近くに見えた物と遠くから見た物の差 前編

「ちょいと昔にアンタと全部状況が同じって訳じゃねぇが、忠誠を誓ってる相手に殺される事になった人物についてを見たんだよ。ただアンタと違ってその人物は忠誠を誓った相手に裏切られて殺されることになったんだから、その事実を分かるなら最期に相手に意趣返しするためにも情報をくれって言ったら、死ぬ間際でも自分を信頼してくれてるのに言えるかって死んだんだよ。少しも迷うこともなくだ」
「そんな、ことが・・・」
「・・・何故、そこまで・・・」
「そいつの後にもある男と俺は出会ったが、その男は悪の救世主というように言って自分の持つ情報を握られるくらいならと躊躇いなく自殺を選んだ・・・それだけのカリスマが奴にはあったからこそ奴の周りには人が集まっていたんだが、アンタの場合は違う。アンタがその時に抱いたのは今言ったよう、これまでの時間は何だったのかってもんだ」
「・・・確かにそうだ。あの方の為にと捧げた時間についてを私の勝手が見えるということで、一度の行動で全ての功績を殺してもいいとまで判断する程に私の事を軽く見ていたのかとなるような形でな・・・」
承太郎はそこで自分がいかな人物達と相対してきたかを口にした上でピスコ自身が感じただろうことについてを改めて口にすると、本当にどうしようもない絶望に至ったのだと苦く口にしていく。
「俺は実際に組織のボスと会って話した訳じゃねぇが、根っこ自体はボスとその救世主と呼ばれたヤツは似たようなもんだろう。口では何だかんだ言いはしても、結局の所は自分が一番ってのがあった上で他の奴に関しては使えるなら使うが、自分を危険に晒すというのならいつでも切り捨てる事が出来るコマとしか周りを見ちゃいねぇって風にな」
「っ・・・そう聞くと、ジンなどももしかすればそういった機会があれば、そうなるということなのか・・・?」
「だろうな。というかそのボスは限られた奴にしか姿を見せた事もねぇし、どこにいるかも定かじゃねぇってことについちゃ明美から聞いちゃいたが、それは迂闊に正体だとか居場所を明かして自分の身を危険に晒さない為に慎重を期しているって理由があるというところなのかもしれねーが・・・臆病なくらいが生き残るのにはいいみたいに言い訳をしようが、結局は自分の身が可愛いってのもそうだが他人を信頼だとか信用なんて心底はしねぇし、自分以外を切り捨てれば自分は助かるってんなら自分の為に死ねと命じれるんだろうよ。手駒なんか他の命令に忠実で何の疑いもしない奴がいるならそいつを使えばいいと、例えジンだろうが誰だろうが自分の障害になるってんなら殺せばいいとでも思いながら、その忠誠心を簡単に裏切る形でな。そして・・・今回はジン達じゃなくアンタがその番だったってことだ」
「っ!」
そんなピスコにボスと先の話の人物に関しての照らし合わせを承太郎はしつつ話を進め、いかにボスが自分本位でいてその為なら誰でも犠牲に出来る・・・それこそピスコでもといったように言葉にすると、ピスコは顔色を青くして息を詰まらせた。言われたくなかった事を改めて言葉にされたことに。









.
7/20ページ
スキ