近くに見えた物と遠くから見た物の差 前編
「でも貴女まで私のようにするかどうかは強制はしないわ。帝丹小学校での生活で貴女が普通の子達と仲良く過ごしているといった様子を聞いていたのもあるし、表の世界で存分に生きていくようにしてほしいって選ぶのなら私にそれは止めてほしいと言える権利もないし、そうしたいならそうしてほしいと応援するから」
「それは・・・」
「悪いがそこまでだ。そこから先はこれからの生活でどうしたいかをアンタ自身でちゃんと時間をかけて考えて結論を出してからにしてくれ。まだしばらくは組織を壊滅させる準備に時間がかかるから、その間はゆっくり考える時間だと思ってな」
「っ・・・分かったわ・・・」
それで明美は志保の選択を自分は強要しないと言ってすぐに反論しようとしたが、承太郎が後は志保自身が考える時間を取れと割って入ったことに不服そうながらも頷くしかなかった。志保としては明美との時間を失いたくはないと思いつつも、このままでは話は平行線になりかねないと自身で感じた為に・・・
・・・そうして内密に志保と話すことに成功してから、しばらくの時間が経つのだが・・・
「・・・もういいわ。工藤君と一緒にいることもそうだけど、あの赤井って人と組織の事が終わっても顔を合わせる可能性がある生活をするのは真っ平よ。そんなことをするくらいなら私もお姉ちゃんと一緒にスピードワゴン財団の一員として働くわ」
「・・・気が立ってるな。まぁ気は分からんでもないが、やはりこの家を盗聴という形でアンタの行動を把握して守ろうという赤井の行動が決定打になったか」
「えぇ・・・イルーゾォが彼のやったことを教えに来てくれた事で家でも迂闊な発言が出来ないと分かったまでは良かったけれど、自分の一挙手一投足が常に彼に見張られていると感じるともう嫌で嫌で仕方ないの・・・もし組織の事が無事に終わったとしても、あの人が自分の元に来いと言ったなら同じような生活を強いてくるんじゃないかって思うとね・・・!」
「かつて好きだった相手の忘れ形見みたいな存在だからそれを守りたいとは言え、やりかねねぇことが四六時中の監視って考えりゃそりゃそんなことをする奴の元になんざ行きたかねぇよなァ〜」
・・・阿笠の家の志保にあてられた部屋の中、というには奇妙に形が違う部屋の中。
そこで目が座って苛立ちを我慢しきれないといったように言葉を口にしていく志保に、承太郎は帽子のツバを握るように顔を隠しつつ呆れたように首を横に振り、イルーゾォは同情めいたような言葉をかける。
・・・承太郎とイルーゾォの二人が志保と話しているこの状態であるが、これはイルーゾォのスタンドであるマン・イン・ザ・ミラーの能力を用いて鏡の中の世界に志保の部屋の中にあった鏡を経由して志保を入れ込んだのだ。志保がもう自分はどうするか決めたと家の外の公衆電話からかけてきた事から、なら直に会って話をしようということで変に周りに警戒されないようにと、もう阿笠がまず部屋に来ることがないだろう時間にマン・イン・ザ・ミラーで鏡の中に入れて話をするからと。
このやり方に関しては志保が言った赤井という男が仕掛けた阿笠邸の音を拾う盗聴を警戒したこともそうだが、普段あまり自分から率先して家を出ることのない志保が頻繁に外を出るというのは何故かと新一やら赤井やらから疑問を持たれるのを避けるためであった。こういう時にやたらと人の不審な行動を疑問に思い、それが何でかを解決しなければ気がすまない人物達に下手に付け入る隙を与えまいとする為だ。
故にこうして承太郎とイルーゾォは志保と内密に会話が出来ているのだが、最初イルーゾォにいきなり室内でゆっくりしている時に鏡の中に入れられた志保はかなり困惑したのだが、そこからイルーゾォにより赤井の盗聴行為を聞かされたこともだが鏡の中の世界を経由して赤井の姿を見た時、イルーゾォに対してのいきなりの行動による怒りは一気に赤井への怒りと変わったのでありむしろイルーゾォへは感謝の気持ちを抱いたのである。この状況では確かにいきなりやるしかなかったのも納得である事もだが、赤井という男の姿の本質を見れたことでだ。
