探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる
「そういうことですが、他に死刑囚を倒せる可能性を持つ人達に関しては心当たりが無いわけではないんです・・・ただその心当たりに関しては僕達公安からしてもかなりアンタッチャブルな領域にいるんです」
「・・・公安がそこまで言うような相手なのか?」
安室はそれで一旦話を変えつつ他に倒せそうな人物がいることについてを口にするが、公安が触れられないと言う様子に小五郎は眉を寄せる。
「・・・流石にこの場だからと言っても実名は出せませんが、その心当たりの人物は鈴木財閥より上の財力を持つ人でして、日本の政治のフィクサーとも称される人間であると共に、表もですがそんな表の世に出ない裏の格闘家の事情に詳しい格闘マニアだということです。そして我々の調べで五人の内の一人が活動していた場に居合わせたばかりか、その一人どこかにを連れていったとのことであり、僕達としてはフィクサーに詳しい事情を聞きたいと思っていたんですけれど・・・それは上の方から即座にストップがかかったんです。絶対にそんなことはするなと」
「・・・公安であってもその権力に逆らえないってことなのか」
「えぇ。それだけ上からしてもそのフィクサーの不興を買いたくないのでしょうが、だからこそこの場だから言わせてもらいますが僕はそのフィクサーの事を気に入らないというようにしか思っていません・・・調べによればフィクサーと一緒に行った一人はその後東京の中で何事もないといった姿が目撃され、フィクサーも怪我も何もなく生活しているとの事です。少なくともその一人をその時に止める為に戦える人物を派遣して動いていたなら、今頃被害に合う人が減った可能性もあったと言ったような考えが見られたような様子もなく・・・」
「・・・その口ぶりからして、死刑囚と闘えそうな人物について公安は調べがついてるってことか。その人物との繋がりがあるというのも含めて・・・」
「えぇ・・・本来でしたら僕達が奴らをどうにか出来ない事について、恥を忍んででも被害を抑える為にどうにかして欲しいと頼みたいところなんですが、何分心当たりの人物は大層そのフィクサーのお気に入りらしく・・・接触すること自体を咎められる可能性が高いんです。あの方の機嫌を損ねるようなことはするなと」
「民間人の被害とかより機嫌取りを優先か・・・確かに気に入らねぇってなるのは分かるし、そのフィクサーとやらが民間人の被害だとかを考えてなさそうだっていうのは雰囲気としちゃ俺も感じるぜ・・・」
その理由とはそこに日本の政治にも関わるフィクサーの存在にあると安室は口にするが、気に入らないと怒りを我慢するような様子と話の中身に小五郎も何とも言えない表情を浮かばせるしか無かった。
・・・事実、安室が言ったことは当たっていた。そのフィクサーである当人・・・徳川光成がシコルスキーを連れて行った先には残りの四人の死刑囚が一堂に会する事になった場であり、最初は五人で一触即発の雰囲気になり数秒もすれば最後の一人になるまでのバトルロワイヤルになりかねない状況になった。
だがそこで光成が取った行動は死刑囚達の数を減らすことを避けると共に、自分の信じる強者達と死刑囚をぶつける為にそのバトルロワイヤルを止める・・・という物だった。そこに打算的な考えなど何もなくただ死刑囚と強者達を戦わせて、その強者達が勝つ事を望みその戦いをあわよくば見たいという自身の欲求を優先した形を取ったのである。
そして結果として言うなら五人の死刑囚対五人の強者達の戦いという構図になってその場は解散という流れになるわけだが、光成は死刑囚による周囲の被害の事など一切考えていないままに死刑囚達を見送ったのである。戦える者達だけが被害に遭うならまだしもと言ってはいけないだろうが、それでも戦えない一般人達までもが犠牲になることなど一切考えていない上に、その責任を取る事も一切考えていない形でだ。
そして全てを知った訳では無いにしても、こんな自分が楽しければ後はどうでもいいし傷もつかないといった上流国民の道楽といった等しい行動を取る光成の事を、警察官として人々を守りたいと思っている安室が気に食わないとなるのもまた当然というわけである。あまりにも利己的過ぎる欲望を満たした行為だと・・・
