探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる
・・・ここで新一が死体を見て顔色を悪くするなどどういうことかと思う者もいるだろう。今まで数える事すら億劫になる程の事件に出会ってきて、その数に見合うだけの死体にも出会ってきたからこそ死体に慣れている筈なのにと。
その理由は至って単純な物だ。確かに死体をいくつも見てきたし、死んだからこその死に顔の生きた顔との違いはもう見慣れてこそいるが・・・言ってしまえば新一が見てきた死体は死刑囚が生み出した惨劇の被害者と違い、致命傷となった傷を除けば人間としての形を保ったままで五体満足で存在している物がほとんどであり、そのほとんどから外れた例外でも死刑囚達により壊された死体などと比べるまでもなく綺麗な死体ばかりだったからだ。首だけは切り離されたがそれ以外に傷は全くないといったような感じに、人間としての形は首さえ繋げれば十分に保っていると言えるようにだ。
だが死刑囚達により殺されたり肉体の欠損をさせられた者達は、そんな新一が見てきた死体などとは一線を画するなんてどころの物ではなかった・・・まともに五体がくっついているだけでもマシと言えるレベルでグシャグシャに体は壊されていて、酷い物は写真にもあったよう手がねじ切られていたり骨が体から出るように人体の構造上有り得ない形で捻じ曲げられたりと、あまりにも新一の見てきた数多の死体とは違う異様過ぎる光景に絶句せざるを得なかったのであり、その残虐性を少なからず感じたのである。と言ってもあくまで少なからずである・・・
「・・・最初は私も優作さんも正直な事を言えば、新ちゃんなら何だかんだでどうにかなるっていうように赤井さんと話しながらも感じていたわ。けどその写真の中身を見せられて五人の死刑囚の人達がどれだけ危険なのかもだけど、眠らせて捕まえればどうにかなるなんて思っていたことが却って新ちゃんの身が危険になるって牢屋の壁が壊れてる写真から感じたの・・・」
「そしてそう感じた上で新一がもし周りを巻き込んで行動を起こした場合に新一が殺されるだけで済むと言っていいとまでは思ってはいないが、それだけで済まない可能性もあるかどうかについてを三人に聞いたのだが・・・全員が全員とは言わないが、何人かには記載があったそうだ。殺してこそはいないが無理矢理女性を強姦していたという実績があったと」
「なっ・・・!?」
そんな新一に有希子が自分達も安穏としていたと漏らすが、続いた優作のもしもの可能性を考えた上での事実についての言葉に新一は絶句した。優作が危惧した事は女性が犯される事であると理解したのもあるが、それが指し示すことについてを理解して。
「・・・君も優作さんの考えた事を理解したようだね。もし君が死刑囚達を捕まえる為に動くなんて風に言えば確実に蘭さんは君と共に動くと言い出し、例えそれを拒否したとしても彼女は新一君の為にもと独自で動こうとするだろうが・・・もしそれで奴らと出会うことになってしまえば全く歯が立たず殺される可能性もそうだが、生き残ったとしても女性だからということで無残に奴らに犯されてしまう可能性もまた大いに有り得るんだ」
「そっ、そうなったら・・・!」
「ハッキリ言うが命があっただけ儲けものと考えるくらいしか救いがない。例え蘭さんの心身に大きな傷が残ったとしても元々から奴らは死刑囚という身であり、罪状が増えた所で何にも奴らは感じることすらなく活動を続けていく事だろうが、あくまでそれは奴らの匙加減で決まることであって犯された後に無残に殺される可能性もまた存在している・・・そんな事になる可能性が極めて高いと承知の上で君は奴らを追うと言えるかい?今は蘭さんの事についてを挙げたが、そうなったら毛利さんや園子さんといった周囲の人達の運命を狂わせる可能性が高いし、それを自分の判断で引き起こしかねないというのも含めてだ」
「ぅっ・・・」
安室はその様子を理解したと取った上で蘭のもしもの可能性についてもだが、その周囲もいかなことになるのか・・・それらについてを話していくと、新一も流石に苦くくぐもった声を漏らすしかなかった。あまりにも残酷な可能性の羅列と共にそうなっても構わないと自ら選ぶだけの気持ちには簡単になれるはずがないと。
