては前提として赤井が知っていたか知らなかったかをハッキリさせることが重要であって、もし知っていて平然とした顔をしてきた場合が厄介になる可能性も大いに有り得た。そうだとしたなら赤井はそれまでのようにどころか、より一層に平然と志保の事についてを保護という名の実質的な軟禁に監視下に置く為に動く可能性が高かった為に。

しかし現実はそうではなく赤井は事実を知らずにいたことからあれだけ動揺をしてしまった。実は明美や志保は親戚だったという衝撃の事実でいて蒼天の霹靂な事態を前にした事で、得意の口を回すなんて事は一切出来ないくらいに余裕を無くしてしまう形でだ。そしてそれが確認出来た事で志保が自分自身もだが明美の分も含めて血の繋がりがいかに重いと考えているのかと言った上で、それを動揺覚めやらぬ赤井にすかさず突き付けたことや承太郎達のダメ押しも加わったことにより、ろくに言い訳もさせずに赤井を黙らせて終わらせることが出来たというわけである・・・









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