過去を過去とすべきか否か 後編

・・・そうしてハマーン先導の元でシャアのいた場所を離れた二人は少しの時間を歩き、公園へと辿り着いた。



「・・・さて、今更シャアに対しての気持ちは無いと思うが・・・もう奴に会わなくていいな?」
「はい・・・僕としても会いたくて会っていた訳ではありませんでしたし、実際に顔を合わせてより一層感じました・・・想像以上に情けなくなっていたあの人に対しての失望を・・・」
・・・そうしてベンチに並んで腰をかけてハマーンがカミーユにどうかと尋ねると、辛いという様子ながらもハッキリ口にした。あまりにもシャアの有り様は酷かったというよう。
「そこに関しては私も同じような物だったが、最後にララァ=スンの名前を出した時のあの反応を見てより一層そういった気持ちが強くなった・・・あの場でそれらを口にすれば話が長引くと見たから何も言わぬとしたがな」
ハマーンもまた自分も同じと口にする中でララァと口にした時の事が不愉快だったと漏らす。とてもあれは容認出来ないと。
「・・・前にララァ=スンの事については話に聞いていたが、あのシャアの反応を見るにそれだけ奴にとってその存在の損失は計り知れぬ程に大きな物であると共に、アムロ=レイに対しての決して消えないしこりを生み出していたのだろう。エゥーゴにいた頃のカミーユが見たような二人の姿は仮初とは言わぬが、周りにそそのかされたのもあってもアムロ=レイを殺さずにはいられないと、殺意を抑えられないとなるくらいにな」
「・・・今となってはそう思えますね」
「だがそうして全てを精算したと思った結果があの姿であり、私にまですがるという醜態を晒した訳ではあるが・・・ララァ=スンの名前が出て来て希望が出て来たとばかりの様子を見た瞬間、私は思ったのだ。この男は結局の所としては、自分にとって都合のいい存在や理由を求めているだけなのだとな・・・しかしもうそんな事を口にしても奴はただグチグチと言い訳をしだすのならまだいいくらいで、最悪な展開としてはなら今後も私やカミーユと会いたいし連絡も頻繁に取りたいとすがってこられる事だ」
「っ!」
そのままハマーンはララァについてがいかな物かを交えた上で話をしていくのだが、その流れの中で口にした可能性についてにカミーユは驚きに目を見開いた。以降もシャアが繋がりを持とうとしてくる可能性についてに。
「これに関してはララァ=スンがそもそもいない場合もそうだが、いても記憶が無いだったり性格が変わっているなどして、拒否をされる事だとかを示唆するように話していたならそうなっていた可能性は高かったと見ている。下手に希望を見付けてそれが打ち砕かれるといった事態になったなら、また私達に頼りたいというようにな」
「それは・・・想像したくない状況ですね・・・」
「私自身もそう思うが、だからこそもうこれ以上奴とどうこう話すなんて事をすまいとあぁして話を切り上げたのだ。もう奴とあれ以上話をしてもこちらが不愉快になるだけだったのもあると見てだ」
「そうだったんですか・・・」
そうなる可能性はララァに何かしらシャアにとって不都合があったならを仮定した時の物であり、その上で話を終わらせたいと思ったからとの答えにカミーユも納得していった。言われてみればそういったことになり得る可能性は非常に高いと思えると。








.
18/23ページ
スキ