・・・蘭までもが否定を出来なかったのは、事実でしかないことばかりだったからだった。特に園子の事をよく知っているからこそ彼氏が出来なかった事には納得した物であった。今でこそ京極という彼氏がいるが、蘭から見ても園子がその前に彼氏が出来なかった事についてはどうしてなのかと思ったものである・・・園子なら贔屓目抜きに彼氏は出来てもいいくらいのいい子なのにと。

だがそれで彼氏が出来なかった事に関しての話をマリから聞いて、蘭としては自分も含まれるのはどうかという気持ちにこそはなるけれど、新一の影響を受けたからこそ園子や帝丹の皆がそれだけ性的な事に関して鈍いといったようになったのだと否定出来なかったのである。そして自分達も・・・






「まぁそういった環境っていうのが出来た事自体は偶然でも必然でもどっちでも構わないんだ。重要なのは今の環境が続くのは精々後１年って程度で、高校を卒業したら大半の人達とはこれまでと同じような時間を過ごすことはなくなって、今までの環境とは違う環境に身を投じる事になるだろうことなんだけど・・・毛利さんが工藤君との関係を一先ずでも続けるって選ぶにしても、長くても大学卒業くらいまでに最終的に工藤君との将来をどうするかを決めた方がいいって言いたかったの。さっきは選択肢を挙げたけど、毛利さんの性格的にすぐにどうこうは決められそうにない可能性もありそうだからって思ってね」
「あぁ・・・焦ってどうするか決めようとして後悔しないようにって意味で、環境が変わった状況で結論を出すのも貴女は考えた方がいいと言いたいのね」
「そうなるけど、無理にこの時までって決めたからそれまでは我慢しようみたいな風に決めて貫くって形を取るのも良くないだろうから、いつ決断をしてもいいものだって考えるようにした方がいいとも言っておくよ。毛利さんは期限を決めたならもうここまでは我慢しないとって風になりそうだし」
「・・・我慢という言葉を使うということは、貴女は二人の仲がうまくいく可能性は低いと思っているの？」
「逆に聞くけどこれまでの工藤君との付き合いを見た上で今までの話を聞いて、二人ならこれからは何も起こらないから大丈夫だって太鼓判を押せる？」
「・・・そう聞かれるととても太鼓判を押せるとは言えないわね・・・」
「っ・・・」
そんな園子についてから今の環境は時間が経てば変わらざるを得ないと告げた上で話をしていく中でマリは志保に二人の関係は大丈夫と思うかと聞くと、苦々しい顔を浮かべて出来ないと漏らすその様子に蘭は辛いというように表情を歪める。
「・・・毛利さんはこんな事を言われてキツいだろうなっていうのは見てて分かるけど、もうこれからの事を考えると工藤君が変われないことを想像してないと一層キツいことになるとしか思えないから言ってるんだよ。まだこれが子どもとかの時だったらその能力だとか倫理観に態度は微笑ましいとか将来有望とかって話になるのかもしれないけど、頭自体は良くはなりはしてるだろうけどだからこそ子どもの頃からのそういった倫理観だとかが正しいって信じてやまないだろうことから、そうそう簡単に変化だったり成長が出来るとは思えないってことからね」
「・・・っ！」
「ん？どうしたの世良さん？」
「いや、なんでもないよ気にしないで・・・」
マリはその姿にちゃんと謝るように新一が変われないならということを話していくと、世良が何かに気付いたようにハッとするのだが何なのかと聞いても首を横に振って答えたくないというように声を漏らす。









.