近くに見えた物と遠くから見た物の差 後編

「じゃあどうする?行き先が決まってないならスピードワゴン財団に来るか?」
「えぇ、そうね。貴方達がいいのならそうさせてもらおうかしら」
「待て」
承太郎はそれなら来るかと誘う言葉を向けると志保はすぐに頷いて返した・・・だがそこに赤井の制止の声がかかる。
「・・・何かしら?」
「阿笠博士の元にいるのが望ましくないという理由は分かった。ならば君についてはFBIが保護する事にする」
「はぁ?何で貴方がそんなことを決定させるのよ。別に私はFBIというか貴方に指図されるいわれはないわ」
「なら何故今スピードワゴン財団に来るかという誘いに乗った?」
「強制じゃなかったからよ。空条さんは断られる事も考慮しているといったような言い方をしていたわ。けれど貴方は何?まるで貴方の言う通りに私がしないといけないと言わんばかりの態度・・・ハッキリ言って気に入らないわ。さっき言ったようにここに来る時にだってほぼ事後承諾のような形で連れてきたのに、それで私が空条さんの言葉に従うことが間違いで自分の言うことに従うのが正しいみたいな言い方・・・!」
志保はそんな赤井に何かと聞くものの既に決定させた事だと言わんばかりの態度に反論していき、次第に怒りが我慢出来ていないというような様子を浮かべていって赤井を睨みつける。
「落ち着いてください。赤井がこうも貴女にこだわるのは貴女のお姉さんの事があるからなんですよ」
「・・・お姉ちゃんと?」
「えぇ。赤井の事は組織内でも結構有名な事でしたからね。宮野明美と付き合っていた上で赤井がスパイと分かったことについてはコードネーム持ちの間では話題になっていましたから、宮野という苗字をFBI経由で聞いたことや今の態度から貴女の事についてを赤井は意識していると僕は見ました。と言ってもどういう意味で意識しているかまでは分かりませんがね」
「どういう意味でって・・・」
「一応はスパイだとバレるまでは人間関係は良好とは言わないものの、それまでは組織の人間として潜り込めていましたからね。ですがそれが駄目になったことを考えれば、赤井が宮野明美もそうですがその妹である貴女にも良からぬ気持ち・・・言うなら逆恨みのような物から貴女を保護という形を取り、良からぬ事をしでかす可能性も有り得るのではということです」
「っ、そんなことはしない!むしろ俺は明美の妹である志保だけでも守りたいと思って保護をしたいだけだ!」
「・・・赤井さん・・・」
そんな志保をなだめつつも降谷が明美の事についてを話していって次第に赤井の目的が志保にとって危険な物ではと話していくと、流石にまずいと感じたのか滅多にない形で表情を厳しくして声を荒げ否定をする赤井の姿に、新一も複雑な表情を浮かべた。明美の最期を看取った事を思い出すと共に、赤井の本当の気持ちを知ったことにより。
「・・・その様子からしてお姉ちゃんに対する気持ちが強いというのは確かではあるでしょうね。ただそんな気持ちがあると知った上でというより、知ったからこそ言わせてもらうわ・・・貴方がそうしたいっていうだけで私の気持ちなんか一切考えてない自己満足を私に押し付けてるだけじゃない。私自身がこうしたいって思っている事なんか考えるつもりなんかないって風にね」
「なっ・・・!?」
だがそんな新一とは対照的に志保は冷めた様子でそんな赤井に対して感じた事を口にし、新一もだがジョディ達FBIの面々も絶句してしまった。赤井の熱量により志保の気持ちがより一層離れるということを前にして。









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