近くに見えた物と遠くから見た物の差 前編

「えぇ。それにあの人の姿を実際に見れたことで分かったの。お姉ちゃんが私をあの人は保護する為に動くだろうって言ったことは確かだろうけど、あの人は自分のやることは間違ってないって今の私を監視下に置いてるような事を平然と押し付けてきそうだっていうのも予想がつくのよ・・・沖矢昴としての顔でも見てきたけど、そのマスクの下の顔を出したとしても決して自分は間違っていないんだって風に、平然としながら涼しげで私の訴えの声だったりには何も感じないってように自分の言うことに従えってね・・・!」
「だろうなァ〜。アレは自分の持つ力やら立場やらを自分の思うもんの為に躊躇わず利用してきたのは俺にも分かるぜ。そしてそれがまかり通るような立場にいて力もあるもんだから、誰かに咎められる事もそうそうなかったことを考えりゃ、自分がやることは間違っていないってな」
しかし志保はまだ抑えがきかないと赤井に対して感じた事を続けて口にしていき、イルーゾォも自分の感じた事を口にする形で志保の考えと同じと言葉にする。






・・・今現在の赤井は組織とのいざこざから変装用のマスクを常に身につけ、『沖矢昴』という名の人物へと表向きは過ごしていて、その赤井は予想外のトラブルから新一の誘いを受けて今は誰も住んでいない工藤家を使う形で一人暮らしているのだが・・・そこで赤井が阿笠邸を盗聴している動きを察知したのがイルーゾォ達であって、すぐに志保に話をしに行ったのである。

それで実際に鏡の中の世界から家の中であるのに変装を解かないこともだが、顔色一つ変えずにイヤホンをして阿笠邸を見張るその様子に志保は正体を知っているからこそ嫌悪感を一気に募らせた。事前に明美やイルーゾォから赤井の事については聞いていたが、自分達と親戚だと知ってか知らずかはともかく明美の妹ということでプライベートもクソもない形での見張りを行ってきていることに。

だがそれでも表向きはまだスピードワゴン財団が動くにはもう少し時間がかかるということから、志保も何とか我慢するというようにするとなったのであるが・・・そこから先の生活で赤井が関わってくる時間は志保にとっては苦痛以外の何物でもなかった。新一は沖矢昴が赤井だと知っていて自分達に危害を加えないどころか、志保を守る味方というように思っていから時間が空いていて志保と一緒にいるように出来る時は誘いをよくかけるが、その中で赤井が志保に事あるごとに視線を向けてくることにやめてと本気で言いたくなったことなど両手の指では足りないくらいに思ってきたために。

だがそれでも皮肉げな言葉だったりをせめてと向けるくらいはあったが、それでもそう言わなかったのはまだ表で暮らす事についてを完全に捨てていいものかと思っていたからなのだが、もう赤井に監視をされる生活で一気にそれはいいという気持ちになったのである。赤井ともそうだが、新一の事もあったが為に・・・






「・・・まぁアンタの気持ちは俺も分からねぇ訳じゃねぇが、赤井についてはともかく工藤についてももういいのか?」
「えぇ、もういいわ。というよりあの人もだけど工藤君とも関係を綺麗に終わらせないと、絶対に以降も私が彼の尻拭いをしないといけなくなるのは目に見えているもの。特に彼が毛利さんにもうバレかけた時に事実を明かそうとした時のようにね・・・」
そんな二人の場になりかけていた所に承太郎が改めていいかどうか確認を向けると、迷う様子もなく返しはしたが次第に疲れを感じているといったように志保は漏らしていった。










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