段階を踏まない成長を遂げた愛は大成しない

「まぁそこら辺については一つ一つ説明していくけど、まず最初に君達の喧嘩が増えたって言うけどそれって君達が付き合う前からもちょこちょことそういったことはあったんでしょ?」
「う、うん・・・でもそれが付き合う前より増える理由が分からなくて・・・」
「そこがちょっとズレてるっていうか認識違いを起こしてるポイントなんだよ。言ってしまうとこれまでの事を乗り越えて付き合うに至ったんだから、付き合ったならもうこれまでのような事なんか起こらないって少なくとも毛利さんは思ってたんじゃないのかな?」
「そっ、それは・・・」
そうしてまずは最初にとばかりに喧嘩なんか付き合ったんだから起こらないと決め付けてたのではとマリが聞くと、蘭は否定したそうにはするが言葉を詰まらせてしまった。
「別にそうじゃないって無理に言う必要はないよ?結構勘違いだったりしながら自分達は他とは違うって思う人多いもん。そんな周りのように好きあってる筈なのに喧嘩するようなことなんてないって思う事は。でもそういったように思い込むからこそいざそういった時に喧嘩になるんだけど、君達の場合は正式に付き合うって風になったからこそそうなった部分も大きいと思うんだよね〜。工藤君が長期間休む前はまだちゃんと付き合ってなかったから恋人未満って部分で仕方ないとか我慢しないとみたいな感じになってたかもしれないけど、工藤君が戻ってきていざ恋人になったからこそそういった部分が変わらないっていうか、相手が変えるだとか合わせようとしてないことに互いに怒るって感じになるっていうようにね」
「っ!」
「・・・だから貴女は二人の事を子どもっぽいと言ったのね。恋人になるならそういった互いのすり合わせをした方がいいのに、それが出来ていないことが子どもらしいように思えると」
「そういうこと♪」
しかしマリが恥じることじゃないとは言うが続いた話の中身に蘭は続けて否定出来ないと盛大に息を呑み、志保も理解したといったように漏らす声にウインクをしながら楽しげに返す。
「ただこの辺りに関しては二人が昔からよく知ってる幼馴染っていう部分が大きく関わってるとも思うんだよね〜。特に工藤君の性格的に俺の事は昔からよく知ってるだろって風になる上で、付き合うからって肩肘張って態度を改めるなんて考えになるような人じゃないと思うけど」
「あ〜・・・確かに間違っちゃいないよ、そんな感じ方は。実際新一君は蘭さんと付き合うようになっても今までと変わった様子なんか一切見せてないのは僕達も見てるから、それこそマリさんの言うように付き合うからってそんなことするような人じゃないのは分かるよ」
「だろうね〜。まぁそういった態度が悪いって訳じゃないし毛利さんもそれくらいの方がいいって思って付き合ってる部分はあると思うけど、そういったような様子についてを考えていくと工藤君が毛利さんより明らかに子どもっぽいとしか思えなくなっていったんだよね〜。それも年相応だなんて到底言えないまさしくちっちゃい子どもの価値観って物しか持ってないんじゃないかってね」
その上でそうなる理由が幼馴染の関係や新一の性格にあるとマリは続け、世良の正しいとの言葉を受けながらいかに新一が子どもっぽいと思えたかについてを語っていく。









.
4/28ページ
スキ