探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる

「・・・まぁそういうことから私が呼び出されて新一君と話をして優作君達を呼び出すとなったのだが・・・見ての通り、このように新一君はなってしまっているというわけだ」
「・・・どうして、新ちゃんがこんなことに・・・だって見たところだと怪我どころか、返り血一つもついてないのになんでこんな風に・・・」
それで話を戻すと目暮が新一を見ながら呼び出したと言うと、有希子は何故と悲痛に漏らす・・・一応は新一が死ぬ可能性も考えていない訳ではなかったが、全くの無傷であるのに精神だけがズタズタになって廃人のようになっているというあまりにも予想外の状態を前にした為に。
「・・・これに関しては私の視点から見た話になるのだが、新一君が強さにだとか男としてこうあるべきだといった憧れを持っていなかった事が、新一君がこうなった理由ではないのかと思うんだ」
「・・・強さや、男としての憧れ・・・?」
その声に目暮が複雑そうながらもこうではと漏らした声に、赤井が代表となる形でどういうことかという声を向け、優作達もまた同じような視線を向ける。
「・・・目撃者となった警官がいたとさっき言っただろう?そしてスペックを倒した人物についてだが、とある業界ではその人物を知らなければモグリと言える程の人物らしいのだが、その警官はその人物との戦いを見て戦いが凄まじい物だと思うのと共に、男が憧れる男だというように見たと証言をしていたんだ・・・まぁこれだけ聞くならそれだけの魅力をその人物の戦いに感じたで済ませる事が出来ると思うが、新一君に関しては・・・二人をただただ恐ろしいとしか感じられなかったんだそうだ。こんな人間が本当に存在するのかと」
「・・・確かに一見聞くとそこまでの差が出るものかと思うのですが、何故そんな風に強さや男としての憧れなんて話になるのですか?」
「優作君、いやそちらの二人もそうだが・・・男として誰よりもとは言わずとも強くなりたいと思ったことはあるかい?」
「え・・・それは・・・」
目暮はそんな一同に警官と新一の感じ方の対比についてを話していくが、理解出来ないといった様子の優作に安室と赤井の二人にも問い掛けの声を向け、優作がまた訳が分からないといった様子を見せる中で安室と赤井は小さく理解出来たというように頷いた。
「・・・少なくとも僕は強くなりたいし、男としてこうありたいという気持ちは今も持っています。正確に言うなら公安の人間として悪に立ち向かうためという気持ちですが」
「あぁ、そこに関しては立場の違いこそはあるが俺も同意見だ。そして優作氏の反応から目暮警部が何を言いたいかが理解出来た。それは優作氏もだがボウヤには特にそんな気持ち・・・言うならば男としてこうありたいという気持ちが全くないというより、別のベクトルにしか向いていないということだ。言うならば腕ずくで敵を倒す為の強さを持つより、回る頭や口を持って泥臭い所など見せずに事を収めるカッコ良さを持つことこそが、男として自分が目指すべきところだというように考える形でな」
「っ!・・・そう言われると、少なくとも私は確かにそんな風に男として強さを持ちたいというように願ったこともですし、憧れを持ったことがあるかと言われると少なくともすぐには思い出せませんが・・・新一はおそらくなどと言うまでもなく、赤井さんが言ったような事こそが男らしいというか自分らしく目指す姿であり、腕っぷしが強くあるとかありたいといった気持ちなど持ったことはないでしょうね・・・」
そして安室もだが赤井が理解したといった声と共に投げ掛けた言葉に、優作も気付いたと共に自分以上に新一がそんな気持ちや考えは持ったこと無いだろうと未だ何の反応も見せない新一を見ながら漏らした。新一がそんな強くなりたいというように言った場面を見たことはないからと。









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