「ふふ・・・驚くでしょうね、お父さん。こうして新一が戻ってくるなんて」
「それはいいけど、俺がコナンだったなんて言うなよ？おっちゃんの事だからまず信じねぇだろうし、信じたら信じたでどういうことなのか説明しなきゃなんねーんだからな」
「もう、分かってるわよ。けどコナン君はもうお母さんが迎えに来ていなくなったって言ったら、お父さんどんな顔するかな～？」
「おっちゃんの事だから清々したとか言うだろ。まぁそれも憎まれ口だろうけどよ」
・・・居住スペースの入口の前で和やかに笑いあい、会話を交わす蘭と新一・・・この二人は泊まりに行くと言った数日でとある犯罪組織を潰しに行く最終作戦に参加し、無事にその作戦を終えて戻ってきたのだ。その際にその組織の手の者により体を小さくされた新一は体を元に戻す為に必要なデータを取得して体を元に戻し、蘭は元に戻った新一と晴れて本当の恋人となって二人無事に帰還を果たしたのだ。組織壊滅の後片付けの為に数日使った後に。
「ただいま～！」
そんな蘭は晴れて恋人となった新一を引き連れ、自分の家の扉を開いた。これ以上ない晴れやかな笑みで。
「・・・おや、帰ってきたんですか蘭」
「えっ！？ら、頼人！？帰ってきてたの！？」
「頼人・・・？」
だがそうして家の中に入っていたのは小五郎ではなく、目に深いクマがありボサボサ頭のロングの白シャツを着た人物・・・蘭の兄の頼人であり、思わぬ人物の出迎えに蘭は驚き新一は訝しむような視線を向ける。
「あぁ、君は新一君ですか・・・お久しぶりですね」
「あぁまぁ、久しぶりだけど・・・どうして急に帰ってきたんだよ？今アメリカで生活してるはずだろ？」
頼人はそんな新一に挨拶するが、その返答もそこそこに何故ここにいるのかと新一は問い掛ける・・・アメリカの大学に飛び級で合格し、現在向こうで暮らしていて日本にはいないはずだと。
「・・・母さんからの連絡は受けてないんですか、蘭？」
「えっ！？・・・あっ、ちょっと携帯の電源切ってたの忘れてた・・・」
「っ・・・」
だが逆に頼人が不思議そうに蘭に声をかけるが、自身の携帯を慌てて取り出し電源が切られてた事に気付き新一もまたハッとした・・・組織を潰しに行くと決めてから変な時に連絡が来ては困るからと、電話に関しては電源を切っていたことを思い出したために。
「・・・なら僕から説明しますが、簡単に言うと父さんが長期入院が必要だって母さんからの連絡を受けたから帰ってきたんですよ。大学に関しても特に問題はありませんからね」
「えっ！？お父さんが長期入院！？何があったの！？」
その姿に仕方無いと自分から説明するという頼人だが、小五郎が入院との事実に蘭は驚きのままに理由を慌てて聞く。
「僕も詳しく母さんから聞いた訳ではありませんが、蘭達が旅行に行った後に父さんが体調が悪くなって病院に行ったら長期入院が必要な診断が下されたとのことです。そこで貴女と僕に連絡したそうですが、貴女は返事が無くて僕が返事を返した上で日本に戻る事にしたんです。それで母さんの所に行ったら、もう父さんは入院させたと言っていました」
「そんな・・・お父さんの病気って何なの・・・？」
「詳しくは聞いていませんが、原因は判明していないようです。どうやら父さん本人にも自覚というか理由は分からないそうで・・・ただこのままでは命にも関わるとの事らしく、しばらくは治療の為に帰れないとの事です」
「そんなぁ・・・」
頼人はその説明を淡々といったようにしていき、肝心の病気については分からないとしつつもかなり重症という様子に蘭は悲痛な表情を浮かべた。そんなことが父親の身に起きていたと今になって知った事に。









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