段階を踏まない成長を遂げた愛は大成しない

「えぇ・・・でも今言ったようにもう蘭ちゃん達はそれぞれの道を歩むことになるし、二人はハッキリ新一にもう巻き込まれたくないって風に動く事を決めた。だから私達も新一は大学を卒業したら探偵になって事務所を構えるって決めたから、もうそれならこれから先の探偵活動でもそうだし恋愛だったりに関しても私達に頼らず一人でやっていくようにって言う予定なの。探偵として旗揚げ出来るだけの費用は出しはするけど、もうそれ以降の活動は後は大人なんだから全部困ったことがあっても自己責任として頑張れっていう形でね」
「・・・それで工藤君がはい分かりましたって二つ返事で受け入れるとはあんまり思えないんですけど・・・」
「そこに関してはもう志保ちゃん達は連絡先を変えるということにしたし、周りの人達には新一をこれまでのように助けないでくれっていう話は新一には聞かせない形で先にしてあるわ。特に志保ちゃんを預かってて、ウチの隣に住んでる阿笠博士には念入りに何度も何度もお願いしてきたの・・・一番新一の身近にいて頼ることが何度もあった存在だったから、あの人にまずはそうしてもらわないといけないってね」
「それで、その人は了承したんですか?」
「そこはちゃんと話をしたわ。ただまぁ予想はしていたけどそれはやりすぎじゃないかっていうように言ってはきたけれど、もう新一が大人としてちゃんとした探偵になるのに報酬を払いもしない外部の人を頼みにするのは良くないということもあるけど・・・何よりもう志保ちゃんもいなくなると決めてるのに、いつまでも新一が博士に頼るような事を続けて博士がいなくなった未来を考えるようにと言ったらようやく納得してくれたわ。もう十年近くもすれば博士ももう還暦を超えるのに、博士がずっと新一の為ならと協力するのはもしいなくなった後の事を考えたなら、博士に無償で頼ることを考えてもらうんじゃなく大人としてどうにかすることを新一には考えてもらうべきだとね」
「成程・・・」
だがもうこれからはそんなことはさせないし、周りにももう根回しはしている・・・そう話す有希子は阿笠の事を主に例に出して話していき、それらを受けてマリは納得の声を漏らす。阿笠を放っておけば新一の為にはならないと思った事は。
「・・・とまぁこういうわけで新一が大学を出た後はもう一人で生きるようにさせることにしたの。そしてそれは私と優作さんも例外はなくそうしようとね」
「・・・探偵になる費用やらを出すってしたのは、それでもう大人として扱うっていうことと同時にもう子ども扱いしないって示すためですか?」
「そうね・・・人によっては自分のお金でそうさせろって言う人もいるとは思うけど、もうお金は返さなくてもいいからこれからは自分の力でやれるだけの事はやるようにと言って、以降は仕事もそうだし恋愛関係に関して何か求められても応える事はしないわ。もう貴方は大人なんだから自分でどうにかするようにとね」
「恋愛もっていうと、以降に工藤君が結婚しないかもしれないことに関してももうお二人は覚悟されているんですか?」
「・・・えぇ、そうね・・・」
それで続けて自分達は探偵になって以降は手を出さないと有希子は言うのだが、恋愛の部分に引っ掛かったマリの指摘にそっと疲れたように頷き返した。









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