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「それは・・・」
「悪いがそこまでだ。そこから先はこれからの生活でどうしたいかをアンタ自身でちゃんと時間をかけて考えて結論を出してからにしてくれ。まだしばらくは組織を壊滅させる準備に時間がかかるから、その間はゆっくり考える時間だと思ってな」
「っ・・・分かったわ・・・」
それで明美は志保の選択を自分は強要しないと言ってすぐに反論しようとしたが、承太郎が後は志保自身が考える時間を取れと割って入ったことに不服そうながらも頷くしかなかった。志保としては明美との時間を失いたくはないと思いつつも、このままでは話は平行線になりかねないと自身で感じた為に・・・
・・・そうして内密に志保と話すことに成功してから、しばらくの時間が経つのだが・・・
「・・・もういいわ。工藤君と一緒にいることもそうだけど、あの赤井って人と組織の事が終わっても顔を合わせる可能性がある生活をするのは真っ平よ。そんなことをするくらいなら私もお姉ちゃんと一緒にスピードワゴン財団の一員として働くわ」
「・・・気が立ってるな。まぁ気は分からんでもないが、やはりこの家を盗聴という形でアンタの行動を把握して守ろうという赤井の行動が決定打になったか」
「えぇ・・・イルーゾォが彼のやったことを教えに来てくれた事で家でも迂闊な発言が出来ないと分かったまでは良かったけれど、自分の一挙手一投足が常に彼に見張られていると感じるともう嫌で嫌で仕方ないの・・・もし組織の事が無事に終わったとしても、あの人が自分の元に来いと言ったなら同じような生活を強いてくるんじゃないかって思うとね・・・!」
「かつて好きだった相手の忘れ形見みたいな存在だからそれを守りたいとは言え、やりかねねぇことが四六時中の監視って考えりゃそりゃそんなことをする奴の元になんざ行きたかねぇよなァ〜」
・・・阿笠の家の志保にあてられた部屋の中、というには奇妙に形が違う部屋の中。
そこで目が座って苛立ちを我慢しきれないといったように言葉を口にしていく志保に、承太郎は帽子のツバを握るように顔を隠しつつ呆れたように首を横に振り、イルーゾォは同情めいたような言葉をかける。
・・・承太郎とイルーゾォの二人が志保と話しているこの状態であるが、これはイルーゾォのスタンドであるマン・イン・ザ・ミラーの能力を用いて鏡の中の世界に志保の部屋の中にあった鏡を経由して志保を入れ込んだのだ。志保がもう自分はどうするか決めたと家の外の公衆電話からかけてきた事から、なら直に会って話をしようということで変に周りに警戒されないようにと、もう阿笠がまず部屋に来ることがないだろう時間にマン・イン・ザ・ミラーで鏡の中に入れて話をするからと。
このやり方に関しては志保が言った赤井という男が仕掛けた阿笠邸の音を拾う盗聴を警戒したこともそうだが、普段あまり自分から率先して家を出ることのない志保が頻繁に外を出るというのは何故かと新一やら赤井やらから疑問を持たれるのを避けるためであった。こういう時にやたらと人の不審な行動を疑問に思い、それが何でかを解決しなければ気がすまない人物達に下手に付け入る隙を与えまいとする為だ。
故にこうして承太郎とイルーゾォは志保と内密に会話が出来ているのだが、最初イルーゾォにいきなり室内でゆっくりしている時に鏡の中に入れられた志保はかなり困惑したのだが、そこからイルーゾォにより赤井の盗聴行為を聞かされたこともだが鏡の中の世界を経由して赤井の姿を見た時、イルーゾォに対してのいきなりの行動による怒りは一気に赤井への怒りと変わったのでありむしろイルーゾォへは感謝の気持ちを抱いたのである。この状況では確かにいきなりやるしかなかったのも納得である事もだが、赤井という男の姿の本質を見れたことでだ。
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