段階を踏まない成長を遂げた愛は大成しない
「・・・僕もそうだし志保さんも5年近くの時間をマリさんの言葉を受けた上で大学での時間を過ごして、周りの人達の年齢が上がったって事を加味しても帝丹高校というか新一君の周りの環境は本当に新一君に影響されてたんだって事を感じたんだよ。現に高校じゃそんなことはなかったのに、大学に行ってからは僕や志保さんに対してナンパをしてくる人達がいっぱいいたことからそれを凄く感じたんだ」
「そして男の人達のそういった性欲から女の人を狙うといった下心からの気持ちについてを体験することにもなったんだけど、それでそういった事をしたいという気持ちを毛利さんに一切抱いてない工藤君の異質さを感じた上で、真希波さんの言ってた事を心から理解することになったわ・・・そしてだからこそ毛利さんはもうそんな下心がなさ過ぎる工藤君に女と思われてないと感じたから、工藤君の事を彼氏として認められなくなったんだって」
「あれ?二人は高校の時に彼氏はいないって言ってたの覚えてるけれど、大学で出来たの?下心を許容するみたいに言ってるような感じするけど」
それで世良も志保も大学に入ってからの自身の経験からの話をしていく中で、マリは5年前からの二人の成長ぶりというか寛容な様子に首を傾げる。
「許容してるというよりは正確には普通の男の人が抱くだろう気持ちを体感したからね。それが気持ちいいみたいな感じになった訳じゃないし別に彼氏が出来た訳じゃないけれど、そういった経験をしてきたから工藤君がいかにその人達と違うかを理解出来たの」
「そして確かに一見するなら新一君はそんな男の人達とは一線を画するような感じではあるし、もしかしたらそんな下心だったり性欲がない新一君の事がいいって人もいるかもしれないけど・・・蘭さんとのやり取りを見てきた事から、新一君の態度は水清ければ魚棲まずっていう言葉が一番しっくり来たんだよ。これは別に蘭さんが汚くなったとかっていうんじゃなく、幼い子どもの性欲のない気持ちからの考えしか持たない新一君と、女として見られたいし結婚していなくてもそうしたいっていう大人として成長したからこその考えを持つからこそ、もう生きる環境が変わって水の合わなくなった魚に蘭さんはなってしまったんだってね」
「あぁ、そういう風に考えるようになったってことね。まぁ確かにその例えはしっくり来るよ。子どもは大人と違い刺激に弱いからこそ段階的に様々な刺激に慣らしていって育てる物だけど、だからこそ同じ人間というカテゴリーにはいるけれど様々な経験から大人と子どもとしての明確な差が生まれてしまって、もう工藤君と毛利さんじゃ同じ立ち位置に立てないって事を考えるとね」
だが二人はそこで恥ずかしがる事なく自分達の経験を話していき、世良の例えを聞いてマリも笑みを浮かべて納得出来ると漏らす。新一と蘭の違いはこういうものなのだと自分でも言いつつ。
「・・・私も優作さんも今の世良さんの言葉を聞いて、新一自身は色んなことを経験してきたし自分は他の人より立派に成長してきたし、何なら誰よりも立派な人間なんだっていう自信があるんだと思うの。そしてそれで正義感とかも含めて子どもの価値観のまま成功してきたからこそ、新一はあぁなったんだとも・・・だからこそ新一は私達の言葉を受け入れることはなく、結局蘭ちゃんが結婚するって風になるまで自分が正しいのに何でだって言い続けた・・・」
「・・・そう考えたまではいいんですけど、どうして工藤君と離れる事を選択することにしたんですか?その様子から工藤君に対して後悔というかどうにかしたいみたいな気持ちはあるように思うんですけど・・・」
「・・・そういう気持ちはまだあるのは確かよ。でも却って言葉でどうこう言っても新一はそんなことしないって意地になるだろうこともそうだけど、新一にいっそ近くに人がいない環境にいてもらった方がいいって話を優作さんとしたの・・・今回の事を荒療治にするべきじゃないかってね・・・」
