信頼と不信は紙一重の物である

「そういうことだが、まぁ毛利以外は工藤の事を色々言っても手まで出してきそうな奴はいないとは思うが、だからってもしもの時に工藤と近い奴らを信用出来るかって話になるからな。だからそういった奴らにもバレない程度に基本的に距離感は一定に保ちつつ過ごしてんだよ」
「「・・・っ!」」
だがここで蘭以外に対して花宮から出て来た言葉に対し、志保達の顔が苦渋に満ちた物になった。今までは言及されていなかったが、それでも新一達と同類であると見なされて距離を取られていたのだというキツい事実を明らかにされたことに。
「そこんとこは花宮達のやり方やからワシにはこうしろとは言えへんのやけど、その周囲が恵まれとるのって毛利って娘と近いくらいに戦える人材が揃っとるからってだけやないんやないの?色々って言うとったし」
「あぁ、そりゃな。具体的に言っちまえばもれなくそいつら美男美女で親とかその周囲が明らかに金を持ってますなんていう、いかにもなハイスペックな人物ばかりなんだよ。そして工藤に近いって事もあって探偵やら事件やらに巡り合いやすいし、縁があるっていうオマケまで付きでな」
「あぁ・・・最後は余計過ぎるくらい余計なオマケやけど、そんないかにもなハイスペックな人物達ばかりが集まったら傍から見た時に羨望で済むだけならえぇかもしれんが、やっかみやら何やらと負の視点からのもんが向けられることも十分に有り得るやろな。まぁこの場合の花宮達から言わせるならそんな自分達に面倒を強いるような奴らが、何でこぞってそんなハイスペックやねんってな」
「「っ・・・」」
しかし今吉が先の話に出た色々との言葉にまだあるのかと聞いて花宮から返ってきた答えに納得するのだが、そこで二人は苦い顔から困惑といった表情に変わった。今までの話と違い、合ってないんじゃないかというよう。






・・・志保や世良に自覚がない理由は自分達というか周囲も含めてそんな周りと比べて明らかに差がある程ハイスペックではないという気持ちがあるからだが、それは新一と共にいる時間が多くなっていった事で自分はそこまでハイスペックではないという気持ちを感じた為だ。これに関しては世良としては新一に頭脳で負けているつもりはないが、優作達というあまりにも成功者としてのランクの高い親がいることやその環境もあって、頭脳はともかく他は自分達は普通だという認識があるからである。

だがそんな認識がいかに普通の人達からすればズレているのかということを、自分達は普通だというように思っていたから疑問に思う事すら無かった・・・世良は事情があって長期間泊まる分により割引価格になるとはいえホテル暮らしを出来るだけの生活が出来る状態にあったし、志保はあくまでも阿笠の厚意から居候させてもらっているだけと思っているが都内でも相当に広いと言える邸宅に住んでいる。志保自身は自分や親のおかげではないと考えてはいるが、こんな家や財力を持つような存在など例え私立の学校に通えるだけの家庭環境にいる帝丹の生徒達でも、新一達くらいだ。

それに美男美女ばかりということに関しても志保達は然程意識していなかったが、新一達のビジュアルは明らかに周りの面々より優れていた。それこそ言い方は悪いが見た目としては10人並のビジュアルのモブと、芸能界でも通用する可能性のあるビジュアルを持つ新一達との明確な差が見えるレベルでだ。

そしてそういった恵まれた要素を自覚していない志保達であるが、クラスメイト達からすればそういった恵まれた要素ばかりを持つ新一もだがその周りにいる志保達にも色々な目が向けられる事になるのである。少なくともクラスメイト達からしたら良くない目が向けられることに・・・









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