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その理由は至って単純な物だ。確かに死体をいくつも見てきたし、死んだからこその死に顔の生きた顔との違いはもう見慣れてこそいるが・・・言ってしまえば新一が見てきた死体は死刑囚が生み出した惨劇の被害者と違い、致命傷となった傷を除けば人間としての形を保ったままで五体満足で存在している物がほとんどであり、そのほとんどから外れた例外でも死刑囚達により壊された死体などと比べるまでもなく綺麗な死体ばかりだったからだ。首だけは切り離されたがそれ以外に傷は全くないといったような感じに、人間としての形は首さえ繋げれば十分に保っていると言えるようにだ。
だが死刑囚達により殺されたり肉体の欠損をさせられた者達は、そんな新一が見てきた死体などとは一線を画するなんてどころの物ではなかった・・・まともに五体がくっついているだけでもマシと言えるレベルでグシャグシャに体は壊されていて、酷い物は写真にもあったよう手がねじ切られていたり骨が体から出るように人体の構造上有り得ない形で捻じ曲げられたりと、あまりにも新一の見てきた数多の死体とは違う異様過ぎる光景に絶句せざるを得なかったのであり、その残虐性を少なからず感じたのである。と言ってもあくまで少なからずである・・・
「・・・最初は私も優作さんも正直な事を言えば、新ちゃんなら何だかんだでどうにかなるっていうように赤井さんと話しながらも感じていたわ。けどその写真の中身を見せられて五人の死刑囚の人達がどれだけ危険なのかもだけど、眠らせて捕まえればどうにかなるなんて思っていたことが却って新ちゃんの身が危険になるって牢屋の壁が壊れてる写真から感じたの・・・」
「そしてそう感じた上で新一がもし周りを巻き込んで行動を起こした場合に新一が殺されるだけで済むと言っていいとまでは思ってはいないが、それだけで済まない可能性もあるかどうかについてを三人に聞いたのだが・・・全員が全員とは言わないが、何人かには記載があったそうだ。殺してこそはいないが無理矢理女性を強姦していたという実績があったと」
「なっ・・・!?」
そんな新一に有希子が自分達も安穏としていたと漏らすが、続いた優作のもしもの可能性を考えた上での事実についての言葉に新一は絶句した。優作が危惧した事は女性が犯される事であると理解したのもあるが、それが指し示すことについてを理解して。
「・・・君も優作さんの考えた事を理解したようだね。もし君が死刑囚達を捕まえる為に動くなんて風に言えば確実に蘭さんは君と共に動くと言い出し、例えそれを拒否したとしても彼女は新一君の為にもと独自で動こうとするだろうが・・・もしそれで奴らと出会うことになってしまえば全く歯が立たず殺される可能性もそうだが、生き残ったとしても女性だからということで無残に奴らに犯されてしまう可能性もまた大いに有り得るんだ」
「そっ、そうなったら・・・!」
「ハッキリ言うが命があっただけ儲けものと考えるくらいしか救いがない。例え蘭さんの心身に大きな傷が残ったとしても元々から奴らは死刑囚という身であり、罪状が増えた所で何にも奴らは感じることすらなく活動を続けていく事だろうが、あくまでそれは奴らの匙加減で決まることであって犯された後に無残に殺される可能性もまた存在している・・・そんな事になる可能性が極めて高いと承知の上で君は奴らを追うと言えるかい?今は蘭さんの事についてを挙げたが、そうなったら毛利さんや園子さんといった周囲の人達の運命を狂わせる可能性が高いし、それを自分の判断で引き起こしかねないというのも含めてだ」
「ぅっ・・・」
安室はその様子を理解したと取った上で蘭のもしもの可能性についてもだが、その周囲もいかなことになるのか・・・それらについてを話していくと、新一も流石に苦くくぐもった声を漏らすしかなかった。あまりにも残酷な可能性の羅列と共にそうなっても構わないと自ら選ぶだけの気持ちには簡単になれるはずがないと。
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