過去を過去とすべきか否か 後編

シャア「そうなるが、ならばどうすればアムロ達をどうにか出来るかと考えた上での最後の手段として、アナハイムが開発していたサイコフレームの進化系であるフルサイコフレームに我々の祈りを託し、どうにかアムロ達の気を鎮めてもらう以外にないのではないかという結論に至ったのだ・・・その2回の地球にあるサイコフレームを目指しての攻撃により明らかに光が地球圏以上に広まっていく様子が確認出来た事で、アムロ達が明らかに怒りを持っていると感じられたことでもうこれ以上物理攻撃をすれば取り返しがつかなくなると見たのもあるが・・・もう私達以外の人々が限界にき出したのもあってだ。その2回の行動でアムロ達の怒りをより強く感じたことによりだ」

ハマーン「当然と言えば当然だろう。貴様らの都合により地球ごと潰される形で殺されたのに、また貴様らの手で地球ごと潰されようと言うなら、それに抵抗しようというのはな」

シャア「あぁ、それは今となってはよく分かっている・・・そして私達は光の外にいるからそんなことにはならなかったとは言え、このまま自分達だけが逃げて人類を見殺しにするような事をしたら何のためにあんなことを引き起こしてしまったのか・・・そういった気持ちになっていったことから、もう引くことは出来ないという考えになりフルサイコフレームに全てを賭けようと、地球圏に生きる人達に地球で亡くなった者達への鎮魂の為の祈りを捧げて欲しいと通信で言った上で、ありったけのフルサイコフレームを乗せた小型艇を地球に発進させた」

カミーユ「・・・その結果はどうなったんですか?」

シャア「・・・一言で言うなら失敗だ。フルサイコフレームを乗せた小型艇は大気圏に着いた瞬間に一気に分解し、フルサイコフレームだけが大気圏に落ちる・・・いや、引き込まれていくと共にサイコフレームによる光は一気に増して地球圏から離れていた我々より遥か先まで広がり、後で調べた結果として木星圏の先以上・・・それこそ人類がまだ到達していないと確信出来る地点以上に光が広まったのだ・・・」

ハマーン「・・・大方その祈りとやらがその者達からして、結局の所は都合のいいようにしか祈ってなかったからだろうな。地球の者達に対しての心からの鎮魂の為ではなく、もうここまで自分達も苦しんだのだからいい加減解放してくれだとか、お前達も悪い所があったんだからこれで痛み分けだというであったりというような、全員が一丸となっての気持ちとは到底言えないどころか、むしろ身勝手でいてバラバラな個人の考えを優先した祈りとも言えん祈りを向けた結果だろう」

シャア「あぁ・・・事実アムロ達の怒りはそういった物であり、もう私達に対して何かすることすら許さんとサザビーに搭載されていたサイコフレームすらも引き剥がされる形で持っていかれ、もう打つ手無しと絶望する以外になくなり・・・以降は自殺したいと思ってもサイコフレームの光により強制的に肉体が操られて留まる事になり、狂って終わりたいと思っても狂う事すらその光により思考を強制的に誘導されて狂えず、寿命か病死という結末以外認められずに生きていき、最終的に私が亡くなる前にはもう宇宙の人類は新世代の子どもなど生まれることはなくなってしまっていた・・・まず間違いなくもうあの世界は何十年もしたら人がいない世界になっているだろう・・・」

二人「っ・・・」

・・・シャアが見る影もない上に見たこともない形で凹むその姿に二人もあまりの惨状であったこともだが、シャア自身本当に心底から後悔だったり打ちのめされてきたのだと感じて・・・









END









(ガンダム世界なら死者の念が漂うのはよくあることですし、力を持つこともありますが明確に人類滅亡エンドまでは無かったので、今回の話でもしもの展開として有り得そうな事を詰め込んでみました。まぁこんな事になりましたが二人はこちらでもシャアには以降は優しくしなかったと簡潔に思ってください。結末はともかくやったことがやったことなだけにそんなこと二人はしません)









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