近くに見えた物と遠くから見た物の差 後編

「ボウヤ達の事については俺も敢えて正体は何なのかとはハッキリとは口にすることなくこれまで進めてきて、ジョディ達も敢えてボウヤの素性についてを言葉にすることはなく阿吽の呼吸といったようにやることは出来た。だが今回の各機関の事に関しては何処にも所属していないボウヤがいきなり自分も参戦したいだなどと言い出しても、どういうことだと言われるならまだしも何も自分のことについて言わないのなら参戦など認められないとなるのがオチだ。そして各機関の上層部が共同体制を取ると揃って決めた辺りでスピードワゴン財団がそうしてもいいと言える材料を揃えてきた事・・・つまりは組織の壊滅に繋がるだけの重大な情報だということは容易に予想が出来る。だからここでボウヤが自分の正体もだがその経緯も明かすことは選ばず、組織は潰れないだろうから次にどうにかするとでも安穏と考えるようなことをしたら組織は人知れず壊滅していた・・・といった事態は十分に有り得るだろうな」
「分かっているよ・・・もう俺の手で奴らを捕まえたいってこだわってられる状態じゃないってことは・・・!」
赤井はそんな新一が内心で思い感じているであろう事についてと事態の進み方次第では有り得る事についてを口にしていき、新一もまた言わずとも分かると溢れる気持ちを我慢しながら返す。
「分かっているのなら俺から上層部にはボウヤ達についても同席するように頼むようにするが、俺からボウヤ達の事情もだがその正体を説明するが構わんな?」
「あぁ、いいよ・・・じゃないと俺に灰原は元に戻れないんなら、もう俺は工藤新一だって伝えてもらっても・・・!」
「分かった、俺からボウヤ達の出席については伝えよう」
そうして赤井はならと正体を明かせるかと問うと、もうヤケになったとばかりに言ってもいいと新一から名前を返された事に頷いた。聞くことは聞けたから後はやることはやると。


















・・・そうして赤井は自分に新一の事についてをFBIの上層部に連絡して話したものの、それらの件に関してはジョディ達共々にかなりのお叱りを受けることになった。百歩譲って自分が死んだと誤魔化す事は組織を追うのに必要な事だったとしても、そこでやってきた様々な事は独断専行にも程があるということだと。

その中でも一番の問題はやはりというか新一の事についてだった。一応というか正体はこうではないかという予想は早い段階からしてはいたが、雰囲気的な物からそれを言わずにナアナアな感じで行っても問題ないと判断し、それで協力して事を進めていったことはいかに組織の事についてを一任していたとは言え、組織に巻き込まれた被害者とその両親なんて一般人と手を組み組織を追う・・・というのはいくらなんでも自己判断による勝手が過ぎた上で、様々なもしもの事を考えてなさすぎると。

それらの怒りの指摘の言葉に赤井もジョディ達もしばらくは身を縮こまらせる以外になかったが、それでも時間が進んでからは新一達が組織による犠牲者であることもそうだが、その薬により小さくなった者が他にいた上で薬のデータが他の機関に摘発され、もう二度と復活出来ないなんて状況になってしまったら新一達もそうだが他の者からの批難により組織の事が表沙汰になる可能性もあるから、新一達の事については他の機関とも情報をすり合わせをするために参加させるべきだ・・・と赤井が常になく根気を持って説得したことで上層部も話は通しておくと頷いたのである。

そんな赤井のらしからぬ行動にジョディ達もそれだけ新一達の事を想っていたのかと感じたのだが、赤井には新一に対する想いも無いとは言わなかったがハッキリと志保に対する想いが強かったから、そこまで行動したのである。志保は明美の忘れ形見のような存在なんだからここで見捨てる訳にはいかないという気持ちから・・・



















・・・そうして新一と志保も場に同席してもらうことが決まり、少ししてスピードワゴン財団が指定した建物の一室に各機関の代表が集まる事になった。尚、流石に入口までは『沖矢昴』のマスクはつけるがその中に入る時はマスクを取り、赤井秀一として入室した。一応因縁のある相手である降谷の存在もあったが、それでも今回は各機関で協力して組織の壊滅に向き合うことからそれを反故される可能性は相当低いということからだ。









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