探偵の想う矜持に力は更なる暴に砕かれる

「まず一番活発に東京に来て活動を目撃されているスペックについてだけれど、彼が投獄されていたのは水深200メートル程にある潜水艦の中の牢獄だけれど、そこから脱獄したのよ・・・ウェットスーツや酸素ボンベといった普通なら絶対に必要になる筈の装備を一切つけずにね」
「す、水深200メートルの潜水艦から装備なし!?生身の人間がそんな所に入ったら水圧でまともに動くどころじゃないだろうし、仮に動けても200メートルなんて一分や二分息を我慢すればどうにかなるなんて甘い深さじゃないだろ!?」
「えぇ、普通ならそうよ。でもスペックはそれをやってのけて、上陸したとされる場所の近くの小屋の人々を全て殺してこの東京まで来ている・・・この話を聞くだけでも分かるでしょう?いかにスペックが人間離れした事をやってのけているかに、その凶暴性が」
「っ・・・!」
それでまずはスペックからとやったことについてを水無から説明されるのだが、既にあまりにも現実離れし過ぎた行動についてに唖然といった様子を新一は隠せていなかった。
「続いてシコルスキーだけど、彼の投獄されていた刑務所はとある所の天井がいつも開いている刑務所だったの。と言ってもその天井はとても高い上に壁に手や指がかけられるようなフチだとかは全くなかったのだけれど、シコルスキーはそこから脱獄した以外に有り得ないと見られているの」
「そ、そんなところの壁を登るって不可能じゃないのか・・・?」
「刑務所からの話では天井が空いていることから雨風や雪に晒されたことから出来たサビだったり劣化して剥げた所をロッククライミングの要領で掴み、上にまで登っていったとしか考えられないと言っていたとのことよ。シコルスキーは他の四人と違い目立って脱獄ということはしていないからルートはそこしかないということもあるけれど、シコルスキーが犯罪に手を染めなければオリンピックでメダルを何個も取ることは容易な身体能力があったから、出来ないとは言い切れないと」
「・・・嘘だろおい・・・」
続けて二人目のシコルスキーについてもまたスペック同様人間離れした脱獄の経緯を話す水無に、新一は信じられないというような声を漏らすしか無かった。
「・・・最後の柳に関しては日本人だから僕が説明させてもらうが、コイツは刑務所の中に柳専用の牢獄を作ってそこに入れていたんだ。全面防弾ガラスで作られた24時間の監視体制で監視出来る牢獄でね」
「・・・何でそんな形を?」
「柳が毒ガスを持っているだとかという話もあってだそうだが、今となっては奴はただそこで寝泊まりしていただけなのだというように見られているよ・・・柳がアッサリとその防弾ガラスを引っぺがして壊したことからね」
「ひ、引っぺがすってどういうことだよ・・・?」
「後で話に聞いたがとある武術の流派に柳は身を置いていて、そこの技の中に空掌という技があるそうなんだがそれは掌の中に真空空間を作り、対象に触れて引っ張れば普通は引っぺがせないような物も真空状態になっていることから引っぺがせるようになる技らしいんだ・・・そしてその技で柳は過去に人の体の肉を引っぺがして殺した事があるとの資料を見たんだが、それを防弾ガラスに使ってその牢獄を壊して脱獄したんだ。場にいた人達を諸々殺していく形でね・・・」
「っ・・・そんな事が出来るってのかよ・・・そいつらは・・・!」
そして最後だと柳についてを話していくのは安室だが、経緯を聞いて新一は信じられないという困惑はありつつも義憤が次第に湧き上がっていっているというよう、言葉の端に怒りを浮かばせていた。そんなことを許す訳にはいかないと。









.
4/21ページ
スキ