探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる

「・・・正直、私も信じきれん部分のある話としか思えなかった。だがスペックが連れてこられた事もそうだが、新一君ももうその時には茫然自失といった状態になりながらもその後を付いてきたこともだが・・・その後に起きたこともあって、嫌でもそれらの話が嘘ではないと信じざるを得なくなったのだ」
「・・・その後に起きたことってまだ何か起きたのですか?」
「・・・スペックを倒した人物は先に言ったような傷を負っていたことから、病院に車で送るようにと動こうとしたらしい。だが車が出る前にスペックは起き上がって周りにいた警官達を攻撃していったばかりか、その人物の乗った車のバンパーの部分を持ち上げた上で車をひっくり返したとのことだ」
「「「「っ!?」」」」
だがここでまた更に目暮から信じられない事だと口にされた警視庁に連れられていってからの展開についてに、優作達はまた有り得ないといった顔を浮かばせるしかなかった。人間離れした耐久力をしているだけでなく人の力で少なくとも人二人が乗った車をひっくり返したということに。
「・・・新一君はその時は警視庁の外からスペックを連れて行く様子と、その人物が車に乗るところを眺めていたらしい。その時にはただ付いてきただけで警視庁の中にまで入るような気持ちになれなかったらしいが、それが不幸中の幸いと言っていいのかそこから更に発展した二人の戦いを見たのだそうだが・・・車の運転手で意識があってその戦いを見ていた警官が言うには本当に想像を絶する戦いだったそうだ。それこそ私達が相手にしてきたような犯罪者の拘束のような物がただの遊戯にしか思えないレベルの物と言えるくらいだと・・・」
「・・・その結果としてスペックは戦闘不能になったとのことですが、どのように奴をそこまでに追いやったんですか?」
「・・・決め手はスペックの喉元を掴み、握り潰した事だそうだ。だがその人物はそれまでの時点で警官から奪われた拳銃により両膝を何発も撃たれ、普通なら立てる筈がないといった状態で立っていたとのことだそうだ」
「「「「っ!?」」」」
それで話は更に進んでいってどのような決着を経たのかという問い掛けが安室からされるが、返ってきた答えに信じられないと愕然とするしかなかった。両膝を破壊されていたら普通は立つことなど到底出来るはずもない激痛なことくらいは容易に想像が出来るのに、それで立っていたというあまりにも人間離れした事をしでかしていることに。
「・・・私もそんなこと有り得るはずがないと思いたかった。だが現実にスペックはもうまともに動けるはずが無いと集中治療室に送られている上で、警視庁内も今は落ち着いてはいるが先程まではスペックの後始末やその被害者を救護する為にとてんやわんやで、それらが一段落した上で優作君達が帰ってきていると聞いたから迎えに来て欲しいと頼んだのだ」
「・・・そこまでになっているのに、何で目暮警部が優作さん達に連絡するより先に僕に連絡が来なかったのでしょうか・・・」
「この件に関しては関係者以外に通達しないようにということからだと思われるよ・・・警察も警察でスペックに好き勝手やられ過ぎて何も出来なかったこともそうだが、スペックを倒した人物についてはここでだけの話として表社会の人間ではないんだ。だからそんな人物がスペックを暴力で倒したなどとマスコミに発表したとしたら様々な影響があると考えられることから、今はスペックが倒された事についてはその時現場にいた関係者と新一君との付き合いがあって、新一君と話せる私くらいしかまだ知っている者はおらんのだよ」
「・・・まだ情報を発表するかどうかすらも決めきれてないからこそ、現場にいなかった公安には情報が渡っていなかったということですか・・・」
それで自分も信じられないと言いつつも事後処理がやっと終わったと目暮が言い、公安であることは組織関連のことから目暮には知られていることから何故自分に情報が回らなかったのかと普通に安室は漏らすが、返ってきた言葉に苦く納得するしかなかった。基本的に普通の警察官と同じ場に立つことがない公安という立場だからこそ、情報が回ってこないという状態になったのだと。









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