探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる

・・・そしてそういった形で心がへし折れたからこそ、新一の中では花山とスペックの戦いは最早癒えぬ心の傷という形でトラウマとなってしまい・・・夢の中の二人の戦いが終わった時にはたまらず飛び起きると共に、優作達が様子を見に来るまでガタガタとベッドの上でただ体を震わせるばかりで過ごしていた。

そして優作達もそんな新一の様子を見たことですぐに新一をこのままにしてはおけないと、すぐに病院に連れて行くと即座に入院するようにと言い渡され新一は入院することになった。明らかに一目見て精神的なダメージが深刻であると分かる様子から、家での療養では効果がない可能性が高いと。

それで新一については入院を済ませた後に安室達もそうだが、身近な面々にも精神的な理由から入院する事にしたと優作達は連絡していった。ただ安室達や目暮達といった事情を知っている人物については率直に真実を伝えはしたが、蘭に関しては小五郎と話した上で新一の状態に関しては新一が偶然死刑囚の一人を見付けたが、そこで起きたあまりにもな戦いの様子に新一が恐怖に慄いてダウンしたと、その現場写真やらを安室や目暮から借り受けて蘭に見せながら説明したことで納得させた。

ただ本来ならスペックの事に関しては現段階では対外的には秘密なことであるのだが、これに関しては下手な誤魔化しをして蘭が余計な事に勘付いて行動を起こされるのを避けるためであった。幸いというか一応新一は現場にいたということから関係者であったこともだが、スペックはもう戦闘不能になっているから秘密にということなら蘭に事実を伝えることは良しとする事も出来た。

そしてその結果として数々の状況写真と証言を見たり聞いたりしてきたこともだが、何より直接新一の見舞いに行った蘭が死刑囚とポロッと一言口にしただけでガタガタと体を震わせていったことで、蘭ももうこれ以上死刑囚について何も言わないし触れないようにすると選ぶ事にした・・・写真や証言についてを知った時はまだ信じられないという気持ちがいくばくかは残っていた蘭だが、今までどんな苦境でも乗り越えてきた筈の新一が見る影もない形で心が破壊されている姿を見て、小五郎や優作達の言葉もあって下手に死刑囚に関わろうとすることや口にすることもしない方が新一の回復の為にもいいと考えてだ。



















・・・そうしてしばらくして死刑囚達については全員片付いたと安室から連絡を受けた優作達だが、それは良かったと喜びつつももうアメリカの住処を引き払い日本に定住して余程でなければ遠出もしないようにすると安室に伝えた。新一を入院させてからしばらく経ったが一応病院内で静かに暮らしているということもあって大分落ち着いたものの、外に出ることもそうだが前ならあれだけ事件が起きたという報道があったなら自分が解決せねばという気概を見せていたのが、今となっては外に出ることもそうだがテレビをつけることすら覚悟を決めなければ出来ないという状態な事から、長期的な治療期間が必要だというように先生と話し合って自分達もそんな新一を毛利さん達に任せてアメリカ暮らしに戻るのは流石に駄目だろうということからと。

そういった報告に安室は納得した上で無茶はさせないようにというように言って電話を切った後、複雑さを滲ませた表情を浮かばせるしか出来なかった・・・本音を言うなら世話になった部分が大いにあるのもあって、早く新一に復活してほしいという気持ちはある。しかしついぞ安室は死刑囚の誰ともと直に対面することは叶わず事態は収束したからこそ、新一がどれだけの深い傷を心に負ったのかの一端程度しか知ることは出来なかった。スペック以外がどんな活動をしていたのかが表沙汰どころか警察や公安にもほとんど情報が回ってこなかったのもあってだ。

だからこそただ安室は新一の完全復活を出来るだけ早くというのもあるが、ゆっくりとしてほしいと願うくらいしか出来ないと矛盾したような形で思うしか無かった。いかに頑張って欲しくはあっても新一の心の傷がどれだけ深いか分からないからこそ、もう時間をかけてゆっくり治ってもらうのが新一にとっていいのだと・・・









END









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