正しいから許されると誰が決めた?
「・・・お前は賛成だってのか?ここが無くなるって事に・・・」
だが新一も圧されるままではなく心を奮い立たせるように平然と振る舞いながら、賛成なのかと聞く・・・実際の所はこの探偵事務所と居住スペースに長いこと居候していて愛着も少なからず出ていた新一からすれば、小五郎と蘭の家に事務所が思い出と共に無くなることは避けたいという個人的な考えもあったために。
「君がそう言うのは勝手ですが、父さんは何かしらの収入源が無ければ入院費を払えないんですよ?長期入院するにあたり費用はどうしてもかかりますが、今の容態の父さんは長い間働けないために費用を安定して支払うための財源は、今のところこの階下のポアロの貸し出し料金くらいしかありません。ただここで母さんもそう言うことなら自分が入院費を払うというように父さんと話をしたのですが、これから蘭を引き取ってもらう母さんにこれ以上負担にならないようにする上で、自分の稼ぎでどうにか支払うようにするにはそれしかないと言っていました・・・確かにここが無くなる事に関して思うところが全くないかと言われれば否定は出来ませんが、ここを維持したいという気持ちだけでは色々とどうしようもないのもまた事実なんですよ」
「っ・・・!」
だが頼人が動揺することもなく淡々と口にしていった言葉の数々に、新一は反論出来ずに苦い表情を浮かべた。先立つ物がどうしても必要な小五郎にとって、金や体調より気持ちを取れなどと流石に他人の新一が言えるはずもない為に。
「それにさっき言いましたが、それでもこの居住スペースだけでも残して住みたいというのも望まれることではありません。もしここに蘭と・・・居候のコナンという名の子どもと二人で暮らしたいと言うにしても、保護者がいない状況で二人で暮らせなどと言えるものではありません。ただそのコナンという子どももいるなら母さんの所に行くようにと言うつもりではありましたが、いないというのでしたら君からでもその子どもにそう伝えてください。父さんが入院する以上、母さんの所に蘭と行ってくれと」
「コ、コナンはもう両親が迎えに来て帰っていったから、その必要はないが・・・」
「そうですか。ですがそうなるなら未成年が一人この居住スペースに住む場合、尚更に危険になります。女子高校生の一人暮らしなど、とても安全だと言えません。蘭には空手があるなどというのは手段にこだわりのない犯罪者に狙われてしまえばそれこそ役に立たない可能性が高く、安穏としていた事もあいまり何かあった時に目も当てられない事態になります。そう考えれば母さんの所に行くのが一番妥当ですし、父さんの入院費にここを借りた分のお金があてられるのならその方がいいでしょう」
「っ・・・」
更にここに未成年者であり女性である蘭の事を主とした安全の事も持ち出す頼人に、新一はまたもや言葉を返せなかった。蘭が空手を使えずに危険な目にあった時があった事を思い出さざるを得なくなり、決して蘭なら安全だと言えないと考えてしまい。
「さて、ここまで聞いてまだ何か不満があるのでしたら蘭と一緒に母さんの所にでも行って直接話してください。あくまで僕は父さんと母さんの決定に納得した上で従いここにいる身ですから、無理を通したいのなら決定権のない僕にではなく母さんに言うべきですよ」
「っ・・・分かった・・・」
そしてそれでも異議を唱えたいなら母に言えという頼人に、新一も力なくうなだれて返した。結局ろくに反論出来なかったこともそうだが、頼人にぐうの音も出ないほどに叩きのめされるという事実もあって・・・
・・・それで蘭が居住スペースに戻ってきて電話越しじゃラチがあかないからということで、二人は頼人に挨拶をした後に英理の元に向かった・・・その後に頼人が何をしたのか、その事に気付かぬままに・・・
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だが新一も圧されるままではなく心を奮い立たせるように平然と振る舞いながら、賛成なのかと聞く・・・実際の所はこの探偵事務所と居住スペースに長いこと居候していて愛着も少なからず出ていた新一からすれば、小五郎と蘭の家に事務所が思い出と共に無くなることは避けたいという個人的な考えもあったために。
「君がそう言うのは勝手ですが、父さんは何かしらの収入源が無ければ入院費を払えないんですよ?長期入院するにあたり費用はどうしてもかかりますが、今の容態の父さんは長い間働けないために費用を安定して支払うための財源は、今のところこの階下のポアロの貸し出し料金くらいしかありません。ただここで母さんもそう言うことなら自分が入院費を払うというように父さんと話をしたのですが、これから蘭を引き取ってもらう母さんにこれ以上負担にならないようにする上で、自分の稼ぎでどうにか支払うようにするにはそれしかないと言っていました・・・確かにここが無くなる事に関して思うところが全くないかと言われれば否定は出来ませんが、ここを維持したいという気持ちだけでは色々とどうしようもないのもまた事実なんですよ」
「っ・・・!」
だが頼人が動揺することもなく淡々と口にしていった言葉の数々に、新一は反論出来ずに苦い表情を浮かべた。先立つ物がどうしても必要な小五郎にとって、金や体調より気持ちを取れなどと流石に他人の新一が言えるはずもない為に。
「それにさっき言いましたが、それでもこの居住スペースだけでも残して住みたいというのも望まれることではありません。もしここに蘭と・・・居候のコナンという名の子どもと二人で暮らしたいと言うにしても、保護者がいない状況で二人で暮らせなどと言えるものではありません。ただそのコナンという子どももいるなら母さんの所に行くようにと言うつもりではありましたが、いないというのでしたら君からでもその子どもにそう伝えてください。父さんが入院する以上、母さんの所に蘭と行ってくれと」
「コ、コナンはもう両親が迎えに来て帰っていったから、その必要はないが・・・」
「そうですか。ですがそうなるなら未成年が一人この居住スペースに住む場合、尚更に危険になります。女子高校生の一人暮らしなど、とても安全だと言えません。蘭には空手があるなどというのは手段にこだわりのない犯罪者に狙われてしまえばそれこそ役に立たない可能性が高く、安穏としていた事もあいまり何かあった時に目も当てられない事態になります。そう考えれば母さんの所に行くのが一番妥当ですし、父さんの入院費にここを借りた分のお金があてられるのならその方がいいでしょう」
「っ・・・」
更にここに未成年者であり女性である蘭の事を主とした安全の事も持ち出す頼人に、新一はまたもや言葉を返せなかった。蘭が空手を使えずに危険な目にあった時があった事を思い出さざるを得なくなり、決して蘭なら安全だと言えないと考えてしまい。
「さて、ここまで聞いてまだ何か不満があるのでしたら蘭と一緒に母さんの所にでも行って直接話してください。あくまで僕は父さんと母さんの決定に納得した上で従いここにいる身ですから、無理を通したいのなら決定権のない僕にではなく母さんに言うべきですよ」
「っ・・・分かった・・・」
そしてそれでも異議を唱えたいなら母に言えという頼人に、新一も力なくうなだれて返した。結局ろくに反論出来なかったこともそうだが、頼人にぐうの音も出ないほどに叩きのめされるという事実もあって・・・
・・・それで蘭が居住スペースに戻ってきて電話越しじゃラチがあかないからということで、二人は頼人に挨拶をした後に英理の元に向かった・・・その後に頼人が何をしたのか、その事に気付かぬままに・・・
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