近くに見えた物と遠くから見た物の差 後編

「ただまぁなんというか赤井があんな風に顔色を悪くして返す言葉もなくなるまでになるとは俺も思っちゃいなかったが、本当に明美さんの言った通りだったな」
「あぁ、私も隠しカメラから様子を見ていたがあの男のあんな様子を見れるとは思っていなかったよ」
「言ったでしょう。あの人は都合の悪いことだったり本来重く受け止めるようなことに関して、自分の中で論理を作って逃げ道を見出すことに長けてて自分が悪いわけじゃないって思うことを続けてきたから、ずっと涼しい顔でいられてただけだって。だから私は志保にさっきのようにしてほしいって頼んだの・・・もし私達が親戚関係だと知らなかったら彼からしたら決して口先だけの理屈じゃ覆せないまさかの事実になるだろうから、そうだって確認出来たらそこから突き崩していけば彼自身も思わざるを得ない事実を前にしているから、志保が相手だっていうのもあって涼しい顔なんて出来ずにこれが正論だなんて言葉を吐けなくなるだろうってね」
そんな会話からスコッチは先程の赤井がやり込められた事についてをピスコと共に明美の予想通りだったと賞賛するが、明美自身は予想がついていたことであってだから志保にあぁいうようにしてほしいと頼んだと返す。






・・・赤井という人物と知り合い恋人関係として付き合っていた時間に加え、赤井が志保に対して取ってきた行動から明美は改めて赤井についてを考えていった。そしてそれらからどういった結論を出したのかと言えば、赤井は自分が良くない立場にいるだとか行動を取っていると考える事より、自分の中の結論が最善なのだからそれを相手に理解させるべきと今まで考えながら生きてきたのだというものであった。

現に赤井と付き合っている最中も意見の対立が起こった時に赤井が自分から折れたことは無く、弁論で立ち向かってくることばかりであった。言いたいことは分かるが自分はこうだと思っているし、こうしたいというように動くというよう。

だから付き合っている最中は余程差し迫った事ではないのなら赤井らしいというように苦笑気味に思う形で明美は終わらせてきたのだが、志保の周囲を盗聴するなんて手段を平然と使った事を知った時に赤井という人間がそういった存在だったと思い出すと共に・・・志保という最愛の妹にそんなことをしたからこそ、実は血縁関係だと知ったからこそというようなマイナス点は抜きにしても、一気にかつて抱いた好意は急降下して失われてしまったのである。いくらなんでもこれは見過ごせる物ではないと。

そしてそういったように考えたからこそ志保が赤井や新一から離れたいといった事に関してはまだ良しとしたものの、そんな監視生活と承知の上で何も知らないフリをしてきたその心労を考えると明美はいたたまれない気持ちにならざるを得なかった。知らせなかったら自分達の事をふと漏らすかもしれなかったと考えると伝えるしかなかったが、知ったからこその苦悩がいかほどな物かは想像に難くなかった為に。

だから様々な機関への根回しだとか組織の情報を把握したから組織の壊滅に乗り出すと承太郎達から口にされた時は、流石に志保ももう嫌になっているだろうがそれでも新一や赤井達の所にいると決めたなんてことになったら、明美は力を入れてもうあいつらから離れろと説得する予定でいた上で承太郎やイルーゾォにも事前に話をしていたが・・・志保がもう離れたいと言ったことに安心すると共に新一は承太郎達に任せて、志保に頼む形になるが赤井を諦めさせるように心をへし折ろうと決めたのである。赤井が得意とする逃げ道をいくらでも立てられる弁論など使えない舞台に引きずり込み、そして志保から引き剥がしてやろうと。









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