ただ続いた有希子の重い言葉からの様子に先程の発言についてをマリが問うと、新一の荒療治にするためだと返す。
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「そして男の人達のそういった性欲から女の人を狙うといった下心からの気持ちについてを体験することにもなったんだけど、それでそういった事をしたいという気持ちを毛利さんに一切抱いてない工藤君の異質さを感じた上で、真希波さんの言ってた事を心から理解することになったわ・・・そしてだからこそ毛利さんはもうそんな下心がなさ過ぎる工藤君に女と思われてないと感じたから、工藤君の事を彼氏として認められなくなったんだって」
「あれ?二人は高校の時に彼氏はいないって言ってたの覚えてるけれど、大学で出来たの?下心を許容するみたいに言ってるような感じするけど」
それで世良も志保も大学に入ってからの自身の経験からの話をしていく中で、マリは5年前からの二人の成長ぶりというか寛容な様子に首を傾げる。
「許容してるというよりは正確には普通の男の人が抱くだろう気持ちを体感したからね。それが気持ちいいみたいな感じになった訳じゃないし別に彼氏が出来た訳じゃないけれど、そういった経験をしてきたから工藤君がいかにその人達と違うかを理解出来たの」
「そして確かに一見するなら新一君はそんな男の人達とは一線を画するような感じではあるし、もしかしたらそんな下心だったり性欲がない新一君の事がいいって人もいるかもしれないけど・・・蘭さんとのやり取りを見てきた事から、新一君の態度は水清ければ魚棲まずっていう言葉が一番しっくり来たんだよ。これは別に蘭さんが汚くなったとかっていうんじゃなく、幼い子どもの性欲のない気持ちからの考えしか持たない新一君と、女として見られたいし結婚していなくてもそうしたいっていう大人として成長したからこその考えを持つからこそ、もう生きる環境が変わって水の合わなくなった魚に蘭さんはなってしまったんだってね」
「あぁ、そういう風に考えるようになったってことね。まぁ確かにその例えはしっくり来るよ。子どもは大人と違い刺激に弱いからこそ段階的に様々な刺激に慣らしていって育てる物だけど、だからこそ同じ人間というカテゴリーにはいるけれど様々な経験から大人と子どもとしての明確な差が生まれてしまって、もう工藤君と毛利さんじゃ同じ立ち位置に立てないって事を考えるとね」
だが二人はそこで恥ずかしがる事なく自分達の経験を話していき、世良の例えを聞いてマリも笑みを浮かべて納得出来ると漏らす。新一と蘭の違いはこういうものなのだと自分でも言いつつ。
「・・・私も優作さんも今の世良さんの言葉を聞いて、新一自身は色んなことを経験してきたし自分は他の人より立派に成長してきたし、何なら誰よりも立派な人間なんだっていう自信があるんだと思うの。そしてそれで正義感とかも含めて子どもの価値観のまま成功してきたからこそ、新一はあぁなったんだとも・・・だからこそ新一は私達の言葉を受け入れることはなく、結局蘭ちゃんが結婚するって風になるまで自分が正しいのに何でだって言い続けた・・・」
「・・・そう考えたまではいいんですけど、どうして工藤君と離れる事を選択することにしたんですか?その様子から工藤君に対して後悔というかどうにかしたいみたいな気持ちはあるように思うんですけど・・・」
「・・・そういう気持ちはまだあるのは確かよ。でも却って言葉でどうこう言っても新一はそんなことしないって意地になるだろうこともそうだけど、新一にいっそ近くに人がいない環境にいてもらった方がいいって話を優作さんとしたの・・・今回の事を荒療治にするべきじゃないかってね・・・」
ただ続いた有希子の重い言葉からの様子に先程の発言についてをマリが問うと、新一の荒療治にするためだと返す。
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