段階を踏まない成長を遂げた愛は大成しない
「・・・マリさんから話を聞いて私が主になる形で、私達夫婦はどうにか新一の事を変えたいというように話をしたりしてきた。けどそれが結果に出ずに蘭ちゃんの気持ちは離れていったことから私達の教育や判断が間違っていたと思うようになった上で、もう言葉でどうこうなんて形で新一は変わることはないって思っちゃったの。それこそ今までの話で出たように女性に対して肉体関係を含んだ下心を抱けるような普通の人間になれないってね」
「・・・それが分かってて工藤君を一人にするのはさっき言っていた荒療治って事ですか。もう言葉で何を言っても聞かないのなら一人で生きることでそういった気持ちを抱けるきっかけを得られるようになってほしいと」
「えぇ、そういうこと・・・今はまだ新一も蘭ちゃんの事を振り切れてないけれど、時間が経って探偵になってからは他の人達も軒並み距離を空けることになってるから、これまでと違って本当の意味で一人の時間っていうものが重くのしかかってくると思う・・・その時に新一がこれまでのようになんて考えることなく、大人としてだったり普通の男の人としての考え方や感じ方を身に付けて生きていってほしいから、もう新一は余程じゃないなら一人にしようと話し合ったの。そうでないと余程変わった人でもない限り、新一に合った女の人なんて出て来ないと思うからなんだけど・・・失敗したらその時はその時よ。もう新一にそういったことは無理だったんだって見ることにするわ」
「もうそこまで考えてるって事ですか・・・」
有希子はそこから新一の恋愛についてこうなってほしいとは言いつつも、もう前歴があるからもし駄目でも受け入れるだけ・・・そう真剣に語っていき、マリはその覚悟についてを受け止める。
「・・・というわけで、今日はそんな風に考える事が出来るきっかけをくれたマリさんにお礼をしたいと思ったのよ。マリさんの言葉がないままだったら蘭ちゃんもいつまで経っても変わらない新一に見切りをつけられたかも分からなかっただろうし、私達も新一達の事をどうにか出来ないかって今までの事から考えて離れるかどうかなんて考えられなかっただろうからってね」
「そういうことだったんですね」
「そうそう!だから今日はいくらでも飲んで食べてちょうだい!これは貴女へのお礼だから!」
そしてこれで話は終わりというように言い、有希子は一気に笑顔を浮かべて明るく好きに飲み食いしてと告げた。もう後はその話は無しだというよう。
・・・それでしばらくの時間飲食を堪能した後、マリは三人と別れる形で店を後にするのだが・・・
「・・・やっぱり親として辛いって風なの見え見えだったんだよなぁ・・・あんなあからさまな誤魔化しなんてそうじゃないって言う方が難しいって・・・」
・・・今住む部屋にまで戻ったマリは街灯に照らされる室内の中で電気も点けないままにベッドに腰掛け、天井を眺めるように見ながら独り言を漏らした。明らかに先程の有希子は無理してるとしか言いようがない姿にしか見えなかったと。
「そしてそういった姿も相まってって形で、工藤君が一人暮らしでもしかしたら矯正されるかもしれない・・・みたいな希望はほとんどないって思ってて言ってたんだろうなって感じるよ。毛利さんに対する未練も加わって女が欲しいみたいな考えになんかならない可能性の方が高いって」
故に実際は希望なんて物はまずないと見ているのだろうとマリは漏らす。新一は変わることはないと諦めに近い気持ちを持ってるのだろうと。
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「・・・それが分かってて工藤君を一人にするのはさっき言っていた荒療治って事ですか。もう言葉で何を言っても聞かないのなら一人で生きることでそういった気持ちを抱けるきっかけを得られるようになってほしいと」
「えぇ、そういうこと・・・今はまだ新一も蘭ちゃんの事を振り切れてないけれど、時間が経って探偵になってからは他の人達も軒並み距離を空けることになってるから、これまでと違って本当の意味で一人の時間っていうものが重くのしかかってくると思う・・・その時に新一がこれまでのようになんて考えることなく、大人としてだったり普通の男の人としての考え方や感じ方を身に付けて生きていってほしいから、もう新一は余程じゃないなら一人にしようと話し合ったの。そうでないと余程変わった人でもない限り、新一に合った女の人なんて出て来ないと思うからなんだけど・・・失敗したらその時はその時よ。もう新一にそういったことは無理だったんだって見ることにするわ」
「もうそこまで考えてるって事ですか・・・」
有希子はそこから新一の恋愛についてこうなってほしいとは言いつつも、もう前歴があるからもし駄目でも受け入れるだけ・・・そう真剣に語っていき、マリはその覚悟についてを受け止める。
「・・・というわけで、今日はそんな風に考える事が出来るきっかけをくれたマリさんにお礼をしたいと思ったのよ。マリさんの言葉がないままだったら蘭ちゃんもいつまで経っても変わらない新一に見切りをつけられたかも分からなかっただろうし、私達も新一達の事をどうにか出来ないかって今までの事から考えて離れるかどうかなんて考えられなかっただろうからってね」
「そういうことだったんですね」
「そうそう!だから今日はいくらでも飲んで食べてちょうだい!これは貴女へのお礼だから!」
そしてこれで話は終わりというように言い、有希子は一気に笑顔を浮かべて明るく好きに飲み食いしてと告げた。もう後はその話は無しだというよう。
・・・それでしばらくの時間飲食を堪能した後、マリは三人と別れる形で店を後にするのだが・・・
「・・・やっぱり親として辛いって風なの見え見えだったんだよなぁ・・・あんなあからさまな誤魔化しなんてそうじゃないって言う方が難しいって・・・」
・・・今住む部屋にまで戻ったマリは街灯に照らされる室内の中で電気も点けないままにベッドに腰掛け、天井を眺めるように見ながら独り言を漏らした。明らかに先程の有希子は無理してるとしか言いようがない姿にしか見えなかったと。
「そしてそういった姿も相まってって形で、工藤君が一人暮らしでもしかしたら矯正されるかもしれない・・・みたいな希望はほとんどないって思ってて言ってたんだろうなって感じるよ。毛利さんに対する未練も加わって女が欲しいみたいな考えになんかならない可能性の方が高いって」
故に実際は希望なんて物はまずないと見ているのだろうとマリは漏らす。新一は変わることはないと諦めに近い気持ちを持ってるのだろうと。
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