近くに見えた物と遠くから見た物の差 前編

「・・・さて、少しは時間があったから色々と考えられただろう。枡山憲三・・・いや、ピスコ。これからのお前の身の振り方に関しては」
「・・・分かっている。あのお方は私を切り捨てた。長い間組織に忠誠を誓い、裏切ることなく務めてきた私をだ・・・仮にここを抜け出して宮野明美やシェリーの事を土産に組織に戻ったところで、情報を抜かれるだけ抜かれたら改めて独断専行の責任を取ると殺されるのがオチだろう。なら私も奴らにその分を報いる為にそちらに協力する上で、そちらを裏切る事はしない・・・それが奴らに対する私の復讐だ・・・!」
「ならいい」
・・・それで時間は進み承太郎と明美だけでなく、組織の幹部『であった』人物であるピスコが三人という形で相対していたが、承太郎の言葉にピスコは静かに怒りを滲ませながら承太郎達への協力をすると言葉にし、承太郎が頷く中で明美は不安そうな目を向ける。






・・・さて、一体ピスコに何があったのかと言うと簡単に言うならとある事件をピスコが起こしたのだが、そこで明美の妹である志保の存在もあって様々なデータから志保が小さくなった姿である事を確信し、行動を起こしたのであるが・・・その事件の犯人だと志保と共に来ていた新一に見抜かれた後、勝手な行動を起こしたピスコを組織のボスが重く見てジンを差し向けて始末しにきたのである。

だがそこで少なくともピスコにとって幸いだったのが、新一達の動きもそうだが組織の動きを張っていた承太郎達にも知れ渡っていたことにより、急遽承太郎達はピスコを助け出すことにしたのだ。ジンが動いていて始末に取り掛かるという話が出ている関係からジョルノに急いでピスコそっくりの肉体を作ってもらってその肉体に似た色合いのスーツを着せ、いざジンがピスコに向けて銃を放った瞬間にリゾットの迷彩により隠れて場にいた承太郎が銃弾が命中する直前にスタープラチナでピスコに触り、『ジンが撤退していくまでは頭に銃撃を受けて死んだというようになっているが、ジンがいなくなったら傷が塞がり声をかければ何事もなく復活する』と書き込んだのだ。

そしてその結果としてピスコはジンがいなくなった後で承太郎とリゾットは同じように頭に銃痕を付けた偽物のピスコの肉体をその場に放置し、イルーゾォの鏡の世界を経由して燃える場をピスコを抱える形で後にしていき、後にピスコにこういったことからお前は助かったのだと承太郎がスタンドの事も含めて説明して今に至るのである・・・






「・・・何か私に言いたいようだが、中身は想像はつく。妹を危険な目に合わせておいて何を言うのかだとか、私を素直に信用出来る訳ないといった所だろう」
「っ、それは・・・」
「無理に否定しなくてもいい。かつて私もジンにされたような事をしていた身であり、その時は組織を裏切る者に敵対する者に対して容赦などする理由がないと同じような立場の者達を始末してきたものだが・・・実際に私自身同じような立場に立って感じたよ。あの方の為にと思って動いてきた人生の大半は何だったのか、とな」
「っ・・・それは・・・」
「そこでジンに殺されてもトップの為なら命も惜しくないと言えないってんなら、所詮その程度だったってことだ。アンタの忠誠心もだが、トップの器もな」
「承太郎さん・・・?」
そんな明美にピスコが言いたいことは分かると明美に言いつつ自虐的な雰囲気を出しながら言葉を吐いていくと、明美も複雑そうに表情を歪める中で承太郎が入ってきて口にした言葉に二人は眉をひそめる。









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