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「・・・公安がそこまで言うような相手なのか?」
安室はそれで一旦話を変えつつ他に倒せそうな人物がいることについてを口にするが、公安が触れられないと言う様子に小五郎は眉を寄せる。
「・・・流石にこの場だからと言っても実名は出せませんが、その心当たりの人物は鈴木財閥より上の財力を持つ人でして、日本の政治のフィクサーとも称される人間であると共に、表もですがそんな表の世に出ない裏の格闘家の事情に詳しい格闘マニアだということです。そして我々の調べで五人の内の一人が活動していた場に居合わせたばかりか、その一人どこかにを連れていったとのことであり、僕達としてはフィクサーに詳しい事情を聞きたいと思っていたんですけれど・・・それは上の方から即座にストップがかかったんです。絶対にそんなことはするなと」
「・・・公安であってもその権力に逆らえないってことなのか」
「えぇ。それだけ上からしてもそのフィクサーの不興を買いたくないのでしょうが、だからこそこの場だから言わせてもらいますが僕はそのフィクサーの事を気に入らないというようにしか思っていません・・・調べによればフィクサーと一緒に行った一人はその後東京の中で何事もないといった姿が目撃され、フィクサーも怪我も何もなく生活しているとの事です。少なくともその一人をその時に止める為に戦える人物を派遣して動いていたなら、今頃被害に合う人が減った可能性もあったと言ったような考えが見られたような様子もなく・・・」
「・・・その口ぶりからして、死刑囚と闘えそうな人物について公安は調べがついてるってことか。その人物との繋がりがあるというのも含めて・・・」
「えぇ・・・本来でしたら僕達が奴らをどうにか出来ない事について、恥を忍んででも被害を抑える為にどうにかして欲しいと頼みたいところなんですが、何分心当たりの人物は大層そのフィクサーのお気に入りらしく・・・接触すること自体を咎められる可能性が高いんです。あの方の機嫌を損ねるようなことはするなと」
「民間人の被害とかより機嫌取りを優先か・・・確かに気に入らねぇってなるのは分かるし、そのフィクサーとやらが民間人の被害だとかを考えてなさそうだっていうのは雰囲気としちゃ俺も感じるぜ・・・」
その理由とはそこに日本の政治にも関わるフィクサーの存在にあると安室は口にするが、気に入らないと怒りを我慢するような様子と話の中身に小五郎も何とも言えない表情を浮かばせるしか無かった。
・・・事実、安室が言ったことは当たっていた。そのフィクサーである当人・・・徳川光成がシコルスキーを連れて行った先には残りの四人の死刑囚が一堂に会する事になった場であり、最初は五人で一触即発の雰囲気になり数秒もすれば最後の一人になるまでのバトルロワイヤルになりかねない状況になった。
だがそこで光成が取った行動は死刑囚達の数を減らすことを避けると共に、自分の信じる強者達と死刑囚をぶつける為にそのバトルロワイヤルを止める・・・という物だった。そこに打算的な考えなど何もなくただ死刑囚と強者達を戦わせて、その強者達が勝つ事を望みその戦いをあわよくば見たいという自身の欲求を優先した形を取ったのである。
そして結果として言うなら五人の死刑囚対五人の強者達の戦いという構図になってその場は解散という流れになるわけだが、光成は死刑囚による周囲の被害の事など一切考えていないままに死刑囚達を見送ったのである。戦える者達だけが被害に遭うならまだしもと言ってはいけないだろうが、それでも戦えない一般人達までもが犠牲になることなど一切考えていない上に、その責任を取る事も一切考えていない形でだ。
そして全てを知った訳では無いにしても、こんな自分が楽しければ後はどうでもいいし傷もつかないといった上流国民の道楽といった等しい行動を取る光成の事を、警察官として人々を守りたいと思っている安室が気に食わないとなるのもまた当然というわけである。あまりにも利己的過ぎる欲望を満たした行為だと・・・
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