近くに見えた物と遠くから見た物の差 前編

「驚く気持ちは分かるわ。でも気持ちを落ち着けて私達の話を聞いて。こうして私や彼が生きているのは承太郎さん達のおかげだということについてを」
「っ・・・分かったわ・・・」
だが明美がすぐに落ち着くようにと承太郎に視線を向けながら話していったことに、志保も何か言いたげながらも頷くしかなかった。事情を話してくれるならまずはちゃんと聞かなければならないと。




















・・・それで阿笠邸のリビングに入った四人というか、承太郎達三人は自分達がどういった関係なのかについてを話していった。ただ最初こそは嘘だとか信じられないといったように言っていた志保だったが、承太郎がスタープラチナを見えるようにしたことで話を次第に信じるようになっていった。



「・・・というわけで今回は貴女に話をしに来たの。色々とあり過ぎたことから一度貴女と話をしておいた方がいいと承太郎さんが判断したことからね」
「・・・そう考えたこと自体はありがたいとは思うわ。確かにこの前の事は色々あり過ぎたというのは確かだと思ったし、何よりこうしてお姉ちゃんが本当は生きていてくれてたんだってことについては素直に嬉しいもの・・・でも端から見たら私達の状況が都合があまりにも良すぎるって言われてしまうと、確かに微妙な気持ちにはなるわ・・・」
・・・そうして話を一通りし終わり明美が話を締め括るのだが、志保は何とも言い難い気持ちにしかならないというように返す。言葉にしたよう嬉しい部分はあれど、そうなった大元が大元な理由なだけにと。
「そこに関してはあぁなってしまった大元である私から言われたくはないだろうが、深くは追求しないでくれ。今は取り敢えず君に話すべき部分を話しておきたい」
「話すべき部分・・・?」
「一応ジンに私から君の情報が漏れなかった上で元の体に戻っていた時に遭遇したことから、今の君の姿をジン達が見付けたとしてもそうそう君がシェリーだと勘付くことは無いだろう。だが君については一先ずはよくとも、工藤君に関しては正体がバレるかバレないか関係ないのもだが、普段の事件も含めてもあまりにも危険に身を投じすぎている事を私達は危惧しているのだ・・・彼が君を巻き込む形で死ぬだとか取り返しのつかない怪我を負うだとかの事態が起きることについてをな」
「っ!」
そんな様子にピスコが話をしたいと切り出していくのだが、新一が引き起こしかねない事の可能性を受けて志保はハッキリと息を呑んだ。自分が死ぬだとか相当な怪我が新一と共にいたら有り得るとのことに。
「ここに来る前に改めて『江戸川コナン』が姿を現してからの活動についてを調べてみたが、その中でいくつか状況が違えば彼が死んでいてもおかしくない状況があった。代表的なのはテキーラが死んだ時の事件だ」
「テキーラの事件・・・確か間違って渡されたカバンを開けて爆発して、テキーラが死んでしまった事件だったわね。そしてその時にテキーラを最後に見たのが工藤君で、ギリギリ爆発に巻き込まれない位置にいたから工藤君は助かったって聞いたけど・・・」
「そこまで聞いているなら話は早いが、当時はスピードワゴン財団もたまたま起きた事件ということから関わる事は出来ていなかったとのことだが、工藤君の性格もだがこの家の主である博士の発明品がある事を考えれば工藤君が取っていた行動の予測はつく。大方テキーラにバレない程度の距離を保ちながら発信機やら盗聴器などを仕込んで、会話を盗み聞くだとか後でテキーラの行方を追おうといったようなことをしようとしていたんだろうが・・・結果は聞いての通り勘違いからテキーラが死ぬという物だったが、今の話から分かるだろう?その時に工藤君が助かっていたのはあくまで運が良かっただけであって、一見は組織が関わっていたかのように思われたが蓋を開けてみれば取り違えから来る事故という物・・・そういったケースについても調べて分かった事から、組織が関わる関わらないに関係なく工藤君の近くにいること自体が危険ではないかと私達は感じたのだよ。それが巡り巡って君にも作用してくる可能性は十分に有り得るとね」
「・・・っ!」
更にピスコは以前のテキーラの事件を題材として挙げた上で新一だけでなく、志保も危険になりかねない可能性を感じている・・・そう続けたことに志保はたまらず冷や汗をかいた。そうならないと言えるはずもないのは、他ならぬピスコとの時で十分体験した為に。










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